第24話 オオトカゲの子供

 いつも通りに起きて顔を洗いうがい、そしてキメラ達のお世話をする。

 ガレージに行くと、オオトカゲの子供たちが産まれていた。

 一、二、三……。七匹。

 足りないと思い探したら、岩の下に黒っぽいのがいた。無事に八匹だ。

 本数に違いがあるものの、どの個体にも小さな角がある。

 どうやら兄さんのスキルで、生物として進化してしまったようだ。

 カエルのハタノが子供作ったらと考えると、恐ろしくなった。


 餌とか何を食べるのだろうか。

 とりあえず、コオロギとかを与えてみる。

 僕は、昆虫食しない派だ。遠慮なくしっかり食べるといい。

 湿気も必要だろうし木製のお皿に水を入れ、地面に埋めておく。

 深くないし大丈夫だよね。溺死したら謝ろう。


 両親に報告。

 母さんが見に来た。

「小さいと、かわいいわね」

「うん。小さいうちなら持てそう」

「そうね。でもオータロウ達を刺激しないように、放っておきましょう」

「わかった。あとでまた餌やりだけするね」

 これだけ数が多いと、餌の用意も大変だ。

 父さんは、今日は狩りに行くことにしたみたい。

 お肉もミンチにすれば、食べるかな。



 オオトカゲの子供達が産まれて数日。

 大きくなるのが早い。

 すぐに手に乗せることが出来なくなる日が来そうだ。

 そして、動き回るので管理しきれない。どうしたものか。

 前世の猫なら『里親募集』とかするんだろうけど、オオトカゲだもんね。

 生活に余裕が無いと、飼うのも無理そう。

 こういう時に電話が欲しくなるが、こっちの世界じゃ存在しないししょうがない。

 それに、兄さんに連絡しても解決しなさそうだし。


 よくよく考えると、この子たちが大きくなるとガレージではスペースが足りない。

 このまま拡張すると、玄関脇がトカゲ園になってしまう。

 兄さんには申し訳ないが、少々離れた場所に移設することにした。

 移設と言っても、柵と屋根のあるスペースを用意するだけだけど……。

 どれくらいの広さが必要だろうか。

 オータロウ達は戦えるし、子供を守る用のスペースだけあればよさそう。

 大き目の木の根元付近に穴を掘る。

 木を中心に、六から八畳くらいのスペースを確保して柱と屋根を作成。

 あとは、小さ目の池を確保。

 小川からの水が引けたら、流れ込むようにしよう。作業が増えてしまった。

 

 数日かけて完成。

 オータロウ達は、池に入ったりしている。大丈夫そうかな。

 オオトカゲの子供達も、最近は僕らに対してあまり警戒していない。

「食べ物をくれる奴」くらいの印象なのだろう。以前よりは、捕まえやすい。

 オオトカゲのお引越しも、一先ず終わりでいいだろう。



 このままオオトカゲばかり増えても困る。

 パン太のお相手も迎えないといけないし、そのうち子供だってできるだろう。

 豹は、一度に何匹子供を産むのだろうか。

 このままいくと、我が家は動物園になってしまいそうだ。


 

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