カミサマなんかになりたくなかった。
K.K
1話 蛇
僕はそこら辺にいるただの蛇。
でも最近なんだかちょっと様子がおかしい。
人間じゃないのに、人間になれる。
それだけじゃなくて、蛇以外の生き物になれる。
もう何十年も生きてきたからかな?
何年かは数えてないけど、、、。
最近はなんだか、人間が人間の僕のためにおうちを立ててくれた。
カミサマ、カミサマって僕のおうちの前で言う人間も増えてきた。
僕は、そのカミサマっていう名前じゃないのにね。
人間って変なの。
昨日は女の子も来てたっけ。
赤くて綺麗な目の子だったな。
「どうかもうイジメられませんように。誰にも殴られませんように。蹴られませんように。」
そんな感じのことを言ってたっけ。
イジメってなんだろう?
今日、僕はなんとなく人間の姿で過ごしている。
何でかはわかんないンだけと、こっちの姿の方が楽なンだよね。
そしたらびっくり!
その日の女の子に見つかっちゃった!
女の子が、驚いたような顔でこっちを見ていた。
「もしかしてカミサマですか?」
なんて女の子が言った。
「うん!」
僕は咄嗟に言っちゃった。
そしたら女の子が、
「カミサマ、私とオトモダチになって下さい。」
って言った。
オトモダチって何かはよくわかんないんだけど、
「いいよ!今日から僕たちオトモダチねっ!」
って女の子に笑顔で言った。
よくわかんないんだけど、女の子が嬉しそうに笑ってた。
オトモダチってきっといいものなんだろうなっ。
そんなこんなで、僕と女の子はオトモダチになった。
その日は、女の子と少し話をした。
「オトモダチってなあに?」
「オトモダチって言うのはね、ナカヨシの事だよ。一緒に遊んだり、お喋りしたりするナカマの事だよ。」
「ナカヨシってなあに?」
「それはねぇ、一緒にニコニコ笑い会える人達の事だよ。」
「ナカマってなあに?」
「ナカマはねぇ、協力出来る間柄のことだよ。」
女の子は、色んなことを教えてくれた。
僕の知らない詞を沢山知っていた。
でも、イジメって言うのは教えてくれなかった。
「イジメってなあに?」
って聞いても、小さくにこって笑うだけだった。
教えて貰えないのは、ちょっと寂しいけど、誰にだって教えたくないこともあるよねっ。
今度教えて貰えたらいいな。
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