第22話 改めて開く夜会
「アルフォンス。そろそろレティシア嬢との関係を明確にしなさい」
でないといつまでも皇宮住まいなんて不謹慎だろうと、父は言った。
不愉快に思いながらも渋々承諾する。
この暴君を、一度でも父と思ったことなどないのに。
私はこの人と、同じ血が流れているのだと思うと気持ち悪い。
それでも彼は皇帝、命令は従わなければいけないのが、余計に私を不快にする。
私は改めて夜会を開くことにした。
そこで正式な婚約と結婚、もしくは婚約破棄の発表をすることになるだろう。
「ジューク、お前はどう思う?」
「…殿下が将来一緒に国を引っ張っていけると思う方がよろしいかと」
レティシアは愛しい、だが将来一緒に国を治めるというのは、果たしてできるのだろうか?
彼女は大きな拒絶を示すかもしれない。
もしも、黒いローブの男が言ったーー「仕方ない、お前は選択を間違えた」。
これを参考にするのなら、多分婚約破棄するべきではないのだ。
「レティシア・ティアナ・エリオット嬢、アルフォンス・ジュリアン・イライザ皇太子殿下の御成です」
彼女は相変わらず無表情だ。
「レティシア様!」
数人の仲が良い学友は、昔からだ。
ループすると分かってからは、彼女のご学友を隣に置くのはやめることにした。
友情が、軋むことなどあって欲しくないはずだ。
皇家主催のこの夜会では、皇帝、皇后の挨拶がある。
そして、私は答えを出していたーー。
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