2話 女の子

それからもよく女の子と話すようになったンだ。

おしゃべりするだけなンだけど、とっても楽しい。


「人間は、何が好きなの?」


「多分、カミサマが好きなんだよ。お願いを叶えてくれるから……。」


「カミサマってなあに?」


「カミサマは、たくさんの人を救ってくれるんだよ。だからあなたも、私をコドクから救ってくれたカミサマだね。」


少し照れくさいなぁ。


「コドクってなあに?」


「独りぼっちで、仲間がいない人のことだよ。昔の私みたいなね。」


主に僕が知らないことを聞いて、女の子に答えてもらう。

沢山の驚きがあって、とっても面白い。


でも、最近少し気になることがあったんだ。

だから女の子に聞いてみた。


「よく包帯をしているンだけど、なんで?痛いの?怪我してるの?」


女の子は少し悲しそうに笑って、


「イジメられてるからだよ。」


って答えてくれた。


「イジメって悲しいこと?」


「……。うん………。」


悲しいのは、嫌だなぁ。

悲しいのは、痛くて、苦しいもんなぁ。


「悲しいのになんで笑ってるの?」


「笑わなきゃ、いけないから。」


無理して笑わなきゃいけないなんて、イジメって嫌だなぁ。

無理して笑うのがいちばん苦しいのに…。

詳しくは分からないけれど……。


僕はただ女の子を助けたいと思った。

だから、


もっと詳しく調べなきゃな。

今度、調べてみようかな。

イジメって奴について。


なんて思った。

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