おお、カミよ!
じゃせんちゃん
愚か者
男は過去に犯した愚かな行いに後悔しながらカミに祈っていた。
『おお、カミよ助けてください。何故、俺はあんな馬鹿な事をしてしまったのか。』
時間を遡る事が出来るのならば今直ぐに過去の自分をぶん殴ってでもその行いを辞めさせてやるのに、しかしそんな事できるはずも無く男は今現在降りかかっている災難にジッと耐える事しか出来なかった。
この窮地を周囲に悟られない様に男は平然と振る舞ってはいるが、額には汗が滲み呼吸も少し乱れている。
気を紛らわせるために壁にかけてある時計を眺めるが秒針の動きはいつもより遅い様な錯覚を受け時間の経過がより長く感じ、時間の経過と共に男を苦しめるソレは猛威を振るう。
マズい、このままでは非常にマズい。
男は目を閉じただ静かに祈る。
その時、授業の終わりを告げるチャイムがなり響く。
男は一目散に教室を飛び出し目的の場所へ飛んで行きたい気持ちを抑えつつ、余計な衝撃を与えない様に静かにゆっくりと席を立つ。
「はぁ、助かったぜ。まさか軽い気持ちで今朝飲んだ古い牛乳のせいでこんな事になるだなんて、危うく一大事になる所だった。カミ様ありがとうございます。もう古い牛乳を飲むなんて馬鹿な事は二度としません。カミ様に誓います。」
トイレの個室で安堵しカミに感謝する男。
しかしこの後、男は再び絶望に襲われるのだった。
この個室に【カミ】が存在しない事を男はまだ知らないのである。
おお、カミよ! じゃせんちゃん @tya_tya_010
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます