第36話 お金のお話

 祖父も戻ってきて、助手も決まったのでそろそろお金の話をしたい。

 お隣のお屋敷に行き、祖父を探す。

 うろうろしてたら、グレイソンさんに注意された。

「こういった場合は、私に言っていただければ」ってことのようだ。

 来たばかりで忙しいだろうと思ったし、庶民はそんなことに慣れてないって。

 それを見ていたエヴァさんが、グレイソンさんを叱る。

「お前が、お傍に付いていないからだよ!」とのこと。

 たしかに、その通りでもある。

 主従関係みたいなのって、面倒だね。

 田舎の子供みたいに、大声で呼ぶとかすると怒られるのかな?

「じーちゃん。きたよー!」ってさ。

 祖父相手だと、これが一番早そうだけど。

 考えてみると、通信機器って便利だったんだなー。


 そんなこんなで、祖父を呼んでもらって応接室に移動。

 なんでここなのって思ったけど、お金の話だからちゃんとするみたい。

 気づくと、結構な人数が揃ってた。最初だからだって。

 祖父母、母さん、カーティスさんにエヴァさんにグレイソンさん、そして僕。

「バウ。待たせたようだな。魔道具作成の報酬の話だ」

「えーっと、ほしい素材とか買うのにお金がいるから、いくらもらえるのかなって気になってたの」

「そうだな。ホットプレートと言ったか? あれだと小金貨二枚で売るつもりだ」

 小金貨二枚……って二十万円くらいだっけ? たっかっ!

「じいちゃん、それ高くない?」

「いやいや。報告を受けている魔石効率だと安いくらいだぞ。一般的な火の出る魔道具と同じくらいだしな」

 ということらしい。

「それで、バウ。お前はいくらほしい?」

(ほほう。試されてる感じだこれ。どう答えようかな。材料費をしっかりとは把握できてないんだよね。一個売れたら五千円とか欲張りすぎかな?)

「ん-っと、一個売れたら銀貨五枚くらい?」

 答えると笑われた。少ないって。

 今のところ、僕だけしか作れないのでもっと貰えるらしい。



 魔道具を売り出すと当然かなりの金額が動くので、管理するために商会とは別組織を作るらしい。その説明もあって母さんもいるみたい。

 じゃあ、その代表が母さんになるのかっていうと違う。

 女性がトップってのは、商売系スキルか、それなりの権力がないと難しいらしい。

 僕じゃ子供だし、ダメ。

 そこで、商会の方で引き継ぎを終えた祖父が、僕が成長するまで代表をやってくれるんだって。

 祖父母は、まだ五十歳くらいで若いから、お任せしてしまおう。


 結局いくら貰えるかだけど、ホットプレートを例にすると『材料費』『輸送費と商会利益』『僕ら』『税』それぞれが大銀貨五枚になるんだって。要するに五万円。

 ここから、設備や人件費に割り振らないといけない。

 なんか難しくなってきた。

 今は、材料を商会が用意する形になってるけど、そのうちこちら側でやるべきだろう。

 人件費だけど、だれがこっち所属なのかわからないので確認。

 代表に祖父、ドムさんは今回のことでこっち側に移籍。グレイソンさんとオスカーさんは、祖父が個別に雇う形にするって言ってたけど、こちら側所属にしてもらう。

あ、そういえば老人男性のジイさんもいた。

 脳内で適当に計算すると、僕が銀貨五枚貰うのも難しそうじゃない⁉ 

 さっき笑われたことに、なんとなく納得いかないが一個売れたら一パーセントって考えればいいかな。



 思ってたより貰えないと思っていたけど、製氷機の販売予定価格一台で金貨五枚予定なんだって! 五百万ですよ、五百万!

 製氷機作る時は、五万円と思いながらやることになりそうだ。

 ちなみに凍くんは、大金貨一枚。一千万円の予定とのこと。


 


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