第28話
Chat Noirからの帰り道、曲がり角から飛び出して来た車に危うくひかれそうになった。車を避けた拍子にビルの壁に背中を打ちつけ、何かが閃いた。そういえば、このところ、こんなことばかり起こってないか?
数日前にも歩道に近づき過ぎた車に接触しそうになったし、変な男に絡まれそうにもなった。ぼんやりしてて、特に気にも留めていなかったが、よく考えたらこんなことばかり連続で起こるなんておかしい。
ふと、チャドの言葉を思い出した。あいつ、やたら俺に何か起こらなかったか聞いていたよな?
翌日、Chat Noirにチャドが現れたので、トイレ前に呼び出して壁に押し付け、左頬のすぐそばの壁を拳でドンと叩いた。そのまま腕と身体でチャドを動けなくしておいて、問い詰めた。
「お前何か知ってるだろう?」
「え、何かって?一平
「ふざけんな!俺もお前なんか好みじゃねぇよ!最近俺の身辺でおかしなことばっかり起きてる。お前、何か知ってるだろう!」
チャドはヘラヘラ笑っていたが、俺の顔を見て、どうやらこのままでは解放してもらえそうにないとふんだんだろう。
「
「那愛魔?まさか、那愛魔がこんなこと…?」
俺はショックで一瞬ひるんだ。その隙をついてチャドが俺の腕から逃れようとしたので、胸ぐらをつかんでもう一度壁に押し付けた。
「那愛魔がこんなことするわけないだろう」と言うと、チャドはまたヘラヘラしながら
「那愛魔が、って言ってないよ。那愛魔のスポンサーだよ」と言った。
「スポンサー?そいつがなんで俺を…?」
「知らないよ〜!でも、ボスは一平兄のこと、なんか気にしてたよ」
「ボス?そいつお前のボスなのか?誰なんだよ!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます