第4話
完全にチャラ男の姿を見失ってしまった俺は、仕方なくガールズバーに戻って
一度店を出たので、また入るのは気まずい。というか、間違いなく怪しまれるだろう。
裏口で礼王が出て来るのを待つしかない。
俺はいったい何をしてるんだろう、と思いつつ、店の裏路地で壁にもたれてぼんやりしていると、眠くなってきてしばらくウトウトした。
腕をポンポンと叩かれて、ハッとした。こんなところで寝るなんて危ない、危ない…
腕を叩いたのは、礼王だった。
「どうだった?」
「不思議なんだよ。あいつ、どこにも隠れるところなんてないのに、角を曲がったら消えてたんだ」
「ふ~ん、やっぱりあいつ、星人かなぁ…」
「聖人?そんなご立派なものじゃねぇだろ?」
「ご立派?異星人だよ?」
「異星人?何、ファンタジーなこと言ってるんだよ。妄想好きだな〜。中二病?お前いくつ?」
「だから、お前じゃなくて礼王!アタシは17だけど、それが何か?」
「え?18にもなってないの?」
それでガールズバー勤務はヤバい。下手したら捕まるぞ…そして、一緒にいたら、俺も…
「悪いことは言わないから、ガールズバーは本当に辞めた方がいい」
「もう、その話はいいよ。うるさいな。それより、あいつが星人だったら、そっちの方が問題だって」
「なんだよ、星人、星人って…いるわけないじゃないか、異星人なんて…」
「何言ってるの?星人が最近いろいろ問題起こしてるのに、知らないの?」
ん?何故、そんなに真顔で星人の話ができるんだ?礼王は頭がおかしい娘なのか?
「えっと…俺がおかしいのか、礼王がおかしいのか…ここは、地球の日本の大阪だよな?」
「オオサカ…?何それ?」礼王は外国語でも聞いたかのようにキョトンとした。
「ここは、地球の、日本の、マホロシティだよ!」
マ、ホ、ロ、シティ…?どこ、それ…?
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