第4話

「おはよ。」

「…おはよ。」

「ごめんね。帰ってくるの遅くなって。」


この日の朝、飛鳥は朝帰りした。


「気にしてないからいい。」


僕は今も籠の中。

最近、飛鳥の帰りが遅い。

予想は付いてる。


「お腹減った?」

「大丈夫」

「そう?じゃあ私疲れたから寝るね。」

「おやすみなさい。」

「おやすみー。」


本当は空腹は限界を超えてた。

器の中の水もから

そういう扱いのモノ。


多分…飛鳥には今男がいる。

出かける時の服も露出の多い物になってきた。

所詮僕はモノ。犬以下。


普段貰える食べ物も日に2回あたればいい。

食パン一枚で飢えをしのぐ時もある。


女の人を僕みたいにするパターンはたまに聞くがどちらにせよこの中でただ天を仰ぐのは…生きた心地がしない。


自分名義のスマホだけは与えられている。

僕は彼女が寝た隙に少量の自分の荷物とスマホだけ持って、家を出た。

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