第8話 魔王に転生したので好き放題生きようと思った時期が俺にもありました(転生したら〇〇でしたその3)前編
彼の目の前に、魔王も裸足で逃げ出すような妖怪がいました。
いや、比喩で無しに。口周りにちょいワルオヤジのような白いヒゲをたくわえ、頭はつるりと禿げて、加えてシワの多い顔でありながら、その肉体はボディビルダーもかくやという筋肉の鎧に覆われて、まとった紋付袴も窮屈そうに見えるほどです。何よりその覇気は泣く赤子がピタリと泣き止み、大抵の人なら脂汗を流してガタガタ震えて平伏してしまいかねないほどでした。
老人を前に立った丸閥然句(まるばつ・しかく)は平伏こそしませんでしたが、顔面にタラタラと汗を流しながら彼の言葉を待っていました。呼びつけられてから少なくとも十分は何も言葉がないのですが、一体何事なのでしょうか。
『何で呼ばれねばならなかったのだ』
然句は内心毒づきました。
目の前の老人──父を前に、声に出すことなどできませんが。
父。そう、父です。紛れもなく老人なのですが、間違いなく彼が然句の父なのです。
丸閥燦閣(まるばつ・さんかく)というのが、彼の名前でした。
一体何才なのか、彼の口から語られたことはありません。ただ、若い頃の伊藤博文らしき人物と並んで写った写真があるのですが、既に今と変わらない姿でした。何の冗談か、この老人は明らかに江戸時代から生きているはずなのです。ギネスブックもびっくりです。にもかかわらず未だに矍鑠としている人知を超えた存在なのでした。ちなみに然句も自分が何人目の子供なのか知りませんし、つい最近妻と死に別れた(然句の母はとうの昔に亡くなっていて、その次に迎えた妻でした)一年後に、高校を卒業したばかりという若い娘を新たな妻に迎えて既に妊娠させています。この妻も一体何人目なのやら。ワニもビックリの老当益壮ぶりです。
「──この街は悪徳の巷である」
沈黙に耐えかねた然句が何か言おうと口を開きかけたところで、ようやく燦閣翁が言葉を紡ぎ始めました。しかし、この表向きはごく普通の地方都市である九宿市、特に丸閥町が犯罪都市であることは、裏に通ずる人間にとって周知のことです。当然の如く然句も熟知しています。今更何だろうと黙って聞く然句に、燦閣翁は言葉を続けました。
「善男善女の住まう街を表の顔に、悪性の者が裏で蔓延る醜い街である。だからこそ、悪には悪なりの法が必要と考えておる」
話の着地点が分からず、然句は内心イライラしました。何しろつい数ヶ月前、グループ企業の一つである丸閥重工の本社ビルが周囲を巻き込むほどの大爆発を起こし、多くの死者と行方不明者を出す大惨事となったばかりです。関連する訴訟は十指に余り、しかも爆発の中心部は空間が歪んだままになっている超危険地帯。封鎖する他なくその手当てもあって東奔西走する羽目になったのです。娘をお飾りの社長に据えておいたのに、何の役にも立たないばかりかこのような事態を引き起こして行方不明。苦々しく思っているところでした。
ストレスも積もってましたから、前々から計画していた個人的なイベントを開催して発散したばかりです。なのにまたストレスを溜めるのかと思うと余計不満が募るというものでした。
「然句。貴様、スカベンジャーズに仕事を依頼しただろう」
父の言葉に、然句は頭が真っ白になり、硬直してしまいました。事実だったからです。ついでに言うならば本来他言無用、守秘義務を謳う案件です。なのに父が知っているとはどういうことなのか。
「分かっていないという顔だな。貴様は悪徳の街の秩序を守り、善男善女の街との境界を守るための法を逸脱したのだ。故にスカベンジャーズは貴様を標的にすることを決めた。ああ、ちなみに貴様とともにやらかしたチョンパとやらは既にこの世にいない。死体すらもう存在しないそうだ」
ビクッと肩がはねてしまいます。
イラストレーターのチョンパ。同好の士。彼が、既にスカベンジャーズによって処されてしまった? というか、それを父が知っているということは。
「おお、知っているのかと問うような顔だな。ならば答えよう。とっくに全て知っているとも! 城崎研吾とかいうハンドルネームは昔好きだったリョナ絵師の名前を少し変えたものらしいな? そして、貴様らが空想だけでは飽き足らなくなって、実際に少女を何人もさらって殺害し、その様子を撮影したりしたことも、その死体をスカベンジャーズに処理させようとしたこともよっく知っているとも!」
然句の顔面はそれこそ汗塗れになっていました。
全て事実だったからです。彼は中学生の時にネットサーフィン中にたまたま見つけた、当時人気だったアニメのヒロインが惨殺されるというイラストに興奮して以来、美しい少女が無惨な殺され方をするというシチュエーションでしか欲情しなくなってしまったのです。結婚後は事前にそうしたイラストや、更に沼にはまってからはスナッフフィルムと呼ばれる、裏で取引されている本物の殺人シーンを撮影したビデオなどを観てから子作りに励んでいたりしたのでした。
似たような嗜好の人々が集うネット上のコミュニティにも参加し、そこで知り合ったリョナ絵師のチョンパ(最も好むのが美少女の斬首(チョンパ)シーンというところから名付けたハンドルネームとのこと)と組んでゲームを作って販売したりもしたのです。それが高じ過ぎて、とうとう自分たちで実践したくなった二人は、誘拐ビジネスを生業とする『ユーカイザースリー』という三兄弟に金を渡して、十五人の見目の良い少女たちを誘拐させ、グループ所有の空きビルに監禁、その全員を一人ずつ惨殺したのです。
実行中は興奮していましたし、アドレナリン全開で無敵になったような気分でしたが、血の海の中でようやく我に返ったのです。このままだと捕まって死刑になる、と。
そこで最近裏の世界で売り出し中の犯罪組織の一つ、警察に知られたくない死体を血の一滴に至るまで消し去るという『スカベンジャーズ』に依頼して、少女たち殺害の痕跡を消してもらおうとしたのですが。
「貴様はスカベンジャーズに依頼する際の約束を破っていたのだ」
「や、約束?」
「そうだ。ひとつ、処理する死体は裏社会の人間のものに限る。ひとつ、もしカタギを殺害して死体処理を依頼したなら、依頼者の方を殺害して死体を完全に処理する……」
スカベンジャーズのメッセンジャーに会った時に、全然聞く気もなかった掟でした。まさか、それをここで聞くとは思いもしなかった然句は絶句しました。
「スカベンジャーズから、仁義を通してきおったよ。掟の説明から貴様のしたこと全て、事細かく説明してくれてな。連中、何から何まで調べ上げてきおった。ワシが把握しておらなんだ事までな。貴様の趣味がどうしようもないものであることは知っておったが、まさか空想だけでは飽きたらなくなるとはな。証拠も添えて来たなら否定しようもない」
そこは嘘でも否定してくれ、俺はあんたの息子だぞ、と叫びたい然句でしたがガタガタ震えるばかりで声になりません。そんな不肖の息子に対し、燦閣翁は冷たい目で突き放すように告げました。
「先ほども言ったようにワシは悪には悪なりの法が必要と考えておる。これこそまさに悪なりの法である。なれば、ワシはそれを尊重しよう。既に貴様の籍は抜いてある。今すぐここを出てゆけ。あとはスカベンジャーズが片付けてくれるそうだ」
「な……! 助けてくれないのか、親父!?」
思わず叫ぶ然句に、燦閣翁はぎろりと怒りをたたえた目を向けました。その眼光に、然句は「ひぃっ!?」と震え上がります。
「──貴様がグルメリポーターを気取って、頭を開いて脳に直接ドレッシングをかけて生きたまま食って発狂させながら殺した中学一年生の娘さん。それに、チョンパとやらが◯ナニーしながら指先から寸刻みにして泣き叫ばせ、最後に首を切り落として殺した小学五年生の娘さん。二人は仲の良い姉妹で、一緒に登校していてな。ワシが日課にしている朝のジョギング中によくすれ違い、元気に挨拶してくれていたお嬢さんだったのだ。三日前から見かけなくなって心配しておったが、まさか貴様らに無惨に殺されておったとはな。ワシの一日の活力でもあった二人を苦しめ殺したのだ。助けるわけがなかろうがッ!」
「ひいいぃぃっ!」
燦閣翁の怒声が、文字通りの衝撃波となって荒れ狂います。精神性はともかく肉体は普通の人間に過ぎない然句が耐えられるはずもなく、情けない悲鳴をあげて弾き飛ばされ、転がるほかありませんでした。そう、燦閣翁はただ長生きであるだけでなく、改造しているわけでもない生身でありながら、丸閥グループの改造人間ですら敵わないほどの人外じみた強さを誇るのです。
「ああ、それと。貴様らは勘違いしているようだがな。ワシは生まれてこの方、積極的に法を犯したことはないぞ。ただ、財閥時代に金目当てで擦り寄ってきた親族共が色々としでかした時に、警察などに少々手心を加えてやってほしいとお願いしたことがあっただけだ。それを連中が勝手に忖度して無罪放免にしおって、以来、親族共が勝手気ままに振る舞うようになったのが始まりだ。ワシが気付いて取り締まろうとした時にはもう手が付けられないほどに財閥が膨れ上がって、いつの間にかワシも預かり知らぬ裏社会や警察内部への影響力が出来上がっておったのだ」
だがいい機会だ、と翁はニンマリと笑いました。
「一度グループを解体し、膿を搾り出すとしよう。その後この街がどう変わるかは分からぬが、その変化を見守るとしよう。ワシにも個人的に因縁のある相手がおってな。彼が今度、結婚するらしい。式に参列すれば何がしか起こるであろう。それを起点に事を起こすことにする」
だが、貴様がそれを見ることはないと燦閣翁は切り捨てるように言いました。
「さらばだ不肖の息子よ。育て方を間違ったなどとは言わぬ。同じように育てた貴様以外の子達は割合よく育ってくれておるからな。孫たちも然りだ。ただし、貴様の子達のうち、男たちは例外だが」
「え?」
「何じゃ、知らんかったのか? 爾戎丸(にじゅうまる)はネットで知り合ったワル仲間とつるんで『強姦戦隊ゴレイパー』などと頭の悪いグループ名を名乗って何人も強姦していた愚か者だぞ? もっとも、最近『悪意のある者は手を触れてはならない夜の君』に遭遇して男として再起不能になったようだがな。彼此我太(ひしがた)は人体実験を繰り返した挙句に実験対象にした人間に再起不能にされておる。警察の厄介にもなっておったのに知らんとは。本当に子どもたちに何の興味もなかったのだな、貴様は」
心底呆れたように言いながら、とっとと消えよと虫でも追い払うかのように手をヒラヒラさせる燦閣翁に、反論もできずに部屋から出ていこうとする然句に、背後から声がかかります。
「そうそう、言い忘れておった。警察とは既に『被疑者行方不明のまま書類送検』で話がついておる。安心して殺されよ」
何が安心してだと憤って振り返るも、燦閣翁に『何ぞ反論でもあるのかこのクソが』と冷たい目で見返されて何も言えずに縮こまり、スゴスゴと廊下に出て戸を閉めるしかなかったのでした。
丸閥グループ総本社のビルから出ると、文字通りの日本晴れでした。普通に大勢の人が行き交い、生を謳歌しています。自分はこれからどうやってか分からないけれど殺されるのにと思うと、憤りを覚えて喚き散らようとしました。自分は未来ある少女を何人も無惨に殺しておきながら身勝手なものですが。
「失礼、丸閥然句さんですか?」
突然隣から声をかけられ、然句は仰天し、喉まで出かかった声を飲み込んで振り向きました。つい先程まで何の気配もなかったのですが。
声をかけてきたのは非常に小柄な青年二人の片割れでした。よく似通った顔立ちと坊主頭で、双子の僧侶か何かだろうかと思われました。黒いスーツ姿ですが。
「あ、ああ」
思わず答えた然句に、男たちは「ああ、良かった」「人違いだったら問題でしたからね」と口々に言います。
「スカベンジャーズよりお迎えに来ました。私は死出虫と申します」
「私は埋葬虫と申します。良かった、別人を殺すなどという仕事上のミスは許されませんからね」
スカベンジャーズと聞いて、背中にぶわりと冷たい汗が噴き出すのを感じる然句でした。逃げねばと気ばかりが急きますが、足がもつれて思うように走り出せません。大通りに出て、何人も行き交う中に紛れ込めばと思うのですが、ほんの数メートル先なのに遥か遠くの出来事に見え、なかなかたどり着けないかのような感覚に陥ります。
それでもなんとか足を動かしてどうにか人の流れの中に入れそうだというところで、
「おっと、そこまで」
風とともに攫われて、あっという間もなくビルより高く連れ去られてしまいます。
何が起きたのか分からず、思わず見上げるとそこには、人と鳥のあいの子のような男の顔がありました。近いものを挙げるとしたら、ハゲワシでしょうか。
「俺はヴァルチャー。さあ、死出の旅にご案内だ!」
両腕が巨大な翼になっている異形の男は、楽しげに猛禽類のそれのような足の爪でつかんだ然句に告げながら、飛行機もかくやというとてつもない速度でビルの間を飛んでゆきます。
「な、ば、化け物」
まともに風圧を受けながらも、それだけなんとか声にした然句に、ヴァルチャーは「ヒャハハッ!」とせせら笑います。
「その化け物を量産したお前は何だろうな? 魔王か、さしずめ?」
「量産した?」
「身に覚えあるだろうが。娘をお飾りの社長に据えて、会長の座に収まったお前が、丸閥重工で何をやったかよ」
言われてようやく然句はヴァルチャーの正体を悟りました。
「お前、あの爆発の時に姿を消した改造人間の一体か!」
「応よ。ていうか、スカベンジャーズは全員そうだぜ。スカベンジャーズだけじゃねえ。ほれ、そこにいるあいつも」
言われて振り返った然句は、ビルの屋上にたむろする漆黒の少女の姿を見ました。顔など露出している部分はむしろ白いくらいなのですが、スーツを着込んだようにも見える身体は、青いシンプルな模様が体に沿って走っている以外は真っ黒なのです。ただし、彼女の腰からは機械の蜘蛛の腹のようなものが生えています。
「ほれ、あそこにもいるぜ」
今度は屋上庭園で誰かを待っているらしき少女です。ただし、その腕はどちらも真っ赤な猿のそれを思わせる機械でした。
「この街にはあちこちに、ああいった連中がたむろしているのさ。おっと、目的地だ」
ヴァルチャーが降りていったそこは、かつて丸閥重工の本社ビルがあったすぐ近くの廃ビルでした。
時空のねじ曲がった穴が空いてしまった本社跡はあまりにも危険だということで周囲数キロを完全に封鎖したため、ここはゴーストタウンと化したはずです。が、なるほど、人外の怪物たちが身を潜めるには最適の場所でもありましょうか。
「さあ、我らスカベンジャーズの本拠、そしてお前の最期の地へご案内だ!」
そこから先は詳しくは語りますまい。ただ、スカベンジャーズでも最も強力な改造人間、通称『ハイエナ』という少女のあぎとにかかり、人生を終えることになったとだけ記しておくとしましょうか。
しかし、話はここで終わりませんでした。
────────────────
然句は不意に自分が真っ白な部屋にいることを自覚しました。
「ここは……俺は、確か喰い殺されて……」
そこまで思い返したところで、自分が手足どころか肉体もない状態だと気付きました。
「つまり、魂の状態とかなのか?」
「ええ、そうですよ」
不意に声をかけられ、振り返──るまでもなく「彼女」の存在を認識します。肉体という枷がないためか、すぐに彼女の姿を捉えられたのでした。
然句の好みより年上のようですが、十分に若く見えます。できる女性秘書といった雰囲気で、かつて気に入った女性社員を秘書に据えていたことを思い出す然句でした。ちなみに彼女は、結婚するため退職したいと然句にとってふざけたことを言い出したので、ユーカイザースリーに誘拐させ、裏社会の人間に依頼して殺害させ、その様子を撮影したDVDを受け取り、再生して自慰にひたったものでした。
目の前の彼女はかつての秘書よりも美しいように思われました。然句がその惨殺シーンを想像してうっとりしてしまうくらいには。
そんな然句を見る彼女の顔は明らかな嫌悪感に彩られています。そのさまは苦虫をまとめて百万匹は噛み潰したかのようでした。
「──私はこの世界へ転移してきた者、転生してきた者にスキルと呼ばれる力を目覚めさせる女神、イルルシャン。本当に嫌なのだけど、地球からの転生者である以上、貴方が何者だろうとスキルを与えるほかありません」
「何者だろうとって失礼だろう」
「礼を失してなどおりませんが? 未来ある少女を何人も苦しめて殺しておいて、善人を気取るのですか? ──貴方の転生先は既に決しています。貴方の前世における所業故に」
そこで女神イルルシャンは、言葉を一旦区切ってから告げました。
「──魔王です」
────────────────
然句が目覚めたのは、深く、暗い谷底でした。
谷に落ちて死んだと思しき動物の骨が無数に散乱する中で、人とも獣ともつかない体つきの巨体が蠢きます。頭らしきものは、巨大で捻れた双角を備える獣の頭骨といった風情のもの。穴でしか無い眼窩の奥に明滅する火の玉のようなものが浮かび、赤や青、緑に紫と色を次々と変えています。
頭部からは少し長い黒い頸が伸び、差し渡し数十メートルはありそうな巨大な胴体に繋がっています。胴体からは八本もの巨大な骨だけの腕が生えており、その爪先は生きとし生ける物の命を刈り取る鎌のようでした。下半身はダイオウグソクムシのような甲殻類のそれを思わせる形状で、六対十二本もの脚で滑るように移動し、骨だけになったトカゲのそれのような巨大な尾を宙に浮かせたまま左右にゆらゆら振っています。
完全に人間ではありません。かと言ってまともな生物とも思えません。
「これが、魔王か……」
思わず呟いた途端、体の中心部から爆発的な力が湧き上がるのを感じました。
「──ハ! ヒハハハハハ!」
然句は笑いました。
なんたる全能感。なんたる最強感。今ならあの父にも勝てそうだと思えるほどでした。
試しに何本もある腕を動かします。どうやら人間だった頃の感覚に引きずられることなく、心は完全に今の身体に馴染んでいるようで、齟齬なく自在に動かせるようです。
加えて先ほどから感じる、地球にはなかった力。魔力だと直感的に悟った力を汲み取って、現象へと変換。八本の手のひらからそれぞれ、炎玉、水球、風刃、氷槍、飛電、光弾、闇鎖、岩槌といった攻撃魔法を放ちます。
凄まじい威力の魔法の嵐に、たちまちのうちに谷が崩壊し、平地の如くならされていきます。実に圧倒的。さながら暴風雨の、いえ、大爆発の化身といったところです。
「圧倒的じゃないか! 魔王だって!? いいじゃないか!」
初めて手にした力に酔いしれ、然句は高揚して叫びました。
「異世界サイコー! 好きに生きてやる! 美少女を狩りたてて弄んで殺そう! 美少女の死体で飾り立てた宮殿を建てて、豪遊だ! ハハ、夢が広がるなぁ!」
──その日、人々にとって恐怖の時代が始まったのでした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます