第6話:メイドの次は女子高生。

とりあえず薬局でコンドームを買ってきた・・・超極薄を。

今夜使うのかどうか知らないけど、いざって時はないと困るし・・・。

メイサちゃんのあのマイペースな勢いなら、いきなり誘って来るなんてことも

ありうるからな。


「ただいま〜」


「お帰りなさいご主人様・・・こっちに来て?」


アパートに帰るとメイサちゃんが昼食を作ってくれていた。

パスタの定番、ナポリタンだった。


「ご主人様、冷えないうちに食べて?」


「おう〜いただきま〜す・・・美味そう」


メイサちゃんが作ったナポリタンはめちゃ美味かった。

メイサちゃんは僕が美味そうにナポリタンを食べてるのをキッチンテーブルに

ほおずえついて、ずっと見ていた。


「美味しい?」


「うん・・・めちゃ」

「メイサちゃんも食べたら?」


「あとでね」


なんだか微笑ましい・・・擬似的にだけど、メイサちゃんは僕の彼女、

この幸せ感が欲しかったんだ。

それと料理に関してはメイサちゃんの腕ならこの先、心配ないって僕は思った。


それよりびっくらこいたのは・・・なんとずっとメイド服着てくれてるのかと

思ったら、帰ってきたら衣装がセーラー服に変わっていた・・・。


「ずっとメイドさんのままかと思ってたんだけど、今度は女子高生なんだ」


「女子高生嫌い?ご主人様」


「いやメイド服もいいけど、制服もいいな〜なんちゃって」


「よかった、メイドの衣装はコスプレだけど、セーラ服は私の自前だからね」

「言ったように私、現役の高校生だから・・・」


「天界にも学校なんかあるんだね・・・・」

「保育園も幼稚園も小学校、中学校に高校も大学もありますよ」


「天界にも人間界と変わんないとことがあるんだね」


「そうね、ご主人様、天界って雲の上にあるって思ってる?」


「ん〜それは現実的じゃないかな」


「雲の上はただの大気圏だよね・・・ただの空間だって知ってるでしょ?」


「そうだね・・・天上界なんて絵空事だもんね」


「あのね、簡単だから天界って言ってるけど、実際の位置はオリオン座の

5番目の惑星が天界にあたるの・・・私はそこから来たの」


「来たって?・・・どうやってUFOとかに乗って?」


「そんなのじゃなくて、STD(スペーストラベルデバイス)ってカプセルに

乗ってワームホールを抜けてあっという間に地球に来たのね」

「昨夜、ご主人様からのご指名があって、すぐに天界を出て今朝、地球の地上

に降り立ったの」


「そういうの、めちゃ進んでるんだね・・・人間界の常識は天界や宇宙じゃ通用

しないんだ」

「分かって来たじゃないですか、ご主人様」


「つくづく驚く頃ばかりだよ・・・なんだか性に関しても地球なんかより、

ずっとオープンそうだしエッチに対する解釈も明るそうだし・・・」


「エッチなんてご飯食べるのと一緒だよ、生活の一部だもん」

「エッチしないでいると悪いものが体に蓄積して病気の元になるの・・・

心も体も常に活性化してないとね〜」


「だからって誰とでもエッチしてるって思わないでくださいね」

「エッチするのは私が心を許した人だけですから・・・」


「え?僕は心許されてるひとりなの?」

「うん・・・このアパートに来てご主人様に会って、ご主人様の人柄に惹かれちゃ

ったから、私」

「私ね、一目見て、その人がどう言う人か分かっちゃうの」

「もし、ご主人様がただのスケベ男子だったら、私とっくに天界に帰ってると

思います」

「それとご主人様がコンドームがないと妊娠させちゃうって言った心遣いでさらに

大好きになっちゃったし・・・」


「そうなんだ・・・僕たちうまく行きそうかな?」


「そうですね・・・きっといい感じでいけるんじゃないですか?」


「だけど・・・そうなっちゃえばなるほど、想いが深くなればなるほど・・・

切なくなるよね」


「どうしてですか?」


「一ヶ月したら、君は天界に帰っちゃうからね・・・そのことを考えると切なくて」

「胸が苦しくなっちゃう・・・泣きたいくらい・・・」


「・・・・ご主人様ったら・・・」


つづく。


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