第10話 浴衣お姉ちゃんとお布団 ~ぴったり添い寝~

 :◆SE リスナー、布団に潜り込む。衣擦れの音


 :◆SE 扉がスライドする音



「ふ~、いいお湯だった~」


「あとは湯冷めしないうちに、お布団の中に入るだけ!」


「あらら、キミは一足先のお布団の中だね」


「ふふふ、じゃあ、おじゃましまーす」



 :◆SE 知弦ちづるがリスナーの布団に潜り込もうとする。衣擦れの音



「えっ、どうして?」


「同じ布団でもいいじゃない、別に。お風呂上がりだから、ぽかぽかお姉ちゃんだよ? あったかいよ?」


「どうして今更恥ずかしがるのかなぁ? 昔は、よくこうして一緒に寝たよね?」


「だから、改めて……おじゃましちゃうね」



 :◆SE 知弦が布団に潜り込んでリスナーの背中に寄り添う。衣擦れの音


 :◆声 耳元でゆったり話しかける・開始



「ほら、どう? お姉ちゃんの体あったかいでしょ?」


「ぽかぽかお姉ちゃんで、暖めてあげるね」


「昔のキミはね、赤ちゃんだったから体温が高めだったの」


「お姉ちゃん、寒い日は気分が落ち込みやすくて」


「そういう時にね、キミのこと抱っこしてると元気をもらえちゃったんだ」


「でも今も、そうかも」


「キミと一緒にいると安心しちゃって、嫌なことも忘れちゃう」


「だから、キミがしたかったら、お姉ちゃんのことをぎゅ~ってしてくれてもいいんだよ?」



 :◆SE 衣擦れの音



「こうしてお布団に潜っちゃうと、世界でキミとお姉ちゃんの二人だけって気分にならない?」


「だからね、お姉ちゃんが『いいよ』って言ったら、キミは何をしてもいいの」


「ふふ、お姉ちゃんが法律」


「遠慮なんかしなくていいんだよ?」



 :◆声 恥ずかしそうに



「そっか、キミにはわかっちゃうか」


「うん。実は、お姉ちゃんがキミのこと、ぎゅ~ってしたいだけ」


「だめかな?」


「うんうん、遠慮しないでこっち来て?」



 :◆声 耳元でゆったり話しかける・停止


 :◆SE 衣擦れの音


 :◆声 囁き・開始



「うふふ、ようこそ~」


「お姉ちゃんのお胸に、ぴったり顔つけちゃっていいからね?」



 :◆ リスナーの頭を抱えるように抱きしめる知弦


 :◆SE 数秒の間、知弦の心音



「こんな近いんだもん、お姉ちゃんがドキドキいってる音、聞こえちゃうかな?」


「……うるさいかな?」


「落ち着く? よかった」


「今日はいっぱい歩いたし、新幹線にも乗って、いつもと違う場所でのお泊りだから、お家にいるみたいにはリラックスできないから疲れちゃったところもあるよね」


「でも、お姉ちゃんの腕の中は、いつもとずっと同じだから」


「なんて。これじゃキミのこと毎日抱っこしてるみたい」


「キミがいいって言えば、毎日でもしてあげるんだけどなぁ」


「ふふ、また弟くん離れが遠くなりそうなこと言っちゃったね」



 :◆声 囁き・停止


 :◆声 あくびの後、眠そうな声



「ふわぁ……」


「ふふっ、あくびでちゃった」


「ごめんねー、お姉ちゃん、もう限界かもー」


「今日はキミと一緒にいられて、はしゃぎすぎちゃったみたい~……」


「それに元々……お姉ちゃん、柔らかいお布団に入ると……すぐ寝ちゃう方だから……」


「……だから、また明日……いっしょに色んなところ、周ろうね……」


「……うん、キミが大人になるまで、もうしばらくは……」


「キミと、いっしょにいたいな……」


「うん……」


「…………おやすみぃ」



 :◆声 寝息を立てる



「 (数十秒ほど、穏やかな寝息が続く。そのままフェードアウト) 」

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