第11話

・やがて夜は終わりを迎えまた忙しい朝が来る。

〈ジャック〉はぁよく寝た。ん?リーンまだ寝てるのか。

・珍しくジャックの横でリーンが寝ていた。

リーンはまだ起きる様子がなく、静かに寝息を立てて眠っている。

〈ジャック〉久しぶりに寝顔見たな。

いつ見ても可愛い顔してる。

・ジャックは小声でそういうと静かに起き上がり、ベットを抜け出そうとする。しかし腕を引っ張られて体勢を崩しベットに倒れる。

〈ジャック〉リーン起きてたのか。まだ寝て良いぞ。今日はのんびりしたい。

〈リーン〉あれだけ視線向けられてたら眼も覚めます。まぁ偶然起きただけですけどね。

・そう言ってリーンはジャックに顔を近づけキスをする。

〈リーン〉今日はのんびりと過ごしましょう。

身体中が痛くて主に、股が痛いです。

〈ジャック〉昨日はいつも以上に動いたからな。

・ジャックは言い終えるとベットに横になったまま天井を見ていた。そしてゆっくりと起き上がりリーンの頭を撫でメガネを渡す。

〈リーン〉もう起きるんですか?

〈ジャック〉あぁ、昨日連れて帰った

アークモニターの状態を診てやろうと思ってな。それに朝風呂にも入りたい。

〈リーン〉そうですね。私も後で行きます。

それにあの種は怪我の完治が早いので明日には包帯を剥がせるかもですね。

それでは、私はノアのところに行ってご飯をやって来ますね。

・ジャックは新しい服に着替え、リーンは昨日脱ぎ捨てた二人分の服を持って自室に戻る。

〈ジャック〉あぁいつもより腰が痛い。

今日はゆっくり過ごそう。

・ジャックは部屋を出て風呂場に向かい体を軽く流しすぐにあがる。

〈ジャック〉リーンあがったぞ。

〈リーン〉はーい、今行きますね。

・リーンは昨日履いていた下着を持って体にタオルを巻きジャックの前に現れる。

〈ジャック〉昨日あれだけ見たのに隠さなくても良いんじゃないか?

〈リーン〉体を見られるのは良いんですけど、

昨日ので色んなところに跡がついてて恥ずかしくて。

〈ジャック〉気にしないのに。

〈リーン〉私が気にするんです。

・リーンは少し怒りながら風呂場に向かう。

〈ジャック〉やらかしたまた、

要らない事言ってしまった。

・ジャックは少し反省しながらも、アークモニターの様子を見に作業部屋に向かう。

アークモニターは逃げる事なく箱の中に収まっていた。

〈ジャック〉怪我の調子はどうだ?

・アークモニターはジャックの声に反応して首を持ち上げてジャックを見る。

ジャックはアークモニターを机の上に置き

干し肉を与えゆっくりと包帯を剥がす。

〈ジャック〉おぉもうほとんど治ってるじゃないか。リーンの薬が効いたのか、それともお前の回復力か。まぁ治るならなんでも良い。

・ジャックは軽く軟膏を塗り包帯を巻くとまた箱にアークモニターを戻す。

同じ頃、リーンは風呂から上がり、服を着て

ノアの元に向かうため玄関の扉をあける。

〈リーン〉はぁ朝日が眩しい。

ノア元気にしてるかな。

・リーンはノアの小屋に向かうとノアにご飯をあげ、新しいブラシで毛並みを整える。

ノアは少し眠たそうに顔をあげる。

〈リーン〉ノア、昨日はジャックを無事に連れて帰ってきてくれてありがとう。

また麦の収穫が終わったら1番に食べさせてあげるね。よしご飯も上げたし家に戻るね。

・リーンはノアに挨拶を済ませると、家に戻る。家に入るとジャックの居る作業部屋に向かう。

〈ジャック〉戻ったか。おかえり。

こいつもう傷が治ってるぞ。

〈リーン〉そうなんですか?

あの軟膏にはそんな効能は入っていないはずですが、回復力が高い個体なんですかね。

ところでその子逃げる気無さそうですし

名前を決めてみたらどうですか?

〈ジャック〉そうだな。

ダチュラとかどうだろうか。

〈リーン〉花の名前ですか、

まぁ良いんじゃ無いですかね。

〈ジャック〉よし、そうと決まれば、

お前は今日からダチュラだ。よろしくな。

〈リーン〉よろしくね、ダチュラ。

・ガーデナー家にアークモニター改めて、

ダチュラが加わった。




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