モールス信号の行先

廊下の蛍光灯が不規則な点滅をしていた。

まるでモールス信号のように、長く、短く、ピカピカと煤けた棒が、もうだめだと叫んでいる。

でも、君を救うにはいなくなってもらう他ないんだよ、と悲しくなりながら、スマホを出して管理会社の連絡先をたどる。

さようなら、時代遅れのあたたかな灯り。

次はきっとLEDの白が、この薄汚れた壁を照らすことだろう。


「もしもし、廊下の電気が切れちゃったみたいで」

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