第12話 くくり罠と唐辛子玉

 前回から、PV135と☆0個を獲得できた。


 現在あるのは、☆56個と1079リワード。


 くくり罠と唐辛子玉を作るぞ。

 と言っても両方モドキだけど。


 くくり罠は簡単なようで複雑だ。

 機械式なんか作れない。

 予算もないし、詳しい仕組みを知らん。

 なので、ロープで輪を作り、引っ張ったら締まるこれだけ。


 モンスターは基本強気だ。

 今まで対峙してきて分る。

 やつら人間なんか屁とも思ってない。

 だからモンスターなんだろうけどな。


 恐らくこのくくり罠モドキで簡単に掛かるはずだ。


「簡単にモンスターに引き千切られないロープが欲しいんだけど」

「高いよ。でもうちのは安ものだ。良いのなら専門店に行ってくれ」


 くそっ、銀貨2枚と、大銅貨6枚か。

 260イール。

 これでも妥協して安いのを選んだ。


 唐辛子玉、これは俺がそう言っているだけで別の呼び名があるかも知れない。

 まず、布の袋を用意する。


「小さい袋ないかな。粗い目の布でできた安いので良い」

「あるよ。銅貨4枚だ」


 手に取って見てみる。

 理想的な袋だ。

 巾着になっているのも良い。

 なんの用途に使うのかちょうど良いのがあった。


「目に入ったら痛い調味料とかある? カラカラに乾いたのだと嬉しい」

「あるよ。銅貨5枚」


 出て来たのは赤くて見るからに辛そうな調味料。

 何でも雑貨屋にはあるな。

 まあ、今回の買い物は日常生活で使うものだけど。


「すり鉢貸してくれないか。ロープも買ったんだし」

「まあいいか」


 すり鉢で調味料を粉にする。


「【剛力】、ごりごりと」


 ふう、スキルあって良かった。

 できた粉をさっき買った袋に入れる。

 これだと軽くて投げられないので、小石を入れる。

 袋をきつく縛って完成だ。


 試しに壁に投げてみた。

 当たると調味料の粉が袋の目の隙間から煙のように出た。

 うん、良い感じ。


 くくり罠の予行練習としよう。

 樹のある場所に行って枝にぶら下がる。

 そして、枝にロープを結んだ。

 体重をかけて枝が戻らないようにして、岩と言っても良い大きい石をロープに載せる。

 そして、ロープの端を輪にする。


 モンスターの足代わりに薪を輪の中に突き刺した。

 重しの石を転がすと、枝がもとに戻って、ロープが引っ張られ輪が縮まった。


 うん、上手くいった。

 ただ、心配なのはロープが金属製ワイヤーじゃないってこと。

 仕方ないよ。

 金がないんだから。


 理想はくくり罠で片足を取って、目つぶしの唐辛子玉炸裂。

 目を潰したらこっちのもの後はどうにでもできる。


 日本じゃ罠猟は許可がいるけど、異世界にそういうものがなくて良かった。


 明日はオーク行っちゃうか。

 奴らの生態も調べてある。

 果物が好きだ。

 特に熟れてぐちゃぐちゃになる寸前のが。

 その匂いにおびき寄せられる。


 オークにターゲットを絞ったのは目が正面に付いていることだ。

 唐辛子玉が当たり易いと考える。


 さあ、寝るかと思ったが、小腹が空いたので、干し肉を齧る。

 ああ、ポテチが食いたい。


 宿の厨房に行く。


「何だ。うちは飯は出ないぞ」

「芋と塩と油ある?」

「あるが」


「売ってくれ。売ってくれたらとびきり美味い物を食わせてやる」

「とびきりだと俺が認めたら、ただで良いよ」


 芋の皮をむいて、薄くスライスする。

 油を火にかけて、そしてスライスした芋を揚げた。

 油から取り出し、塩を掛けたら完成だ。

 隠し味に、唐辛子玉に使った調味料の余りを少し掛ける。


「うーん、良い匂い。ジャガイモでないのが残念だが。サツマイモでもできると聞いたし、カボチャとかでもできるって聞いた。さあ、食うか」


 この塩気と油、そしてちょっと辛いのがアクセントになっている。

 あー、本物より美味い気がする。

 きっと揚げたてだからだな。


「美味いな。この宿に酒場があったら看板メニューになってたかも知れないな」

「だろ。あー、キンキンに冷えたビールが飲みたい」

「ビールって酒は飲んだことがないな。エールより美味いのか」

「苦みと炭酸が良いんだよ。一口目の喉越しが最高で、生きてて幸せって思うんだ」

「エールも冷やしたら美味いだろうな。炭酸水はここら辺じゃ出ないので無理だがな」


 天然の炭酸水が出る所があるのか。

 いつか行ってみたいな。


 果実を絞った汁を炭酸で割るだけでも美味いんだろうな。

 重曹でも炭酸は作れるけど、重曹はちょっとこわい。

 毒が入ってそうだからな。

 天然のは不純物多そうだから。


「ポテチはお眼鏡に適ったかな」

「ああ、ただにしてやる。ポテチが食いたくなったらいつでも言え。食わせてやるよ」

「ラッキィ」


 まだまだ、食ったり飲んだりしてみたい物はある。

 米とか猛烈に食いたい。

 カレーライスとか最高だろうな。

 ウイスキーも飲んでみたい。

 蒸留酒はありそうだけどな。

 やっぱり高級品なのだろうか。


 食後と言えばコーヒーだ。

 想像したら飲みたくなった。


 とにかく美味い食事のために明日も頑張ろう。

 コーヒーはタンポポコーヒーってのがあったな。

 この世界でもタンポポがないかな。

 後で探してみよう。


 それにしてもだいぶ金を使ってしまった。

 だが必要なことだ。

 モンスターを倒さないと強くはなれない。

 強くなれない限りは何事も好転しないだろう。

――――――――――――――――――――――――

今回のスキルと☆:

 獲得スキル、なし

 ☆残り56個


今回の収支:

 収入

 159リワード


 支出

 ロープ、銀貨2枚と、大銅貨6枚、260イール。

 袋、銅貨4枚、4イール。

 調味料、銅貨5枚、5イール。

 宿代、銀貨1枚、100イール。


 残金

 710リワード


次の分岐:


 アンケート分岐。

 オーク討伐。


 ①討伐成功が認められ、パーティへ加入。

 ②討伐成功が認められ、自警団へ加入。

 ③討伐成功が認められ、行商人の用心棒になる。


 コメントでどれが良いか書いて下さい。

 8/31日の午後3時締切です。

 同数は作者の都合で決めます。


すこし未来の分岐:


 15話までに大きなことをする。デシーラが一緒に喜んでくれて怒りも解ける。

 できなければ、デシーラが口をきいてくれなくなる。


かなり未来の分岐:


 48話までに10万リワード貯めるとハッピーエンド

 未満だとバッドエンド。


名前:健司・金子

レベル:7

魔力:35/245

スキル:

 カクカク[ ]ⓘ

 点火ⓘ

 剛力ⓘ

 早足ⓘ

 回復ⓘ

 擬死ⓘ

 水生成ⓘ

 付与魔法ⓘ

 やり直しⓘ

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