第6話 強盗

 前回から、PV139と☆4個を獲得できた。


 現在あるのは、☆71個と997リワード。


 ☆もPVも、めっきり増えなくなった。

 でもこれが普通。

 最強なしのざまぁなんて、醤油のない玉子かけご飯みたいなもの。

 今までが異常だった。


 ハードモードでは仕方ない。


 コメントを新たに6個もらった。

 もうこれだけが楽しみで生きていると言っても過言ではない。


 今日は安宿に泊まることにした。


「うちは1泊銀貨1枚ぽっきりだよ。食事も何も付いてない。お湯とタオルは銅貨3枚」


 受付にいる宿の女将さんにそう言われた。


「1泊とお湯を貰える?」


 103イールを払う。


「はいよ。6号室だよ」


 鍵を渡された。

 洗面器にお湯が入れられて持ってこられたので、タオルをお湯に濡らして体を拭く。

 お風呂に入りたい。

 だが贅沢は言うまい。

 デシーラを解放するまで我慢だ。


 今日も寝入りは早かった。

 夜、物音がした。

 それで起きた。

 誰か部屋にいる。


「【点火】。ひっ」


 小さな炎に照らされたのは覆面をして剣を持った強盗。

 くそっ、鍵は確かにかけたぞ。


「【カクカク】、スキル購入」


 早足を購入した。


「声を出すな」

「俺には切り札がある。【剛力】【早足】」

「声を出すな。死にたいんだな」


 ☆でチートスキルを買える。

 ただ素手の俺が勝つには☆100スキルが必要だろう。

 ない物は仕方ない。


 ☆10スキルで勝てるかな。

 そして、剣が振られ、それを手でガード。

 俺は左手を斬られた。


「ぐっ!」


「くそっ大声を出しやがって」

「何だ?」


 事態を問う声が聞こえる。

 従業員の声か。

 男は突きを放った。

 俺は胴体に穴を開けられた。


「痛い!」


 強盗は何も盗らずに出て行った。

 宿の従業員が来て、俺を手当してくれる。


 くそっ、痛すぎる。

 ☆は勿体ないが回復スキルを買おう。


 回復スキルの横のⓘを押して説明を見る。


――――――――――――――――――――――――

 小さな怪我が治ります。

 気休めですね。

 強回復をお薦めします。

――――――――――――――――――――――――


 ☆100スキルを見る。


――――――――――――――――――――――――

強回復ⓘⓑ

斬撃ⓘⓑ

俊足ⓘⓑ

身体強化ⓘⓑ

火魔法ⓘⓑ

水魔法ⓘⓑ

風魔法ⓘⓑ

土魔法ⓘⓑ

残像ⓘⓑ

鉄皮ⓘⓑ

――――――――――――――――――――――――


 強回復スキルの横のⓘを押して説明を見る。


――――――――――――――――――――――――

 大抵の怪我と病気が治ります。

 欠損は治りません。

――――――――――――――――――――――――


 くそっ、これが買えれば問題ないが。

 ☆は61個しかない


 ☆10の回復スキルを買う。


「【回復】。ふう、いくぶん痛みが和らいだ。血も止まったかな」


 魔力が切れるまで回復を使う。

 かなりましになった。

 異世界の治安の悪さを舐めてたよ。


 夜が明けるまではじっとしておこう。

 たぶん魔力が溜まるはず。

 そしたらまた回復スキルを使おう。


 腹の傷は内臓には達してないようだ。

 腹筋と脂肪で止まったらしい。

 命があるだけましか。


 こういう時の気分直しは。


「【カクカク】」


 強盗撃退の巻きを書こう。

 今回は、☆10スキルの組み合わせで圧倒するのがいいな。

 ☆が勿体なくて、危うく殺されそうになった反省の意味も込めて。


 強盗と対峙した俺は☆10スキルリストを出した。


――――――――――――――――――――――――

回復ⓘⓑ

早足ⓘⓑ

剛力ⓘⓑ

突進ⓘⓑ

遠見ⓘⓑ

打撃ⓘⓑ

付与魔法ⓘⓑ

弱体化魔法ⓘⓑ

防御魔法ⓘⓑ

魔力視ⓘⓑ

――――――――――――――――――――――――


 まずはフットワークだ。

 早足を獲得。

 付与魔法の効果は。


 付与魔法スキルの横のⓘを押して説明を見る。


――――――――――――――――――――――――

 約1.2倍に能力を向上させます。

 気休めですね。

――――――――――――――――――――――――


 気休めでも生死を分けるかも知れない。

 獲得だ。


 弱体化魔法はこの逆だろう。

 これも獲得。


 よし、戦うぞ。


「【剛力】【早足】【付与魔法】【弱体化魔法】」


 これで魔力は全て使いきった。

 俺は踏み込むと、強盗の剣の持ち手に手刀を落とした。

 強盗はそれをかわした。

 俺はもいきなりしゃがんだ。

 きっと強盗は俺が消えたように見えただろう。


 そして、足を目一杯伸ばして足払い。

 盗賊は転がった。


 盗賊が起きる前に、盗賊の手を踏みつけて、剣を手放させる。

 そして手から離れた剣を蹴り飛ばした。

 そしからは動かなくなるまで頭を何度も踏みつけた。


 ふう、勝った。

 宿の従業員が兵士を呼んで来た、

 見知った顔で、門番をしていたキーパーの同僚だ。


 強盗を殺してしまったが、正当防衛が適用されておとがめなしになった。

 空想執筆、終了。


 うん、こんな感じの戦闘だったら、良かったな。

 だが、実際にもたもたスキルを買っていたら斬られていただろう。

 前もってスキルを購入しておかなかった俺の落ち度だ。

 でも、完全回復が欲しいから☆は節約したい。


 物語を書いている間に、魔力が溜まったので回復スキルを使う。


「お客さん、治療費と掃除代もろもろ含めて銀貨1枚だよ」


 女将さんが報せに来た。

 心配して傷の様子を見に来てくれたと思いたい。


 しかし、お金を取るのかよ。

 仕方ないので払った。

 薬を塗って布で巻いただけなのにな。


 左手は傷痕が引きつれて上手く動かない。

 くそっ、剣士はもうできないな。

 魔法使い一択らしい。


 そっと、手の布を剥がすと、血は完全に止まってた。

 痛みもだいぶましだ。

 コワードに殴られた痣も治ってないのに、満身創痍だな。


 生きていくってこんなに大変なのか。

 それとも俺だけが大変なのか。

 いや、俺はデシーラの姿が思い浮かんだ。

 彼女に比べれば俺なんか。

 弱音を吐くのもおこがましい。

 夜が明けたら、キーパーの所に行って被害届を出そう。

――――――――――――――――――――――――

今回のスキルと☆:

 獲得スキル、早足、回復

 ☆残り51個


今回の収支:

 収入

 139リワード


 支出

 宿代とお湯、銀貨1枚と、銅貨3枚、103イール。

 食費、銅貨8枚、8イール。

 治療費ともろもろ、銀貨1枚と、100イール。


 残金

 786リワード


次の分岐:


 行動の分岐。

 ☆が100個以上あれば冒険者になれる。

 未満だと冒険者になれないので、ろくな武器持たずに無謀にも単身街の外に出てる。


すこし未来の分岐:


 15話までに大きなことをする。デシーラが一緒に喜んでくれて怒りも解ける。

 できなければ、デシーラが口をきいてくれなくなる。


かなり未来の分岐:


 48話までに10万リワード貯めるとハッピーエンド

 未満だとバッドエンド。


ステータス:


名前:健司・金子

レベル:1

魔力:0/5

スキル:

 カクカク[ ]ⓘ

 点火ⓘ

 剛力ⓘ

 早足ⓘ

 回復ⓘ

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