第7話 獲ったどー

 前回から、PV92と☆0個を獲得できた。


 現在あるのは、☆51個と878リワード。

 このリワードじゃ安宿にも泊まれない。

 貯蓄があるから良いけど、どうにもね。

 1日のうちに何度もカクカクを書く作戦しかないか。

 ☆はもう望み薄だと思った方が良いだろう。

 駄目な作品の典型になった。


 読み専の時はこういう作品を何度も読んだ。

 中にはやばいぐらい刺さった作品もある。

 だが、一部に刺さるぐらいじゃ駄目。


 駄目な作品に共通して言えるのは、テンプレから外れていること

 でもテンプレから外れてもPVが多い作品はある。

 かなり少数派だ。

 いばらの道と言えよう。

 そのいばらの道に入ってしまった。


 俺は悪くない。

 神様が、こういう設定をしたんだ。

 神の馬鹿野郎。

 ぜんぜん駄目だぞ。


 コメントを5個貰った。

 楽しみがこれしかない気がする。


 キーパーに被害届を出しに門へと行く。


「聞いてくれ。強盗に遭ったんだ」


 キーパーを見つけ、興奮して俺は状況を喋った。


「災難だったな。たぶん捕まらないが、被害届を書くと良い」


 被害届を書いた。


「こんな感じでどう」

「まず、安宿はこういう危険がある。高い宿だと一晩中、従業員が見張っているからな」

「うん、身をもって知ったよ」

「次にくさびを使うと良い。扉に2個も打っておけば、扉は開かない。こうすると大きな音を立てないと入れないので、強盗は諦める」


 そう言えば、あの強盗も盛んに声を出すなと言っていた。


「なるほど」


「被害届の強盗は声を立てるなと言ってたな。声を立てないのも運が悪いと殺される。だから大声で叫ぶが正解だが、その場合、剣が届かない所に逃げる。ベッドやテーブルを立てて、盾にすると良いだろう」

「なるほど」


「声を出すなと言った所から宿の人間は強盗と無関係だな」

「ああ、助けを呼んで来てくれたのは、確かに従業員だった」

「グルだと騒ごうがお構いなしだ。安宿の鍵の構造は簡単だ。針金で簡単に開く。だからくさびを忘れるな」


 俺は知識が足りてない。

 防げる災難だったのだな。


 それにしても強くならないと。

 レベルを上げることを考えるべきだな。

 冒険者になることを決意。


「冒険者登録したいのですが」

「では、鑑定します。【鑑定】、カクカクとはどんなスキルでしょうか?」

「物語を書いて報酬を受け取れるスキル」

「このスキルでは冒険者にはなれませんね」


 ☆10で買えるスキルを列挙したが、駄目みたいだ。

 クズスキルじゃ駄目か。


 ☆100スキルを列挙したら、どれでも冒険者になれるそうだ。

 くっ、☆がないのが恨めしい。


 こうなったら、ひとりで街の外に出てやる。

 俺は捨てられてた長い木の棒を拾って、街の外に出た。


 街道はさすがにモンスターは出ないようだ。

 森へ入った。


 グルルルルと唸り声がして、のっそりとでかい4つ目の狼が現れる。

 体高が俺のへその位置ぐらいあった。

 やばい。


「【剛力】【早足】」


 駆けて逃げても恐らく魔力切れで食い殺されるに違いない。

 戦うしかない。


 俺は棒を構えた。

 モンスターは俺の出方を窺っている。


 くそっ、そういえばクズスキルで活躍する小説があったなイチかバチかだ。


「【カクカク】、スキル購入」


 擬死、水生成のスキルを買った。


「【擬死】」


 俺はとつぜん倒れた。

 呼吸も止まっていると感じられるが、苦しくはない。

 モンスターが次第に近寄り匂いを嗅いだ。

 今だ。


「【水生成】」


 モンスターの口の中に水を作る。


「キャイン!」


 モンスターは驚いて水でむせたようだ。

 チャンス。

 飛び起きて、モンスターの背後に回り、首に腕を回して締め上げた。

 モンスターは滅茶苦茶に暴れるが、絶対に離さない。

 あって良かった剛力スキル。


「もういっちょ。【水生成】」


 そら、苦しくなっただろう。

 もう魔力は空だから、打つ手はないけどな。

 そして、永遠と思えるほど時間が過ぎて、モンスターの抵抗がやんだ。

 だが、油断はしない。

 それから10分ほど締め続けた。


 やった。

 勝ったぞ。


「【ステータス・オープン】」


――――――――――――――――――――――――

名前:健司・金子

レベル:4

魔力:75/80

スキル:

 カクカク[ ]ⓘ

 点火ⓘ

 剛力ⓘ

 早足ⓘ

 回復ⓘ

 擬死ⓘ

 水生成ⓘ

――――――――――――――――――――――――


 レベルが3つも上がっている。

 強そうなモンスターだったものな。

 さあ、この獲物を引きずって帰ろう。


 剛力スキルを何度も掛け直して、どうにかモンスターの死骸を街まで持って来られた。


「凄いな。ケンジお前がやったのか」


 キーパーが俺に声を掛ける。

 声には羨望の色がある。

 ええと、カクカク以外の報酬は受け取れないんだったな。


「もう必死だったよ。もしかして討伐依頼の出てた固体かな」

「まあな、街道近くに出て冒険者が探してた奴だろう」


「この討伐の報酬は門番の人に譲るよ」

「討伐報酬は要らないのか。そうか呪いだったな」

「肉を保存食にしたい。それと毛皮がほしい」

「干し肉と皮なめしだな。加工代は他の素材で出るだろう。俺達が責任を持ってやってやるよ。たまにあるからな」

「そうなの」


「モンスターに追いかけられて、門まで連れて来られると、門を閉めるか討伐になる。ここいらのモンスターは弱いから、大抵討伐だ。これが良い小遣い稼ぎになる」


 レベルが4上がっても、強くなった感じがしない。


「レベルって上がると、力とかはどれだけ強くなれるのかな?」

「よく言われているのは、熟練のレベル30で3倍」


 しょぼいな。

 だが、3倍は地球では超人の類だ。

 オリンピックで金メダルをとれるレベルだろうな。

 しかも鍛えていた奴の3倍なら、鍛えてない一般人の6倍ぐらいにはなるか。

 俺もレベル30ぐらいは行きたいものだ。


 雑談しているうちにモンスターは解体されて、サンプルと言って干し肉を出された。

 乾燥スキルがあるから、短時間で作れるのだと思う。

 ただ大量に作るなら天日干しと思われる。


 おお、ここまでの会話で呪いが発動しない。

 サンプルを受け取ったが問題なかった。

 もっとも俺が獲った獲物だからな。


 狼型のモンスターの干し肉はまあまあの味だった。

 雑談して聞いたことには強いモンスターほど美味い傾向にあるのだとか。

 ただオーガみたいなのは美味いけど、硬くて普通の人は噛み切れないのだそう。

 高位の冒険者が好んで食うらしいが。

 俺も剛力スキルを使えば食えるに違いない。

 ドラゴン肉とか食ってみたいものだ。


 早速くさびを買う。

 10イールだった。


 傷口が開いたのか痛みがあるのに気づいた。

 回復スキルを連打する。

 痛みは治まった。


 無理をしてしまった。

 こんな幸運はもう二度とないだろう。

 擬死と水生成のコンボはたぶん通用しないな。

 何か考えないと。


――――――――――――――――――――――――

今回のスキルと☆:

 獲得スキル、擬死、水生成

 ☆残り49個


今回の収支:

 収入

 92リワード


 支出

 朝飯と昼飯、銅貨8枚、8イール。

 くさび、大銅貨1枚、10イール。


 残金

 860リワード


次の分岐:


 アンケート分岐。

 ①あまりにPVと☆が少ないので自棄酒。労働の後の一杯、飲むしかないしょ。

 ②獲物が良いのなら賭博の収入はどうだ。レッツギャンブル。

 ③デシーラに求婚する。やっぱり女だ。


 コメントでどれが良いか書いて下さい。

 8/26日の午後3時締切です。

 同数は両方やります。


すこし未来の分岐:


 15話までに大きなことをする。デシーラが一緒に喜んでくれて怒りも解ける。

 できなければ、デシーラが口をきいてくれなくなる。


かなり未来の分岐:


 48話までに10万リワード貯めるとハッピーエンド

 未満だとバッドエンド。


名前:健司・金子

レベル:4

魔力:43/80

スキル:

 カクカク[ ]ⓘ

 点火ⓘ

 剛力ⓘ

 早足ⓘ

 回復ⓘ

 擬死ⓘ

 水生成ⓘ

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る