第8話 今週末でかけない? 

『今週末出かけない?』


 かれこれ一時間以上悩んだあと、俺は幼馴染にメッセージを送った。

 悩みすぎて真夜中だった。

 幼馴染はもう寝ているかもしれない。

 もどかしいけれど、決断できなかった自分が悪いのだ。

 明日の朝を待つことにしよう。

 そう思って、スマホを充電器につないで枕元に置いたとき、


 ♪~♪~♪


 メッセージの着信音がした。

 普段は音がならないようにしているのに、無意識に着信音がなるように設定していたのだ。


『いいけど。デート?』


 俺は慌てて、文字を入力する。


『デートの練習ってところでどうでしょう?』


 そう、俺たちは一緒に出掛けるけれど、デートではない。

 デートの練習。

 ただの幼馴染じゃなくて、デートをする関係になるために距離を縮めていく。

 そんな一日にしたいと思ったのだ。


『楽しみにしてるね💗』

『おやすみ』


 立て続けに送られてきたそれらをみて俺はほっとしたが、なかなか眠りにつくことはできなかった。

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