第2話
街をさまよった。
でもダメだった。
また『主』の元へ戻った。
――――――。
「なんの用?」
「すみませんでした」
「もう要らない」
「すみません…」
「代わりなんていくらでもいるの」
僕は玄関から追い出されてそのまま…マンションの屋上へ向かった。
―――――――――「もういいや。」
その直前。
腕を引かれた。
「…?」
「許してない」
「捨てられた」
「逃げられた」
「…いかせて。」
「だめ」
「代わりはいくらでもいる」
「ひねくれないで」
「もういいです。どうせ僕はかちがないので。」
「あの中に戻りたい?」
「いいです、もう代わりはいると思うので」
「…黙って入って。それ以上口きかないで」
僕はまたあのケージの中へ戻った。
主の首輪を付けられて柵の外から目を向けられる事に言葉なんか要らない程の安心感があった。
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