第7話
「誰がアンタのこと、好きって言った?」冷たい声が響き渡った。
ハッと目を開けると、礼王は、氷の彫刻みたいに綺麗な顔で、銃らしきものをこちらに向けていた。
「アタシ、勉強の成績悪いけど、狙撃の授業は成績いいんだよね…。A+より下は取ったことないんだ」
「ちょっと待ってくれよ…お前から抱きついてきたり…」
「試してみたの。やっぱり、ちょっとそれっぽいこと言うと、あっさり引っかかるね」
「それはないだろう…。こっちはちゃんと紳士らしく…」
「こんなに誘惑に弱いようじゃ、一緒に住むのは無理だよ」
「え?一緒に住むって…いや俺は、行くとこないから、一時的にここに…」
「だって、仕事もなければ、住む家もないんでしょ?当分ここにいるしかないじゃない」
「え…ここにいていいの?」
礼王は銃をおろして、
「アタシ、困ってる人を突き放すほど冷たくないよ。性格良くて困っちゃう…」と言った。
いや、お前は悪魔だけどね…
でも、ここに住ませてもらえるなら、すごく助かる!
「これからは、ちょいちょいテストするから、引っかからないように!」
「え〜っ!?また、ああいうのやるの?あれを無視できる男なんていないでしょ!」
「鍛えることだね、一平くん。」
無理です…それくらいなら、野に放置してください…
「それに、まだ星人を探すのを手伝ってもらうっていう約束果たされてないからね!」
「もしかして、俺を手下として使おうとしてない?」
ふふふ…と不気味に笑いながら、礼王は自分の部屋へと去って行った。
あぁ、俺はどうなってしまうんだろう…
あんなの何度もやられたら、廃人になるかも…
もうすでに、美少女アレルギーにはなりかけている。
ぐったりとしながら、シャワールームに向かった。
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