二人の初夜#2
*描写あり
「大丈夫か?」
「ん、はい…」
「ゆっくり深呼吸をして」
「ふうっ、はぁっ」
「そう、その調子だ」
ノラのモノが、アンジュの中を少しずつ侵食していく。
「ふっ、んんっ」
「もう少し、頑張れるか?」
「は、いっ」
「ありがとう」
そして。
「全部、挿入ったぞ」
「あ、あぁっ、ノラ王子のが、全部…」
(大きくて、あつい…。これ、が)
「んぅっ」
「アンジュ、締め付けないで、貰えるか…」
「あっ、ごめ、なさい…でも、き、気持ち、よくて…」
「……っ、煽るな。動くぞ」
「えっ、待っ…」
ずるる、とノラのモノが抜けていき、また
その繰り返し。
「いっ、は、あぁっ」
「痛くはないか?」
「大、丈夫、れすっ、あんっ」
「はぁっ、はぁっ、アンジュ、アンジュ…」
「おう、じっ、んんっ、はぁっ、あっ、そこっ」
「先程、善いと言っていた所だ」
頭がびりびりと痺れるような感覚に、アンジュは体を震わせる。
「そこ、気持ちいいですっ、もっと…」
「わかった」
「ひんっ、あぁぁっ、あっ、あっ」
「アンジュ、舌を出して」
「ふぁい…っん、んぅっ、ちゅ、ちゅうっ」
キスをしながらのピストンに、アンジュの体は蕩ける。
思考も既に働いていない。
「れろ、れるっ、ん、ちゅぱっ、おうひぃっ」
(気持ちいいのが、ずっと、とまらない)
「アンジュ、悪いが、そろそろ…」
「ふぁっ、あっ、でも、私、女の人じゃ、ない、からあっ、子供なんてえっ」
「関係ない。アンジュ、君だから、君でなければ駄目なんだ」
妊娠出来ない事を告げてもなお、ノラはアンジュを求める。
自分が男だと知られてしまっても、魔導も魔法も使えなくても、それでもアンジュがいいと言ってくれた。
そんなノラに、恋に落ちない訳もなく。
「いいん、ですか?」
「何を今更。俺はアンジュの事を愛している。だから、どうかずっと俺の傍にいて欲しい」
「あっ…」
(あぁ、私は、この人が好きだ)
ノラがアンジュを抱きしめると、アンジュはノラの背中に手を回した。
「私も、愛しています。ずっと、お傍にいさせて下さい」
「あぁ。勿論だ」
二人は、沢山の星空の下、初めて繋がった。
***
前哨戦1
「あの…」
「あら、どうしたの?」
アンジュはリマと共に、化粧の勉強の為に城に来ていた。
普段、自分から話をしないアンジュにアンナ、カンナ、チダリは何かあったのかと興味津々にアンジュに寄ってたかった。
「あ、あの、こんな話、ノラ王子には出来なくて…」
「いいわよ!いくらでも話しなさい!」
「そうね。私たちで力になれるのなら」
「じ、実は…」
アンジュが話終えると、4人はニヤッと笑った。
「へぇ~、あの子ったら奥手ねぇ」
「アンジュ様は、ノラ王子ともっと親密になりたいということですのね?」
「ど、どうすれば良いでしょうか…?」
「私からはこれを…」
カンナが自室から何かを持ってきた。
瓶の中には、ピンク色の液体が入っていた。
「な、何でしょうこれは…」
「私もあまり使わないのですが、これを飲めば、恥ずかしい、という気持ちは和らぎます」
「じゃあ私はテクニックを…」
「チ、チダリ様、それはアンジュ様に刺激が強いのでは…」
「リマは?」
「わ、私ですか!?私はそんな…」
アンナがリマを問い詰める。
「私は、お二人が幸せであれば、それで、良いかと…」
「まぁ、可愛い!!私からは、そうね…。やっぱり気持ちよ!」
「き、気持ち、ですか?」
「そう!恥ずかしがらずに、好きだと伝えるのが何よりも大事だし、痛い時は痛いと言うのよ。あの子はアンジュの事を何よりも大切に思っているでしょうから」
「ですがアンナ様、それではノラ王子が手を引いてしまいませんか?」
「そのためのこのくす…飲み物です」
3人の勢いにアンジュとリマは若干引いていた。
「私たちには応援する事しか出来ないけれど、それでもね、アンジュ。大切な人が居なくなってからでは遅いの。だから、ちゃんと気持ちは伝えてあげて?」
「アンナ様…」
戦争で夫と子を亡くしたアンナの言葉は、誰よりも重みがある。
「ノラ王子なら大丈夫です。絶対にアンジュに優しくしてくれますから」
「もし何かあったらすぐに言ってね。いざとなったらイマル様に手を貸してもらうわ」
「そ、そうですわアンジュ様!が、頑張りましょう!!」
「み、皆様…。お、俺、頑張ります!」
アンジュがカンナに渡された瓶の中身を使用することはなかったが、2人の初夜が無事成ったと報告を受けた4人は、笑顔でアンジュを抱きしめたという。
***
前哨戦2
「どうしてやればよいのか…」
「ノラ、珍しいな。お前が図書館にいるとは」
「……!!イ、イマル兄様、どうして…」
「少し調べ物をな。で、どうした。何を見て…。ゴホン、今のは見なかった事に…」
「イマル兄様、助けてください」
イマルは踵を返そうとしたが、ノラに手を捕まれ、逃げられないと悟った。
『お願いします兄様。俺にはどうすれば良いのか』
「そんなことを言われてもだな…」
「あら、どうされたのですか?」
「…カンナか。実は…」
イマルはカンナに経緯を説明した。
「あら、丁度今日アンジュから同じような事を聞かれたのです」
「そ、そうなのか…」
「ええ。なのでアレをお渡ししたのですよ」
「ア、アレを!?」
「ええ。2人とも経験は浅いでしょうし、奥手でしょうから。少し力になれればと思いまして」
アレは所謂媚薬というもので、飲めば快感を得られるというものである。
違法性はないが、効果は凄まじく、収まるには一日程かかるという。
「しかし問題がある」
「問題?」
「あぁ。男性同士というのは、どうして、その…」
「そんなことですか」
「そ、そんなこと!?」
「それなら、私詳しい方をご存知ですので、ノラ王子に紹介してあげてくださいませ」
「あ、あぁ…」
カンナは一体何を知っているのか。
イマルはカンナの底知れぬ(?)知識に身を震わせた。
その日の夕刻。、とある一室にて謎の講義が開催されたとか。
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