10話 おわかれ
女の子が熱くなってから10回の夜がすぎた。
女の子の顔は赤いままだけど、肌が青ざめていた。
「大丈夫?大丈夫……?」
「……大…じょぉぶ……だよ。」
「でも顔が…いつもの色に戻ってないよ。」
女の子はニッコリ笑うだけだった。
「カミサマとはもう…さよならしないといけないかもしれないけど…、短い間楽しかったよ……。」
「…………。」
「カミサマもさ……、ちゃんと笑ってよ…。笑ってないとシアワセは……さ、入ってこない……んだよ………。」
「………………。」
「だから……。わらってよ。カミサマ……………。」
「…………そうだね。」
僕は、ニッコリ笑ってみせた。
でも何故か、僕の目から沢山の雨が降ってきた。
その2回後に、女の子は冷たくなった。
「……喋ってよ。もっと沢山教えてよ…。」
女の子にそう話しかけても、なんにも言わなくなった。
僕の目からは、たくさんの雨が降ってきた。
あの時よりも沢山雨が降った。
女の子は目を開けなかった。
どれだけ待っても話しかけてこなかった。
何十回も夜がすぎた。
胸の奥がとても痛かった。
………………いたかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます