第2話 初めてのスキル獲得

 初めてのカクカクで、36PVと☆33個が獲得できた。

 うん、PVが少ない。

 トップの方は一話目で300PVは行くという。

 頑張っている人で100PV。

 トップの10分の1強か。


 ☆33個は申し分ない。

 まずまずの結果だ。

 だが考えて使わないと。


 コメントが三つ付いて、面白いと言ってくれた。

 頑張れと励ましてくれた人もいる。

 ありがたい。

 カクカクの読者って神の世界の住人だろうか。

 それとも俺が知っている小説投稿サイトだったりしてな。

 コメントは、かなりやる気がでた。


 さあ、何がなくても食料。

 一番安い食料は、銅貨1枚のパンだった。

 文字と数字も普通に読めた。

 言語理解は転生特典かな。


 物価が安い。

 というか1イールが10円くらいかな。

 そう考えるとそんなでもないか。

 安い食パンが10枚スライスで100円ぐらいだからな。


「【カクカク】、リワード」


 銅貨が1枚出て来た。


「パンを1個」

「浮浪者だって俺は気にしないぜ。そういう人に食べてほしくて銅貨1枚で売っているのだからな」

「ありがと」


 ちょっと涙ぐんでしまった。


 具なしスープが銅貨1枚で1イール。

 まず、スープを入れるカップが5イールもする。

 カップはのちのち必要だから買うしかない。


「カップをくれ」

「はいよ。5イールだ。落とすなよ簡単に割れるからな」


 カップを買い、スープも買う。


 スープはちょっとした旨味と塩だけの味。

 なんで出汁を取っているかは怖くて聞けない。

 だが、これを食うしかない。


 パンが堅くて壮絶に不味い。

 他の人を見るとスープに浸して食べていた。

 俺も真似してパンを食べる。

 これならかなりましだ。


 さあ、スキル獲得を行くぞ。


「【カクカク】、スキル購入」


――――――――――――――――――――――――

 ☆1スキルⓑ

 ☆10スキルⓑ

 ☆100スキルⓑ

 ☆1000スキルⓑ

――――――――――――――――――――――――


 ☆1スキルの横のⓑをタッチ。


――――――――――――――――――――――――

水生成ⓘⓑ

点火ⓘⓑ

乾燥ⓘⓑ

送風ⓘⓑ

点灯ⓘⓑ

殺菌ⓘⓑ

擬死ⓘⓑ

方位ⓘⓑ

加熱ⓘⓑ

弱回復ⓘⓑ

――――――――――――――――――――――――


 水生成の説明を出す。


――――――――――――――――――――――――

 コップ1杯ほどの水を出します。

――――――――――――――――――――――――


 うーん、スキル名を見るだけでも☆1スキルは期待できそうにない。

 だが貰えた☆の数は少ない。

 小説投稿サイトで言われているのは、だめな作品は最初だけ☆が貰える。

 後はほとんど貰えない。

 俺は初めての投稿、じゃじゃん☆が貰えるわけないよな。

 考えて購入しないと。


 とりあえず☆10スキルも買えるから見てみよう。


 ☆10スキルの横のⓑをタッチ。


――――――――――――――――――――――――

回復ⓘⓑ

早足ⓘⓑ

剛力ⓘⓑ

突進ⓘⓑ

遠見ⓘⓑ

打撃ⓘⓑ

付与魔法ⓘⓑ

弱体化魔法ⓘⓑ

防御魔法ⓘⓑ

魔力視ⓘⓑ

――――――――――――――――――――――――


 ⓘをタッチ、早足スキルの説明を見る。


――――――――――――――――――――――――

 移動の速さが二倍になります。

――――――――――――――――――――――――


 しょぼい。

 他のスキルも大したことがない。

 まあ☆1スキルに比べれば使えるスキルなんだけどな。

 ☆10スキルだな。


 一応、☆1000スキルも見ておくか。


――――――――――――――――――――――――

聖魔法ⓘⓑ

即死魔法ⓘⓑ

創造魔法ⓘⓑ

完全回復ⓘⓑ

神速ⓘⓑ

次元斬ⓘⓑ

異世界通販ⓘⓑ

神召喚ⓘⓑ

隕石魔法ⓘⓑ

一撃必殺剣ⓘⓑ

――――――――――――――――――――――――


 うん、チートだ。

 スキル名だけでチートなのが分る。

 だが☆が1000もいく作品がいくつあるか知っているか。

 物凄く少ないんだぜ。

 初日の☆とPVの数からいくと、かなり夢だ。


 とりあえず☆1スキルをひとつ買ってみよう。

 点火でいこう。

 ぽっちと購入。


「【点火】」


 ライターほどの炎が出た。

 ステータスを確認すると、魔力は1しか減ってない。

 あと4回、点火スキルが使える。


「火種は要らんかね!」


 そう言って歩く。


「お願いしようかしら」


 おばさんに呼び止められた。

 かまどの木屑に点火する。

 木屑は燃え、組んである薪に火が点いた。


「ええと、銅貨1枚です」


 相場なんか分からん。

 とりあえずこれで良いだろう。


「はいよ」


 そう言って渡された銅貨1枚を受け取った瞬間。

 激痛が走って、銅貨を落とした。


――――――――――――――――――――――――

 警告!カクカク以外の報酬は受け取れません。

――――――――――――――――――――――――


 マジかよ。

 ハードモードじゃん。

 強力なスキル買ったって、討伐報酬が受け取れないなら、宝の持ち腐れだ。


「すいません。報酬が受け取れない呪いに掛かっているんです」

「大変だね。そうよ、髪と髭を整えてあげましょうか」

「やって下さい」


 ハサミとカミソリでさっぱりした。

 そして出された鏡に写ったのは別人の顔。

 えっ、えっと俺の顔じゃないんだが。

 憑依したか転生かのどっちかだろうな。

 その手の小説は好きでかなり読んでいる。


 まあ憑依転生ということにしておこう。


「もうボロボロになって捨てるしかない古着があるんだけど持って行く?」

「はい、頂きます」


 受け取ったら激痛。


――――――――――――――――――――――――

 警告!カクカク以外の報酬は受け取れません。

――――――――――――――――――――――――


 物も駄目なのかよ。

 散髪は行為だからとりあえずは良いみたい。


 デシーラに恵んで貰ったのは、報酬ではなくて施しだからオッケーってことだな。

 色々と他にも穴がありそうだが、追々分かるだろう。


――――――――――――――――――――――――

今回のスキルと☆:

 獲得スキル、点火

 ☆残り32個


今回の収支:

 収入

 36リワード


 支出

 糞不味いパン、1イール

 具なしスープ、1イール

 素焼きのカップ5イール


 残金

 29リワード


次の分岐:

 残金200リワード以上で宿に泊まる。

 未満だと野宿。


ステータス:


名前:健司・金子

レベル:1

魔力:3/5

スキル:

 カクカク[ ]ⓘ

 点火ⓘ

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