第10話:胸がキュンってなるような言葉のいじめ方。

エロい気分なのか我慢してる気分なのか、まじでよく分かんないまま風呂からでて、冷蔵庫から飲み物を出した。

そこで僕はため息をついた・・・なんだか今日1日めちゃ疲れた。


メイサちゃんに振り回された気がする。

真剣なのかからかわれてるのか?・・・心が読めない天使。

まじで、めちゃ嬉しいし、こんな恵まれた生活送ちゃっていいのかなって

思うんだけど・・・これが一ヶ月続くんだよな。

メイサちゃんのテンションに早く慣れなくちゃ。


それ以前に君に恋したら恋するだけ、どんどん切なくなっちゃうよ、メイサちゃん。


そんなことを考えてたらメイサちゃんがバスタオルを体に巻いて風呂から

出てきた。


「あ、僕のパジャマでよかったら出すけど・・・」


「ありがとう、でもいらないでしょ?パジャマなんて、着たってすぐ脱ぐんだから」


「やっぱり?・・・どうしても?・・・ついにその時が来たんだ・・・」


「私ね、寝る時はパンツしか身につけないの」


「え?あ、そう・・・そうなんだ・・・あはは、めっちゃ勘違いした、あ〜

恥ずかしい・・・まあいいか・・・」

「ほら、メイサちゃんも・・・オレンジジュース」


「今何時かな・・・」


そう言って僕は壁掛け時計を見た。


「あ〜まだ8時なんだ・・・」


なんだか気持ちが浮ついてる・・・落ち着かない。

なに期待してるんだろ・・・朝、メイサちゃんが言った言葉?


《エッチする?》


メイサちゃんは僕が出したオレンジジュースを一気に飲み干した。

飲みこぼしたオレンジジュースがメイサちゃんの喉を伝って首を伝って胸を

包んでいるバスタオルの中に流れていった・・・。


「キャッ、冷たっ」


ってメイサちゃんが言った・・・めちゃ可愛かったし、めちゃエロかった。


「もうすこしゆっくりします?ご主人様」


「どうしよう・・・あの、ちょっと確かめてもいいかな?」


「どうぞ?」


「君が僕んちに来た時、僕にどんなご希望でも叶えますって言ってくれたよね」


「はい、どんなご希望も叶えますよ」


「その時さ・・・もし僕がエッチしたいって言ったら?って君に聞いたこと覚えてる?」


「覚えてますよ」


「そしたら君が今からします?ご主人様・・・って言ったよね」


「たしかに言いましたね」


「あの時、僕は君が冗談で言ってるんだと思って適当に誤魔化したけど・・・」

あれは冗談だったの、まじ本気で言ったの?」


「本気に決まってるじゃないですか・・・なんで冗談なんか言う必要あるん

ですか?」

「ちゃんと、やるんです、エッチは」

「私、そう言う使命を帯びて来てますからね」

「って言うか、このさい使命なんかどうでもいいんです・・・私の意志でエッチしてもいいって今は思ってます」


「そうなんだ・・・」


「だから予定通り今夜、エッチしますよご主人様・・・あ、でもその前に言葉で

いじめてほしいんですよね・・・」

「いっぱい悪口雑言、罵倒してあげますから・・・立ち直れないくらい」


な訳で、僕はベッドの中でパンいちのメイサちゃんにまじ立ち直れないくらい

罵倒された・・・いじめって言うより言葉の折檻。

それメイサちゃんの本心じゃないのってくらい、これでもかってくらいののしられた。


「そこまで言わなくてもいいじゃん・・・メイサちゃん怖いよ」


「いじめて欲しいって言うから・・・」


「ショックだよ・・・」

「そう言うさ、心が挫けちゃうようなことじゃなくて・・・なんて言ったらいいの」

「メイサちゃんのは僕が言ってる言葉のいじめってのと意味が違うよ」

「胸がキュンってなるような言葉のいじめ方ってあるでしょ?」


「あ〜・・・エッチいほうね・・・ご主人様、ほんと変態」

「いいですよ、私そっちも得意ですから・・・エッチしたくなるくらい卑猥な

言葉いっぱい言ってあげます」


「もういいよ・・・実際核心つかれてまじ凹んでるんだから・・・もう寝る」


「あれ?エッチしないんですか?・・・そのためにパンツ履いてあげたのに」


「立ち直れないよ・・・」


「私、そんなにひどいこと言いました?」


「うん、血も涙もないくらい・・・」


で、結局メイサちゃんがパンツまで履いて準備してくれたのに、僕がヘタレだった

せいでその夜は記念すべきメイサちゃんとの初エッチは出来ずじまいで終わった。


つづく。





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