第2話:サイトの名前は「ヒーリング・ヘブン」

「って言うか・・・これなんでしょう?・・・レンタル天使って意味分かんない

んですけど・・・」


「ご主人様、私どものレンタルサイトの会員さんになりましたよね」


「知りませんけど・・・」


「たしかにうちの会員さんになってらっしゃいます・・・」


「だから知らないって・・・もしかしたらだけど酔っ払っててポチってやっちゃ

たかもしれない・・・でも覚えてないし・・・」


「私「天使」をレンタルなさいませんでした?」


「はい、なさいませんでしたと思いますけど・・・」


「ご主人様、彼女いなくてお困りだったんじゃありません?」


「そりゃま、彼女いない歴長いですからね・・・正直言ってめっちゃ彼女欲しいし」

「ってかそんなこと君に関係ないでしょ?」


「だからうちのサイトに登録なさったんでしょ?」


「覚えてないんだよな〜・・・なに?・・・それで、わざわざ僕んちまで

訪ねて来たの?」


「すでにレンタル契約成立してますからね」

「お望みだったんでしょ?・・・私がご主人様の彼女になること」


「彼女?・・・まじで?」」


僕はどうやら前の日の金曜日に飲み会に誘われて、いい気分で酒に酔って

どうやって家に帰ったかも記憶にないくらい泥酔していて、会社の竹内さんが

教えてくれたレンタルメイドさんに来てもらおうと思って検索したらしいんだな。


まったく記憶にないんだけど、もしシラフだっとしての話でなにがあったかを

検証するとだな。


僕は酔った勢いで気が大きくなってレンタルサービスのサイトを覗いたらしい。

竹内さんに教えてもらったレンタルメイドさんを検索したらしいが、レンタル彼女やデリヘルはたくさん出てきたけどレンタルメイドってサイトは見つからないかった

みたいだ。

でもその代わり、レンタル天使ってサイトを見つけた。

レンタル天使?ってなに?

サイトの名前は「ヒーリング・ヘブン」・・・癒しの天国?


客からの要望があれば女の子が出張してくるってシステムには変わりない

みたいだけど・・・来てくれる女の子の数がハンパない・・・いったい何人いるんだ

ってくらいの顔が並んでいた。

これだけの子、管理してるなんてめちゃ大手じゃん。


だからその中から僕の好みのタイプの子を選ばなくちゃいけないわけで、

めちゃ時間を費やして飯も食わずに夜中までかかった。


で、ようやく見つけたひとり・・・やはりメイド衣裳を着たのその女の子。

なぜかその子だけが僕には他の子よりひときわ光って輝いて見えた。

で、その子の顔をディスプレー越しに見た僕は一目見てその子に一瞬で恋を

してしまった。


その金髪のメイドの衣装を着た天使の名前は「メイサ・ランジェリー」って言う。


だから迷わずサイトに登録して個人情報を入力し会員になって、メイサちゃんを

どの日に出張して来て欲しいか日時を記入した。

費用がどのくらいかかるかなんて見もしないで・・・。

で、そのまま満足して寝落ちしてしまったみたいだった。


つづく。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る