第六話

「はい、どうぞ」

 遊びを始める前に茜は、ベンチの上に置いたランドセルから、透明なビニール袋を二枚取り出し、一枚を私に手渡した。

「これは一体、どうしたらいいのかな?」

 さっきのことが尾を引いていて、私は無意識のうちに、丁寧な口調になっていた。とんだ皮肉だ。出会った時、私が敬語を使わなくなるよう仕向けたのは、茜なのに。

「両手で持てる少ない量の落ち葉を、チマチマとかけ合うのは、なんだか『合戦』って感じがしないでしょ? だから、この袋に落ち葉をたくさん詰めて、一気に相手にかけるの」

 こんな他愛もないじゃれ合いに、何十分も時間を費やさないだろう。私がそう思っていたよりもずっと、茜がしようとしている「落ち葉合戦」は、本格的な遊びらしく、私は辟易した。こんな精神状態で、茜と長い間一緒にいたくはない。

「なるほどね、わかったよ」

 だけど私は、笑顔を作っていた。さっきみたいに、茜が変わってしまうのが怖くて。少しだけ、泣きたい気持ちになった。家で日頃から味わっているこの苦い気持ちを、茜と一緒にいる時に思い出すなんて、夢にも思っていなかった。


 すっかり寂しくなった木の下にしゃがみ込んで、カサカサの茶色い枯れ葉を袋に集めて、逃げる相手を追いかけて、至近距離になったら躊躇せずかける。私たちは、そんな単純作業を延々と繰り返していた。より本格的にしたせいで、かえってあの男の子たちがしていた遊びよりも、無味乾燥になっている。本末転倒だ。

 そして時折、茜の顔を見られるタイミングが訪れると、私は作り笑いを貼りつけたまま、どこか敵を偵察するスパイのような気持ちで、その都度、その表情を確認した。……短いスパンで何度も確認したって、どうせ結果は変わらない。そんなこと知っていたはずなのに、あんな無駄な行為を何度も繰り返したのは、きっと、「見間違いであってほしい」という私の気持ちの表れだ。


 気持ち悪い。そう思ってしまったんだ。さっきの男の子たちと同じ、はしゃいだ幼い笑顔を、なぜか無理やり作っている茜を見て、私は。


 スタートから二十分近くが経過した。「もう帰らない?」と言い出す勇気を、どうしても持てなかった私は、「いつ終わるのだろうか?」と少し絶望的な気持ちになりながらも、無心で落ち葉を拾い集めていた。落ち葉は最初、公園中に満遍なく生えている木々の下に溜まっていたけど、二十分にも及ぶ「落ち葉合戦」で、今ではもう、あちらこちらに散らばっている。拾い集めるのも、一苦労だった。

 そんな最中、不意にカシャカシャと足音が聞こえてきたので、私は顔をほんの少し上げて、その主を確認した。やっぱり、茜だった。その両手で優しく持たれている、パンパンに膨らんだビニール袋を見た私は、しばらくの間、茜が攻撃を仕掛けてこなかった理由を知った。

 逃げ回っても良かったが、もはや、そんな気力も残っていなかった。ピカピカの新居でゴキブリに遭遇する……その五倍くらいの辛さだ。打ち解けていた人に、トラウマを掘り起こされるのは。

(この人の隣にいる時も、私はあのトラウマに怯えなきゃいけないの?)

 そう考えるだけで、心が千切れそうになる。好きだからこそ、余計に苦しかった。


「うわっ、やられた」

 わざとらしく聞こえないように言って、頭や肩にかかった落ち葉を払う。幸い、虫は交ざっていなかった。

「もう満足したから、帰ろうか」

 気味の悪い人工の無邪気は消え去り、茜はいつの間にか元に戻っていた。訊きたいことは色々とあったが、やめておいた。あの時の私は、記憶にある中では初めて、「早く家に帰りたい」と思っていた。


 夕陽に照らされたいつもの交差点が、茜との長い一日の終わりが、前方に見え始める。ふっと湧いてきた安堵に、複雑な気持ちになっている私を尻目に、一歩前を行く茜は、時々こちらを振り返り、その晴れやかな表情を見せる。

「今日は、とても有意義なことができたよ」

 信号が青に変わる。それと同じタイミングで、茜は話し出した。立ち止まったまま、夜色が滲む東の空に目を遣って。私は少し迷った後、踏み出そうとした足を引っ込めた。

「昨日の帰り、サラちゃんと別れた後にさ、私、二人の女の子がさっきの私たちみたく遊んでいるのを見たの。小一か小二くらいだったかな、二人とも温かそうなセーターを着てたけど、落ち葉の欠片がセーターの繊維に絡まっていて、きっとお母さんに怒られちゃうだろうなって……」

「一体、何が言いたいの?」

 あの傲慢な態度を謝るならまだしも、何をしみじみとした声で語っているんだ。人の心の機微には誰よりも敏感で、あの時、私が怖がっていたことにも、どうせ気づいているくせに。

「……羨ましかった」

 おねしょを打ち明ける子供のような、弱々しく震えた声だった。茜の潤んだ目は、表面張力で辛うじて零れずに耐えている満杯のコップの水面みたいで、それを見た私は、余計に憎たらしい気持ちになった。

「はっ?」

 怒りがモルヒネになって、私はもう、恐怖を忘れていた。

「いや、だから……羨ましいなあ、って。そう思ったの」

 涙声を張り上げて、茜は繰り返す。

「羨ましいって? 茜だって、低学年の時は、そういう幼稚な遊びを友達としてたんでしょ? まさか、そんな友達なんて一人もいなかったとか? まあ、そうだとしても納得だよ。茜みたいに二面性がある人って、怖いから」

 ここまで言うつもりはなかったのに、どうしても止められなかった。私の罵倒を浴び、茜がついに泣き出してしまうと、私の心臓は、痛いほどに速く強く鼓動を打ち始めた。「やり過ぎてしまった」と後悔する気持ちの中には、確かな快感が隠れていた。

「……そうだよ。サラちゃんみたいに立派じゃないから。自分で自分を幸せにする努力をしないで、全部全部、周りのせいにしちゃうから。私はずっと、独りぼっちだった」

 しゃくり上げながら、茜は途切れ途切れに語り、言葉を尽くすと今度は、際限なく零れる涙とそれを拭うハンカチとのいたちごっこを始めた。復讐を成し遂げた満足感が薄れ始め、少しずつ罪悪感が募っていくと、私の心からは快感が去り、ただただ最悪な後味だけが残った。

「君、どうしたの?」

 耐えられず俯いていたが、しばらくして知らない声が聞こえてくると、また顔を上げた。そういえば私たちは、ずっと交差点の横断歩道の前で立ち止まっていたんだ。そりゃあ、人目にもつくか。

 泣き止まない茜に話しかけたのは、高校生と見られる眼鏡をかけた男の人だった。いかにも人の好さそうな彼は、涙で言葉を紡ぐこともできない茜を見ると、ほとほと困ったというように首を捻った。

「……ケンカ?」

 やがて茜との会話を諦めた彼は、私の方を振り向き、そう訊いた。

「まあ、そんな感じです」

 視線を逸らしながら、曖昧に答える。

「どんな酷いケンカをしたの? 早く仲直りした方がいいよ」

「は、はい……」

 胃がキリキリと痛み、「授業中、たまに先生に詰められるヤンチャな男子って、こんな気持ちなんだな」と思った。それからの気まずい沈黙に耐えられなくなり、走って逃げ出そうと、後ろの信号にチラッと視線を送ると、青だった。だけど、あの場から逃げ出す勇気なんて、もちろん私にはなかった。

 どんな難点を抱えているとしても、茜はやっぱり、私を孤独から救ってくれた大切な友達だ。こうして泣かせてしまったことも不本意だし、本当はもっともっと仲良くなりたい。そのためにも、茜の性格があと少し違えば、あのトラウマさえなければ……なんて思うけど、それはただの理想であって、私は今の茜のことも心から愛している。

 その人との関係が今、こうして壊れそうになっていると言うのに、トドメになってしまうかもしれない行為など、できるはずがないじゃないか。


 することは呼吸と瞬きくらいしかなく、各々黙りこくったままで、いくつかの赤信号と青信号を見送った。茜が再び口を開いたのは、突然のことだった。

「遠足でも、お祭りでも、お誕生日でも、私、ワクワクしたことがないの。いつもサラちゃんと一緒にいる時もそう。ちゃんと楽しいけど、見える景色がキラキラ輝き出すような『ワクワク』というものを、味わったことはない。さっき『落ち葉合戦』をしていた時も……やっぱり、ダメだった」

 涙の量は変わっていなかったが、発声はとてもスムーズになっていた。唐突な語りに驚いた私と高校生の彼は、思わず顔を見合わせた。

「ねえ、サラちゃん。『いくら努力しても手に入らないもの』って言うのはさ、この世界に掃いて捨てるほどあるんだよ。私の場合、『ワクワクするという感覚』が、その一つだった。ただ、それだけのこと」

 そうして一区切りつけると、茜は鼻をかんだ。ポケットティッシュを雑に何枚か取り出し、ブーンと勢いよく。すると、どういうメカニズムかはわからないが、あれだけ流れていた涙もピタリと止まった。

「サラちゃんは何も悪くないよ。ただ、自分の不甲斐なさに嫌気が差しただけだから」

 私の方に歩み寄りながら、茜は語る。私は依然として、彼女の心境を理解できないでいたが、ただ「状況が好転している」という事実だけに飛びついて、それっぽく笑顔を作り、手を差し伸べた。

「困らせてごめんね」

 私の手をギュッと握った、笑顔の茜。「よくわからないけど、なんとか丸く収まったようだ」と胸を撫で下ろした……次の瞬間。最後の障壁が、私の前に立ち塞がった。

「君たち、本当にそれでいいの? 『ごめん』と『いいよ』は、ちゃんとケンカの度に言わないと、ダメじゃない?」

 彼の立場に立って考えてみたら、そうやってお節介を焼きたくなるのもわかる。見知らぬ小学生のために貴重な放課後の時間を捧げて、結局、何も成し遂げられずに終わるなんて、あまりにも可哀想だ。まあ、それはそれとして、「余計なお世話だ」と舌打ちをしそうになったのだけど。

 少し迷った後、「確かに正論だから、従うのが吉だな」と思い直した私は、茜と正面から向き合い、形式的に「気をつけ」の姿勢を取った。そして、簡潔な謝罪の言葉と共に軽く頭を下げ……ようとした。

「茜、ごめ……」

「要らない。言ったでしょ、『サラちゃんは何も悪くないよ』って」

 私の顎に人差し指と親指を添え、軽く持ち上げた茜。後から知ったけど、茜がしたあれは、恋愛マンガ世界のイケメンがヒロインに対してする、「顎クイ」という行為らしい。

 そういえば、あの時の私も、確かにドキドキしていたな。まあ、その理由はきっと、顎クイとは関係ないけど。

「いやいや、あんなに泣いてたのに大丈夫なわけ……」

 あの時の茜は、近づいてくる彼のことなど意に介していなかった。私たちは正面から向かい合っていたはずなのに、目に映る茜の顔は、なぜか少しも優しそうに見えなかった。

「この前さ、戦争を題材にした小説を読んだ時、『正しい生き方ってなんだろう?』っていう話をしたの、覚えてる? あの時、サラちゃんは、『友達のような大切な誰かのために生きるのが正しい、と私は思う』って言ったよね。だけど私は、『よくわからない』って言った」

 灯台の下では、どんなに美しい星々も、強すぎる光に消されて見えない。それと同じだ。あの時の茜には、得体の知れないエネルギーが満ちていた。

「本当はね、全く見当がついていないわけじゃなかったの。ただ、自信を持てなかっただけ。だけど……今なら、胸を張って言える気がする。『今の環境に変化を求めるなら、まずは自分が変わらないといけない』からね」

 あの時の薄っすらとした恐怖は、夜空を裂く雷や灼熱の溶解炉を、画面越しに見た時のそれに似ていた。

 そして、全てを語り終えた茜は、なぜか私の肩をポンと叩いて、後ろに立つ彼の方を振り向いた。

「……さて、まだお節介を焼くんですか?」

「お節介って、僕はただ……」

「しつこいですよ」

 その衝撃的な光景は、一瞬で流れた。「えっ?」と戸惑っている間に、全てが終わっていた。


 素早く背伸びをした茜は、親切にしてくれた彼の眼鏡を取り、あろうことか車道に投げ捨てたのだ。残念ながら、その時の車側の信号は青。硬いアスファルトに打ちつけられた彼の黒縁メガネは、やって来た白いワンボックスカーに轢かれ、完全に壊れた。


「早く」

 呆然として動けないでいる彼を尻目に、信号が青に変わった瞬間、茜は私の手を握って走り出した。あの時、茜が発したセリフは、私のトラウマを呼び起こしたものと全く同じだったのに、受ける印象は面白いほどに違った。

「他人の気持ちなんて考えず、自分の欲求を満たすためだけに生きる。それが、私の思う『正しい生き方』だよ」

 心から幸せそうな顔で言う茜に、生理的な嫌悪感が湧いた。「また来週」と小さく手を振って、背を向けた茜のジャンパーの裾を、私は衝動に任せて鷲掴みした。

「ずっと前から言おうと思ってた! 茜ってさ、なんと言うかその……たまに豹変して、怖くなるでしょ? 実は私、茜のそういうところ、すっごく嫌いなの。他のところは全部好きなのに、そこだけがどうしても……」

 出会った日と同じ「茜を失いたくない」という焦燥と、「ここで伝えなければ」という決意とが、ごちゃ混ぜになっていた。表面がツルツルした真珠色のモコモコには、今週末に切ろうとしていた私の長い爪が、深く深く食い込んでいた。

「どうして、そこだけがどうしても嫌いなの?」

 そんな私の話を、満足そうな笑顔のまま、少しの緊張感もなく聞いていた茜は、いつものゆったりとした口調で、そう訊いた。

「……家庭の事情」

 頭が痛くなるくらい悩んだけど、私は結局、本当のことを言う勇気を出せなかった。いま思えば、そこが運命の分かれ目だった。

「そっか。やっぱり、そう答えるよね。じゃあ、おあいこだ。実は私も、サラちゃんのそういう秘密主義的なところ、大嫌いだから。私はさ、サラちゃんが『嫌いだ』って言ったところを、変えようとは思わないよ。だから、サラちゃんにも『私のために変わって』なんて言わない。……ねえ、サラちゃん。私の言いたいこと、わかるよね?」

 茜のジャンパーの裾を握っていた私の手は、脱力して宙ぶらりんになった。「簡単じゃん、言っちゃえばいいんだよ」という囁きが、心の中から聞こえてきた気がしたけど、あの時の私にとって、それは考えるまでもない禁忌だった。

「ごめんね。それは、どうしてもできない……」

 声の震えに連動するように、体が勝手に震え出した。そっか、本当に辛いけど、もう諦めるしかないんだ。茜との未来に、私の望む景色は広がっていない。そのことが今、確定してしまったから。


「……サラちゃん、泣かないで」

 耐え切れず涙を零した、次の瞬間。私の体は、茜の腕の中にあった。そういえば、茜に抱きしめられるのは、これが初めてだな。手を繋いだ時、確かに体温が高いなと思ったけど、手だけで感じるのと、こうして全身で感じるのとでは、感覚が全く違う。なんだか、分厚い布団の中にいるみたいだ。

「サラちゃんはさ、きっと今、私との関係を断ち切るつもりでいるよね。だけど、そんなこと絶対にさせないよ。だって私、サラちゃんと友達でいたいもん。さっきも言った通り、私は『自分の欲求を満たすためだけに生きる』からさ」

 ほんと、しょうがないなあ。なんかフェアじゃない気がするけど、サラちゃんは私の大切な友達だから、折れてあげるよ。いつか言える時が来たら、サラちゃんの秘密、ちゃんと教えてね。

 そんな甘い言葉を期待していた私が、現実のあのセリフを聞いて、どんな気持ちになったかなんて、もう言うまでもないだろう。だけど、それでも、あの時の私には、「そんなの間違ってるよ」と言うことが、どうしてもできなかった。


 端的に言うと、自らの縋っている生き方が、「大切な人のために生きる」という生き方が正しいのかどうか、不安になってしまったんだ。

 この短期間のうちに、茜がここまで変わってしまったことが、何よりもの根拠だ。もしかしたら、人という生き物は、私たちが思っているよりもずっと、簡単に変わってしまうのではないか?

 ならば、そんな変化に影響を受けない「自分本位の生き方」の方が、よっぽど「正しい生き方」と言えるのではないか?


「じゃあ、今度こそ、また来週ね」

 無言のまま頷いて、背を向けた。そしてそのまま、近くの電柱にもたれ掛かって泣いた。夕方から夜への変わり目を、私はそうやって、泣き通した。


 やっと涙が涸れてくれた時には、もう街灯が点いていた。見上げた夜空には、雲一つなく、瞬く星々がハッキリと見えたけど、月は見えなかった。色々なことがあって頭が疲れていた私は、一瞬、「あれ、月がどこかに落ちたの?」と本気で焦った。

「いや、新月か」

 冷静になって呟いた時、私は思わず、笑ってしまった。そして、その原因は、「今さら気づいた自分の間抜けさ」ではなかった。

「なんか、私たちみたい」


 小一の夏、生まれて初めてプールに入ったあの日、浜田先生の励ましに「大人になっても、治らないと思います」と答えようとしたことを、不意に思い出した。振り返れば、「あの女からは永遠に逃げられない」という私の考えは、あの頃から全く変わっていない。

 そんな私の秘密主義と同じで、茜のあの豹変だって、そう簡単には変えられないのだろう。どんな理由があって、あんな傍若無人な思想になったかはわからないが、本性を見せた時の茜には、どこか私と同じ匂いを、心に隠す奥深いものを感じる。


 どれだけ星が綺麗に見えても、やはり画竜点睛を欠いている新月の夜空のように、私たちもまた、最も大切なところを欠かしている。そして、待っていればまた美しい月が浮かぶ夜空と違い、私たちはずっと、このままなんだ。

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