第5話 遭遇
モンスター
この世界にはそう呼ばれる怪物がいる。
姿形に差異はあれど知性は持たず、その圧倒的な暴力で人を襲い世界を混沌へと導こうとする存在であり、未だにその発生原因は分かっていない。
それを狩るのが狩人であり狩人養成学校で学ぶものたちの目標だ。
テストに合格したする事が出来たウルドはみんなと打ち上げをしていた。
(場所はもちろん焼き肉屋。発案者はもちろんフェイ。フェイは焼き肉が大好きだからね。)
今さらながらボクとボクの友達を紹介しようと思う。
まずは、ウルドことボクから。
見た目は黒髪黒目フツーの顔だ。
ウルドは狩人養成学校にぎりぎりで入れたような力、才能、共にないキャラクターだ。
モンスタースレイヤーズ中盤から終盤でのウルスの役割は悪役だ。
妹の死をきっかけに闇堕ちして覚醒、友達だった筈のリリーを殺してしまう。
これだけ聞くと訳あり悪役という感じだろう。
しかし、ウルスが外道と呼ばれるの所以そこではない。
ウルドは人間の敵となってモンスターたちを引き連れ主人公の前に幾度となく立ちはだかり、友達だった筈の者まで殺してしまう。
そんなクズだ。
ボクはそんなクズにならないため。
そして、今世でやっと手に入れた今の幸せな生活を失うことがないように狩人の頂点であるトップスレイヤーを目指すことに決めた。
次はボクの親友にして目標であるアレックスだ。
アレックスは短く切られた赤い髪に黄い目のイケメンだ。
アレックスはみんなをまとめるリーダー的存在なんだけど、両親をモンスターに殺された過去があるせいで、暴走をする事がある。
原作ではウルドの親友だった。
もちろん今も親友だ。
しかし、原作ではウルスは闇堕ちしてしまいアレックスの恋人であったリリーを殺してしまう。
それだけでなくあろうことか、ウルドはモンスターの仲間になってしまうんだ。
そのことで、2人は宿敵として戦うことになる。
3人目はリリーだ。
リリーは黄色い髪に薄い青の目ちょっときつい言葉を使うが、いつもみんなの仲を取り持ってくれてるとても良い子だ。
そして、ここにはいないし、あまり会うことはないがミリーという女の子がいる。会うたび髪色やカラコンを変えているので本当の髪や目の色は分からない。
不思議な子だ。
リリーとは双子なのでとても似ている。
原作でも良く分からない立ち位置だった。
最後にトング片手に網の前でヨダレを垂らしているのがフェイだ。
サラサラなブロンドの髪に緑の目に丸々と太った、わがままボディー。
フェイは口は悪いけど、なんだかんだ僕のことを気にかけてくれるいいやつだ。
でも、原作ではウルドに殺される。
「ウル本当に良かったな。良く頑張ったよ。」
「ありがとうアレックス、でもボクの夢はトップスレイヤーになることなんだ。こんなことで褒めないでくれ。」
そんなことを言いながらも褒められなれていないウルドには効果抜群だ。
思わずにやついてしまう。
「ほぉー言うようになったじゃないか。流石は親友だ。」
そんなこんなで楽しく打ち上げを終えたウルドたちは、みんなでたわいもない話をしながらあるいていた。
その時。
ドンッ
前から歩いてきた女性に肩がぶつかる。
「あら、ごめんなさい。ちょっと急いでて」
「いえ、ボクの方こそごめんなさい」
(きれいなお姉さんだなぁ。)
ウルドの精神年齢は今世に引っ張られている。
いや、前世でもこんなだったのかもしれないが。
ブゥーブゥーブゥー
モンスター接近 モンスター接近 対象は100メートル以内
直ちに戦闘態勢になってください。
モンスター感知器
モンスターの波長をキャッチし狩人にモンスターの場所を知らせるための道具を小型化し持ち運べるようにしたもの。
3キロ先のモンスターの波長までキャッチすることが出来る狩人にとっての、マストアイテムだ。
狩人も目指すウルスたちも養成学校から、1人1個支給されていた。
その感知器の音が鳴り出す。
これが表すことは、、
もし、それが本当だったらここは考えるまでもなく、大変なことになる。
「え、どういうこと」
とその場にいた狩人のたまごたち全員が思った。
もしこの場にプロの狩人が居てもそう思っただろう。
感知器が故障したのかもそう思うかもしれない。
それ程までにあり得ないのだ。
町のなかに突然モンスターが現れることなど。。。
「貴方ですよね、」
そんな中ウルドはいち早く動いた。
前世の経験から、自分を害そうとする視線にはとても敏感だった。
「ナ、何のことを言っているか分からないけど、私は先を急ぐかラ」
ウルドは確信する。
「みんなこいつだ!」
「チッ、なんでバレのよ。擬態は完璧な筈なのに。様子見の予定だったけどまあいいわ。相手をして、あ、げ、る。」
そう彼女が言った瞬間一気に空気が変わり、ヒリついた雰囲気が漂う。
「なんで、人間からモンスターの波長が出てるの??意味分からないわ」
「みんな落ち着け、授業でやったろ。モンスターと遭遇したらまずは距離をとるんだ」
「とは言ってもアレックスお前が言ってるのは相手がモンスターの場合の話だろ。俺様は人間と戦いたくて狩人目指してる訳じゃないんだ。」
もっともな主張である。
もし無力な民間人に対し狩人養成学校の生徒が攻撃したとあらば、狩人全体の地位を脅かす事態になる可能性すらある。
「いや、コイツは完璧に敵だよ」
そんな中でもウルドは言い切る。
前世で散々敵意を受けてきたウルドには分かるのだ。
(コイツは敵としてボクらを見ている。いや、それ以下だな。いい遊び相手。オモチャくらいに見られてる。)
「お前らがそう言うなら分かった。狩るぞ」
「やだなぁー君たち。そんな殺気出されたらやる気出ちゃうじゃん」
女は軽々しい口調からは考えられない程の殺気を纏わせる。
下手に動けば殺される。
常に首に刃を当てられている。
そんな感覚がウルドたちを襲う。
こうして謎の人間の女性?型モンスターとの戦いの火蓋が切られた。
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