第4話:天界は報酬なんか求めない。

「そう言うことなので早速このメイド衣裳のまま・・・エッチしちゃいます?」


「ちょっと待って・・・あのさ、全部終わったあとで高額請求とかって

困るんだけど・・・そんなに金ないし・・・」

「メイサちゃんって売れっ子みたいだから時給高いんでしょ?」


「大丈夫、ヒーリングヘブンはすべてにおいてボランティアですから」

「とっても卑猥なプレイしたって料金かかりませんから」


「卑猥なプレイって・・・ヒーリングヘブンって変態クラブなの?」

「お世話しといて料金取らないって、そんなの社会じゃ通用しないでしょ?」

「僕のうちに来ておいて一ヶ月もいて、しかも僕の希望を全部叶えてくれて

料金かからないなんて、そんな至れり尽くせりな話あるんですか?」


「あるんです」


「なんかめっちゃ怖いな〜・・・請求されないのなら全部終わったあとで

怖いお兄さんが三人くらいやって来て「俺の女になにしゃがんでえ」って

ケツの毛まで抜かれるってパターンじゃないですよね?」


「ひどい妄想、ご主人様昭和的な話してます?」

「あのね、昔から天使って人間に無償でご奉仕して来たんですよ」


「昔の天使のことなんか知らないもん」

「どこかの法律事務所でもご相談無料なんて言ってるけど問題解決したら

結局最終的に成功報酬取るでしょ?」


「あ〜ん、もうご主人様〜分かってよ」

「法律事務所なんか関係ないからね・・・」

「とにかくレンタル彼女とかデリバリーヘルスとかそう言うご商売の方は

生活がかかってらっしゃるからお金を請求されるんです・・・私はそう言う

方たちとは違いますから、天界は報酬なんか求めないんです」


「そうなの?・・・ほんとにいらないの?お金?」

「でもな〜お金取らない代わりに絶対、他に何か要求あるでしょ?」


「まだ言ってる・・・信じろよ、竹内〜!!」

「あ、ごめんなさい・・・」


「う、可愛い・・・」

「もう一回言ってくれる?ごめんなさいって?」


「ごめんなさい」


「うを〜〜・・・ああ、たまんない・・・めちゃ可愛い・・・食べちゃいたい」


「そうじゃなくて、どう言えば信じてもらえるんです?」


「もう一回、ごめんなさいって言ってくれたら全面的に信じる」


「そんなことで遊んでたら終わんないでしょ?」

「あのね、この際、言っちゃいますけど、私は天界が営んでるヒーイング・ヘブン

からギャラは、ちゃんともらってます、バイトですからね」


「ご主人様、疑ってばっかで・・・それじゃなんで私を選んだりなんかしたん

ですか?」


「それはメイサちゃんに恋しちゃったからです」

「酔っ払ってたとは言え、その意識下の中でメイサちゃんを選んじゃったみたい」


「うそ・・・・サイトの画像見ただけで、恋しちゃったんですか?・・・私に?」


「だってそうとしか思えないんだもん」

「一瞬で一目見て人を好きになっちゃうことだってあるでしょ、それですよ」


「まあ・・・一目惚れ?」

「それじゃ〜いいじゃないですか、ご主人様が恋した天使がメイドの格好で

一ヶ月もそばにいてくれてご奉仕してくれるんですよ」

「何の不満があるんです?」


「ありません・・・あまり文句言うとメイサちゃんが怒って帰っちゃうと

困るので・・・メイサちゃんのこと信じます、まるっと」


「それからさ、さっきからずっと気になってたんだけど、そのご主人様って

呼び方やめない?」

「なんだかさ、上下関係があるみたいで気になるんだよね」

「僕はメイサちゃんとは同じ目線でいたいな〜」


「なんでですか・・・ご主人様はご主人様でしょ?」


「メイドカフェならそれもありかもしれないけど・・・」


「だって私メイドですもん」


「メイドは衣装だけでしょ?・・・メイドの前に天使でしょうが・・・」

「どっちでもいいから、僕のことは名前で呼んでよ、ね?」


「はい、分かりましたご主人様」


「分かった・・・もういい」


つづく。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る