第10話 ほかの子とデートしないで

「ねえ、明日はデートの練習でいいんだよね?」


 幼馴染がちょっと不安そうに尋ねる。


「そうだけど。どうしたの?」

「デートの練習ってことは、私とデートしたいってことだよね? ほかの誰かとデートをするための練習じゃないよね?」


 俺は驚いて幼馴染のことを見つめると彼女の瞳は潤み、不安で揺れていた。


「デートの練習やっぱやめにしとく?」


 俺が聞くと、幼馴染はフルフルと首を振った。

 そして、泣きそうな声で言う。


「他の子とデートなんてしないで……たとえ練習だったとしても……」


 幼馴染がどうしてそんなことを言ったのか、そのときの俺には分からなかった。

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