第102話 シルリラの闇堕ち
シルリラの妊娠はイェリアナの4ヶ月後、まだ出産の時期は先だった。ジュード達は知らなかったが、スーベニアがアルムヘイグへ侵攻している頃には、シルリラは旧ハルザンドの王宮へと移っていた。妊娠した事でシルリラもイェリアナと同様に徐々に老い始めていた。
シルリラは多くを与えてくれたアゼルヴェードに深く
この世で最も優れた神はアゼルヴェード様だ。そう考えたシルリラがアゼルヴェードを唯一の神として
「シルリラは褐色の肌を得たか。」
「アゼルヴェード様のおかげで私も
「あぁ、期待している。」
そう応えながらアゼルヴェードは頭の中で別の事を考えていた。褐色の肌を得たという事は
「もう
そう言ってアゼルヴェードは無造作にシルリラの胸にあった精霊石のペンダントをもぎ取った。シルリラは一瞬硬直したが、直ぐに元の状態に戻った。その表情からは何の感情も読み取れない。ただ、彼女の瞳から一筋だけ涙が流れた。ペンダントを持ってさっさと部屋を出ていったアゼルヴェードはシルリラのその涙に気付かなかった。
アゼルヴェードは引き続きシルリラにアルムヘイグの統治を任せた。但し、実務は
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