第12話

・名前を付け終わった後二人は午前中はゆっくりと過ごし、昼飯を終えると個々でする事に取り掛かる。リーンは作業部屋に戻り麦畑に撒く薬の調合を始める。

〈リーン〉さてと、作りますか。まずはワイバーンの皮膜を温めますかぁ。

・リーンは皮膜を暖炉に入れ火で炙り黒くなるまで温める。その横で蟲喰草とマンドラゴラを薬研の皿にのせ潰していく。

〈リーン〉そろそろ皮膜も良さそうね。

・そういうと皮膜を暖炉から取り出すと細かく切り薬研の皿にのせ、すり潰す。マンドラゴラと

蟲喰草が静かに煙を上げて焦げる。

〈リーン〉良い匂いしてきた、あとはよく冷やした井戸水を混ぜて色が変わるのを待つだけ。

・リーンは薬研から粉末を大皿にのせ井戸水を

ゆっくりといれヘラでよく混ぜる。

焦茶色だった粉末が少しずつ水色になっていく。

〈リーン〉よし、良い感じに出来た。

あとは風に飛ばないように出窓に置いてはしましょうか。

・リーンは軽く水気を拭き取るとトレーにのせ

出窓の日が当たる場所に置く。

〈リーン〉ちょっとだけ休憩しましょ。

・その頃ジャックはダチュラを連れてノアのところに向かいノアにダチュラを紹介した。

〈ジャック〉ノア元気してるかい?昨日はありがとう。新しい家族を連れてきた。

・ノアは眠たそうに首をあげジャックとその肩に乗っているダチュラを見る。

ジャックはノアに近づきその場にしゃがみ、

ダチュラを肩から降ろす。

〈ジャック〉昨日は怖がらせたかもしれないが

ノアは優しい奴だから大丈夫だよ。

・ダチュラは恐る恐る、ジャックの腕から抜けるとノアに近づく。ノアは近付いてくるダチュラが怖がらないよう頭を下げている。

ノアはダチュラが鼻先まで行くと静かに匂いを嗅ぎ、何も思わなかったのか、興味を無くしたのか、そのまま目を閉じ眠ってしまった。

それを見ていたダチュラはというとノアの鼻先から登り始めて額の大きな角の上で丸まって寝始めた。

〈ジャック〉コイツらなら上手くやって行けそうだな。後で寝床を作って持ってきてやろう。

・そういうとジャックは小屋を後にした。

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