第7話 シンシアへの想い
騎士団長の許可を得てジークはアルムンド領へ向かい、その馬上で、シンシアとの事を考え続けていたが、アルムンドの美しい自然が見えてくる頃には、ジークの中からの余計な物が
アルムンドの実家に着いた翌日、ジークはシンシアの部屋で彼女に求婚した。しかし彼女は求婚に対して何も言わず、彼女の身に起こった過去の出来事を話し始めた。
過去のジークとの婚約はシンシア望んだ事だった。その頃が幸せの絶頂期だった。しかし叔父の横槍が入り、婚約話は流れてしまった。
「私の体は
そこまで言ってシンシアは泣き崩れた。その姿をみて彼女の叔父への憎しみが
「起き上がってもう一度話をさせて下さい。」
ジークはシンシアをゆっくりと抱き上げ、涙を拭いて椅子に座らせ、彼女の正面で片膝をついて、改めて自身の想いを伝えた。どういう過去があるとしても今こうして2人が共に居られること、シンシアだからこそ自分の側にいて欲しいと願っていること、彼女のこれからの人生を守り抜くと誓ったこと、...
それから少しの間はベントリー領の事や今後の生活について2人で話し合った。連座制の事も伯爵の提案の事も正直に伝えた。その後、家族全員を食堂に集め、シンシアとの結婚を伝えた。
「さすがジークです。貴方の事を誇りに思います。」
おそらくシンシアの事情に気付いているであろう母はそう言った。父と長兄は自分の事のように喜び、大声で何か叫んでいる。妹も本当の姉ができたと喜んだ。その日の夕食には豪華な食事が並べられ、皆がジークとシンシアにお祝いの言葉を述べた。シンシアは時折泣いていたが、その涙に悲しみは感じられなかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます