二人の初夜#1

*描写あり


「あっ、王子…」

「ん?どうした?」

「首、くすぐったいです…」


ノラはアンジュの首にキスマークを残していた。

勿論、アンジュがキスマークという言葉の意味を知るわけもなく、くすぐったいとしか認識していなかった。


「我慢してくれ。君が俺の妻だと皆に知らせたいんだ」

「そ、そんなの、皆、分かってます…!」

「だめだ。今日みたいな事が有るかと思うと、俺は気が気じゃない」

「ひぅっ!おう、じぃっ」

「君の可愛らしいここにも、口付けを」


ノラがアンジュのパジャマを上に捲し上げて、乳首にキスをする。


「んぁっ!あ、王子ぃっ」

「相変わらず可愛い反応をしてくれるな」

「か、可愛くなんてっ」

「アンジュ、君は自分の可愛さに気付くべきだ」


ノラの口はそのまま下腹部、そしてアンジュの小さなモノに辿り着いた。


「あっ、ノラ王子っ、だめですっ!き、汚いですから…!」

「気にするな」

「ひぁ、あぁぁっ!」


アンジュのモノを、ノラの口が包み込む。


「ちゅ、れろ、ちゅぷっ」

「ノラ王子っ、口、離してっ…」

「らめら」

「あぁぁっ!だめ、だめぇっ」


だめだと言う割に、アンジュはノラの頭を押さえつけ、更なる快感を得ようとしている。


「んぁぁぁっ」

「れそうか?」

「は、はい、で、ですから口を離し…っ!」

「わはっは」


ノラの口淫が激しくなる。


「で、でちゃうっ、王子、ノラ王子ぃっ!」

「らへ」

「あぁぁぁっ!」


ぴゅるっ

アンジュは堪えきれず、ノラの口内に射精した。

そしてノラは、それを飲んだ。


「あ、あ、王子、の、飲んで…っ!!」

「あまり美味しくはないな」

「な、なら出してください!」

「すまない、もう飲みきった」

「お、王子のバカ!」


アンジュはノラの行動に思わず声を荒げてしまう。


「はは、悪い。次はアンジュに許可を貰ってから飲むことにする」

「むぅ~っ」

「怒らないでくれ。どうか機嫌を直してくれ」

「王子の事なんて知りませんっ!私、もう寝ますっ!」

「そんなことを言わないでくれ。今日は、君を抱きたいんだ」

「だ……?」


抱く、という言葉の意味が分からず、アンジュは困惑していた。


「あの、王子、それは、どういう…」

「アンジュを抱きたくて、色々勉強したんだ。どうすれば、アンジュが痛い思いをしなくて済むかと」

「そ、それは痛いのですか…?」

「まぁ、初めては、痛いかもしれない。だが、そうならないように最善を尽くす。俺を信じてくれ」


ノラがアンジュの手を握り、青い瞳をじっと見つめる。


「あ、あの、痛く、ないのでしたら…」

「ありがとう、アンジュ。傷は痛まないか?」

「はい、チダリ様が治療して下さったので」

「良かった、本当に良かった…」

「ノラ王子…」


ノラがアンジュを抱きしめる。


「アンジュ、愛している」

「ノラ王子、私も…私も愛しています」



***



「んっ、ふぅっ」

「痛くないか?」

「はい…っ、なんだか、変な感じは、しますけど…」


2人きりの寝室には、くちゃくちゃという、卑猥な音が響く。


「指を2本に増やすから、痛かったら直ぐに言ってくれ」

「はい……っあ、んんっ」

「確か…」

「ひぁっ!?」

「見つけた」

「み、見つけたって、何を…っあ!これ、なん、ですかっ!?」


アンジュは自分の体の変化についていけず、戸惑っていた。


「ここが、男でも気持ちよくなれる所、らしい」

「あっ、あぁっ、だめ、王子、だめですっ」

「その割には腰が動いている」

「言わ、ないでぇっ、こんなの、知らないぃっ」

「一度楽になろうか」

「えっ」


瞬間。

ノラの2本の指が、アンジュの前立腺を刺激し始めた。


「~~~っ!」

(あたまが、ちかちかする…っ!)

「気持ちいいか?」

「わ、かんなぃぃっ!あぁぁぁっ!」


アンジュは声を上げながら、足をピンと伸ばして射精した。


「ひっ、はぁっ、あっ…」

「大丈夫か?」

「あぅぅっ、王子…」

「すまない、少し無理をさせたか」

「だい、じょうぶ、です…」

「良かった」


アンジュの額にキスを落とし、アンジュの体を整える。


「なら、アンジュの初めてを貰ってもいいだろうか」

「あ…」


アンジュの下半身に、ノラのモノが当たる。


「あ、あの…、は、初めてとは…」

「君のここに、俺のを挿入れるんだ」

「そそ、そうなんですか!?」

「あぁ。まぁ、その、アンジュが嫌ならいいんだ。君が嫌がることはしたくないからな」

(どど、どうしよう、ノラ王子が、少し悲しそうな顔をしている…。だけど、こ、ここって…)


指を挿入れられていた事など、まるでなかったかのような反応をするアンジュに、ノラはほんの少しだけ落ち込んでいた。

まさかここまで来て拒絶反応を示すとは思っていなかったからだ。

アンジュが怖がるのも無理はないと分かっている。

しかし、男の本能として、アンジュを抱きたいと思っているのも、また事実。


「アンジュ、今日はもう寝ようか」

「……」


ノラは諦めて、自身のモノを浴室で処理しようと、ベッドから立ち上がろうとした。

しかし、そんなノラを止めたのは、他でもないアンジュだった。

アンジュがノラの腕を掴んでいた。


「あ、あの…」

「どうした?」

「ご、ごめん、なさい…。わ、私ばっかり、その、善くして、貰って、ばかりで…」

「無理する必要はない。今日は体も疲れているだろう」

(いや、俺が言うなという話なんだが)

「い、いけません!私も、ノラ王子をよ、善くしたい、です…!」


アンジュが真剣な眼差しで、ノラを見つめる。


「本当に無理しなくていいんだ。俺は大丈夫だから」

「でも…」

「ゆっくり進んでいけばいい。なにも今日急かしてする必要なんてないんだ」

「……っ、ノラ王子の、バカ!」

「バ、バカ!?そんな言葉誰から教わって…!」

「わ、私だって、ノラ王子のことが好きなのに、どうして分かってくれないんですか…!!」


アンジュは溢れる感情を堪えきれず、涙を流した。


「ひっく、い、いつも、ノラ王子に、して貰って、ばかりで、でも、私に、何が出来るか分からなくて…」

「ま、まさか…」

「リマさんにも、アンナ様にも、チダリ様にも、カンナ様にも、相談したのに…」

(相談したのか……)


ノラは心の中で呟いた。

そして何を話したかは、聞かないと決めた。


「ノラ王子、私、ひっく、大丈夫ですから…」

「分かった。その代わり、しんどくなったらすぐに言ってくれ」

「はい」

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