男の子

その男の子に会ってお礼を言いたいとフクロウに頼んだら、この草原に着いた。しばらくいくと湖畔に浮かぶ城を見つけた。その城の東の窓にあの男の子が座っていた。

泣いていた。お礼を言って硬貨を見せると、ピンと来たみたいで、ポツリポツリと話してくれた。

「おかさあんはね、この島を作った神様でね、他のみんなも、お月様と太陽とか、昼とか夜とか作ったすごい人たちなんだ。」

少し自慢げに話していたが、急に元気が無くなった。

「誰も遊んでくれなくって、人間に変身しておねえさんのいる世界に遊びにいったんだ。」

どうりで、人間じゃない雰囲気がするわけだ。

「みんなは僕のこといちゃいけないって言うんだ。ほんとうの家族じゃないから、僕は怪物の子供だからいらないんだって。」

この子の家族は神でこの子は拾われたのだと悟った。悲しかった。自分を必要だと言ってくれた子が、いらないと言われている。ただ、悲しくて、悔しかった。

「そんなことない、そんなことないよ。君はこの世界に必要だ。少なくとも私にとって、必要だよ。」

そう必死に伝えた。辺りがより一層明るくなってきた。魔法が解けるように感じた。

「ありがとう。僕頑張るよ。」

男の子と私は白い光に包まれた。また、ぎゅっと目をつぶる。

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