10話 おわかれ

女の子が熱くなってから10回の夜がすぎた。

女の子の顔は赤いままだけど、肌が青ざめていた。


「大丈夫?大丈夫……?」


「……大…じょぉぶ……だよ。」


「でも顔が…いつもの色に戻ってないよ。」


女の子はニッコリ笑うだけだった。


「カミサマとはもう…さよならしないといけないかもしれないけど…、短い間楽しかったよ……。」


「…………。」


「カミサマもさ……、ちゃんと笑ってよ…。笑ってないとシアワセは……さ、入ってこない……んだよ………。」


「………………。」


「だから……。わらってよ。カミサマ……………。」


「…………そうだね。」


僕は、ニッコリ笑ってみせた。

でも何故か、僕の目から沢山の雨が降ってきた。


その2回後に、女の子は冷たくなった。


「……喋ってよ。もっと沢山教えてよ…。」


女の子にそう話しかけても、なんにも言わなくなった。

僕の目からは、たくさんの雨が降ってきた。

あの時よりも沢山雨が降った。

女の子は目を開けなかった。

どれだけ待っても話しかけてこなかった。

何十回も夜がすぎた。

胸の奥がとても痛かった。


………………いたかった。

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