第3話 盗賊団の襲撃
月明かりが届かぬ暗い森の中を怪しげな集団が移動している。時折ガチャガチャと金属音が聞こえるので、彼らが戦闘用の
怪しげな集団から少し離れた森の中に長兄とジークが、村を囲む
怪しげな集団は森を抜け、村を囲う柵に近づきつつ散開した。森を抜けた集団は月明かりに照らされて容易に視認できる。ジークは集団の斜め後ろから雄叫びをあげながら斬りかかった。その声に反応してか数人が振り返ってジークの剣を弾こうとしたが、間に合わずに斬られた。その他が遅れて振り返りジークへ剣を向けたところで、今度は柵の側に潜んでいた父が背後から斬りかかった。森の方からも戦闘音が聞こえる。森の周辺にとどまっていた者を長兄が始末しているのだろう。全てを終わらせる迄の時間は
「何人か残せ!!」
父の指示に従ってリーダーと思しき者と近くの2名を残した。後で
もともとアルムンド家は武による功績により
ーーーーーーーーーー
「さて、色々と聞かせてもらおうか。」
翌朝、
当然というか、やはりというか、襲撃者は近隣を荒らしている盗賊団のメンバーで、目的はシンシアをベントリー領へ連れ去る事だった。依頼者はベントリーの商人だと言うが、おそらく黒幕がいるだろう。盗賊団は100名を超える大所帯で、ベントリー領を中心に幾つか拠点を持っている事も分かった。しかし全ては襲撃者の自白だけで、書面などの物的証拠や、第三者の証言などは無い。先日の黒鎧の騎馬兵と盗賊団との繋がりも不明のままだ。
襲撃者の自白が一通り得られた頃に執事とナボレス領の騎士団3名がアルムンドに到着した。父はナボレス伯への報告書を派遣された騎士団員へ
その日の夕食前、ジークはシンシアとの会話の中で、ナボレスへ戻ると伝えた。盗賊団の襲撃については伝えていなかったが、夜間の戦闘音や、その後の周囲の状況から、なんとなく察している様だった。ナボレスへ戻ると伝えた直後は普段通りの表情であったが、次第にシンシアの眼から涙が溢れ始めた。「アルムンドでお帰りをお待ちします...」。胸の奥から絞り出す様に彼女はそれだけを言った。
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