第16話 土砂崩れ

 前回から、PV81と☆0個を獲得できた。

 現在あるのは、☆56個と1392リワード。


 うーん、PVが貰えない。

 それと☆も。

 分かっている。

 最強じゃないからだ。

 だけどこの状態でどう最強すれば良いんだ。


 リセットしてやり直したい。

 だが、安易なリセットは良くないというか、リセットは死ぬってことだろう。

 気軽にはできない。

 うん、頑張れるだけは頑張る。

 デシーラの機嫌も直ったことだし、このままでも何とかなるさ。


 コメントを6つ貰った。

 指標と励ましが嬉しい。

 生きていく先を示してくれているのは心強い。


 今日、また行商に出発した。

 途中まではことが何にも起きなかったが、ある場所で道が途絶えてた。

 土砂崩れを起こしたらしい。

 雑草が生え始めている所から推察するに、崩れてから1週間ぐらいだろう。


「どうしたらいいかな?」

「馬車なら通れないけど、徒歩はこういう時に楽だよね。道なき道を行くに決まっているよ」


 ペドルさんは行く気満々だ。

 傾斜があって歩きづらいけど、雨も降ってないし崩れることはないだろう。


 少し行くとまた道があった。

 だけどこれを元通りにするのは大変だな。

 重機があったらいいのだけどそうもいかない。


 少し歩いて村へ着いた。


「おい、行商人が来ているぞ」

「ありがたい」


 俺達は大歓迎された。

 物資がないというのに宴会まで開いてくれた。

 もっとも、畑と家畜は無事なので野菜と肉は手に入るらしい。

 入らないので困るのは塩。

 とうぜんペドルさんも塩は少し持ってきている。

 だが村人は100人近くいる。

 行商人がひとり持ってきた量など高が知れている。


 次に来る時は炭でなくて、塩満載で来るべきだろうな。

 ペドルさんは雑貨もほとんど売り切れで、嬉しいような困った顔をしてた。

 ペドルさんひとりで、この村を支えるわけにはいかないからだ。


 道が元通りになるのが一番良いんだけどな。

 村へ一泊して、街に帰った。


「よう、しけた顔をしているな」


 門の所でキーパーにそう言われた。


「途中、土砂崩れがあってな」

「ほう、どこだ?」


 俺は地図を書いた。


「ここなんだけど」

「報告書として上に上げるが……」

「上は動かない?」

「だな。小さい村のようだし、どうにもならないな」


「どれぐらいの費用が掛かるの?」

「魔法使いを20人ぐらい動員して、金貨4枚だな」


 金貨4枚は大金だな。

 村で金をかき集めればなんとか出せそうだが、苦しいんだろうな。

 ペドルさんも冒険者ギルドに依頼出しましょうかとは言ってなかった。


 寄付に頼るとしても、金貨4枚は難しい。

 村で売っても問題ない物。


 そうだ。

 命名権を売れば良い。

 村の名前を買ってくれた人の名前にする。

 村人も助けてくれるならその人が言う名前にしても良いと言うに決まっている。


「村の名前を勝手に変えたら逮捕されるかな?」

「村の名前なんて、ひとつの村に複数あることは珍しくない。そういうのを罰する法律はない。特産品が変わったりすると村の名前も変わったりするからな」

「じゃあ、村の名前を売って金貨4枚をねん出しよう」

「がははは。そいつは良いな。商人なんかだと出す奴がいるかもな。永遠に語り継がれるかも知れないからな」


 ペドルさんにその話をしたら、塩を持って村へ行って村人の意向を聞いてみようということになった。

 あの村へ塩を持って行って話をする。


「村がなんて呼ばれようが俺達は気にしないさ。恩人の名前なら、その名前を喜んで使わせてもらう」

「そうだそうだ」


「命名権の期限はまた土砂崩れが起きるまでとしたらどうかな」


 俺はそう提案してみた。


「そいつは良いな。土砂崩れなんてめったに起きないが、次に起きた時のことも考えておかなけりゃな」


 話はまとまった。

 とんぼ返り、商業ギルトに行った。


「依頼を出したい。村の命名権を金貨4枚で売りたいんだ」

「はい?」


 受付嬢が目を丸くした。


「だから、村の命名権を金貨4枚で売りたい」

「たしかに商業ギルドは違法な品でない限りありとあらゆる物を扱います。ですが聞いたことがないですよ。村の名前を売るなんて」

「違法じゃないらしいが」

「ですね。ええと、依頼票を書いて下さい」


 依頼票を書いて掲示板に貼る。

 俺は金を受け取れないので、依頼主はペドルさんだ。


 金貨4枚をだしてくれる商会が現れた。


「村へ自由な名前を付けて良いらしいが、どんな名前でも良いのか。例えばワイフ愛している♡とか」

「構いません」

「気にいったよ。金貨4枚の価値はありそうだ」


 村は『讃えよ偉大なトラクト商会村』になった。

 長いが、村人は喜んで使っている。


「じゃあ、やるぞ【土魔法】」

「こっちもやる。【土魔法】」


 人間が魔法で土をどかす。

 重機がないぶん魔法があるって感じか。

 一人大銀貨2枚か。

 日当2万円とすれば、それほど美味しい仕事でもないか。

 だけど魔法良いなあ。

 こういうのを見ていると魔法が欲しくなる。

 俺が土魔法を持ってたら一人で解決できたのに。


「一人で解決しただろう」


 独り言をペドルさんに聞かれていたらしい。


「一人で解決してませんよ」

「命名権なんてアイデアを出したのはケンジだ。それが無ければ、道はどうにもならなかった。この話が伝われば同じようなことになった時に村がどれだけ助かるか。凄い事をやったんだぞ」

「そうですかね」

「よし、飲みに行こう。私の奢りでな」

「ごちになります。でもペドルさんの得がないような。なんでそんなに嬉しそうなんです?」


「まず、村が助かって嬉しい。あの依頼を考えたのは私ということになっている。一目置かれるだろう。他の村から感謝される日も遠くない。そうなれば行商の商売にどれだけ有利に働くか」


 ペドルさんは商人だな。

 信用を大事にしてる良い商人だ。

 異世界にきてキーパーに次ぐ親友ができた気がする。


――――――――――――――――――――――――

今回のスキルと☆:

 獲得スキル、なし

 ☆残り56個


今回の収支:

 収入

 81リワード


 支出

 なし


 残金

 1392リワード


次の分岐:


 行商の旅。

 女だらけの子種が欲しい村。


 ①結婚あっせんの商売でしょう。

 ②街の次男坊を集めて、集団見合い。

 ③男が多い村を探して、人員を交換する。


 コメントでどれが良いか書いて下さい。

 9/4日の午後3時締切です。

 同数は作者の都合で決めます。


かなり未来の分岐:


 48話までに10万リワード貯めるとハッピーエンド

 未満だとバッドエンド。


名前:健司・金子

レベル:14

魔力:980/980

スキル:

 カクカク[ ]ⓘ

 点火ⓘ

 剛力ⓘ

 早足ⓘ

 回復ⓘ

 擬死ⓘ

 水生成ⓘ

 付与魔法ⓘ

 やり直しⓘ

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