#12
*描写あり
「おはようアンジュ」
「お、おはよう、ご、ございます…!」
あの後俺は、アンジュのベッドを綺麗にして、一緒に眠りについた。
すごく幸せだった、と言えれば良いのだが、気恥ずかしくて言えやしない。
格好付けている夫を許してくれ。
「あ、あの…!」
「どうした?」
「き、昨日は…その…」
「気にしなくていい。またそういうことになったらいつでも俺を呼んでくれればいいから」
「は、はひ…!」
「可愛…」「アンジュ~!!大丈夫か~!!」
可愛いな、と言おうとした時。
アンジュの部屋を訪れたのは自称子煩悩(ただの子離れ出来ていない)の父上だった。
「あ、国王様…」
「父と呼べば良いのだぞ!!1ヶ月も体調を崩してしまって可哀想に…!」
「……父上、俺を押しのけてアンジュに抱きつかないで貰えますか」
「おおノラ、お前もいたのか」
「ええ、ずっといますよ」
「そうかそうか、すまんな」
アンジュの体調を心配しての事だろうが、なぜ今ここに?
俺は誰にもアンジュの話をしていないはずだが…。
まさか昨日、誰かがこの部屋を覗いていたのか?
可能性があるとすれば、リマしかいないだろうが。
「あの、ええと…」
「父上と呼んでくれ」
「で、では…父上、あの…少し苦しいです……」
父上はアンジュを思い切り抱きしめていたのを忘れていたらしい。
「ああ、すまん!所で体調はもう良いのか?」
「あ、ええと、はい…」
今回の事は父上含め皆に伝えていることをアンジュには予め話しておいた。
流石にアンジュが男だった、という事は本人から了承がないと言えるわけがないし。
「ご、ご迷惑をおかけしてすみませんでした……」
「何を言うか!慣れない土地と生活はなかなかに辛いだろうからな。無理はせずとも良い。こやつはそれ程外交をする訳でもなし。なぁノラよ」
「そうですね。だからアンジュ、君はゆっくりしていてくれ」
「で、ですが…」
「そうだ!アンジュ、君が来てもう1ヶ月が過ぎた。それを祝して食事会を開こう!」
「はあ!?父上何を言って…」
「まあいずれそういう機会も訪れるし、少し勉強だと思ってどうだ?わしら家族間でだが」
「い、いいんですか?」
また日程が決まり次第伝える、と父上はそう言い放って城に戻った。
「すまないアンジュ、まだ元気では無いだろうに」
「いえ。とても元気をいただいた気がします」
アンジュは父上が出ていった扉を見つめて微笑む。
俺は、君が元気ならなんだっていい。
君の為なら、命だって惜しくはない。
***
「ん、んん…」
ノラ王子に下半身を触れられた日から、俺はおかしくなってしまった。
昨日も一昨日も、朝起きた時に下半身がやけに熱くて、下着を見ると、ノラ王子が言っていた射精、というものをしていた。
自分でしてもうまくいかなくて、結局下着は汚れたまま。
こんな姿を誰にも見られたくなくて、隠れるように下着だけ自分で洗っていた。
今日だって。
「ふうっ、や、なに、これぇ…」
ノラ王子が触ってくれたみたいにしても、やっぱりうまくいかない。
ノラ王子に聞いたら、助けてくれるかな。
「ふぁぁっ、あ、んん、う、なんでぇ…」
こんなこと、お父様もお母様も教えてくれなかった。
「おうじ、おうじぃ…」
「………ュ、アンジュ?」
「は、はい!?」
「どうした、顔が赤いぞ?熱でもあるのか?」
「あ、あぁぁっ!だ、だだ大丈夫です!わ、わ、私、絵を描きにいって…」
昨日も射精が出来なくて、もやもやしたまま眠ってしまったからなのかな。
王子の顔を見ただけなのに、体も、顔も熱くなっちゃう。
慌ててノラ王子の元を離れようとしたら、転びそうになったところを、ノラ王子が抱きしめてくれた。
「アンジュ大丈夫か?」
「は、はひ、大丈夫で…」
「は、なさそうだな…」
ノラ王子に触れられただけなのに、俺の体が更な熱くなる。
「ひぁっ」
「部屋に行こうか」
「んっ、あ、王子…」
「リマ、少しアンジュの部屋に居るから、急ぎの用がなければ誰も部屋に近づけさせるな」
「かしこまりました」
「行こう」
「はい…」
***
「……ずっと我慢していたのか?」
「んぁっ、あ」
服を脱がせながらアンジュにそう問いかけるが、アンジュはもう快感に溺れかけていて、まともに返事など出来そうにない。
下着も脱がせ、アンジュを裸にし、ベッドに寝かせる。
熱で火照った体が、俺の欲を駆り立てる。
「アンジュ、今日はここも覚えようか」
「んひっ!?お、王子、そこは…」
「大丈夫だ、俺に体を預けろ」
アンジュの小さな乳首に口付けをする。
もう片方は指の腹で優しく撫で、触れる。
「ひゃぁっ!あ、王子だめ、からだが、へん、にっ…!」
「気にしなくていい。それは変などではない。気持ちいい、というものだ」
「きもち、いい…」
「あぁ。腰がゾクゾクしているのがわかるか?」
腰に手をやると、アンジュはビクビクと体を震わせる。
「ん…」
「これが気持ち良い、というものだ。覚えておけばよい」
「はい…気持ち良い、です、ノラ王子…」
「よく言えたな」
頭を撫でてやると、アンジュは微笑む。
彼は頭を撫でられるのが好きなのだろう。
「下半身が、ゾクゾクするのも、気持ち良い、ですか…?」
「あぁ、そうだ」
「気持ち良い…気持ち良い…っ、ノラ王子、もっと、して、ください…」
「わかった」
今度は反対の乳首に口付ける。
するとアンジュはまた嬌声を上げた。
「ふぁぁっ、あ、あんっ」
飲み込む余裕のなくなった涎が、アンジュの口端から零れ落ち、顔を伝って、アンジュ自身の鎖骨に垂れる。
「あぁぁっ」
「声に出せ」
「気持ち良い、気持ち良いっ」
腰をカクカクと動かし、俺の股間に擦り付けて来る。
無意識なのだろうが、こういうのを見ると、アンジュも男なのだと改めて痛感する。
「アンジュ、そろそろ射精しそうか?」
「ん、んっ、おうじ、しゃせい、しま、すぅっ」
「そういう時はイく、と言えばいい」
「ふぁい…おうじ、イく、イき、ますぅっ」
快感で舌が回らなくなっているところも、また可愛い。
君はどれだけ俺を駆り立てるんだ。
「ふぁぁっ、あ、あぁぁぁっ」
「イけ」
「ん、んんんんっ!イく、ぅっ、ふぁぁぁっ!」
乳首を甘噛みし、指でピンと弾くと、アンジュは堪えきれずに射精した。
「あ、あぁぁっ、はぁっ、んぅ…」
アンジュは射精した余韻に浸る。
目は虚ろで、息をするのもやっとだった。
少しすると、アンジュはようやく落ち着いた。
「おう、じ…」
「どうした?」
「おうじ、は、イ、イって、ない、ですよね…?」
「俺は構わない。疲れただろう、ゆっくり眠ればいい」
「だめです!」
アンジュが突然叫んだ事に驚いた。
ここに来てこれ程声を上げたことなどあっただろうか。
「リ、リマさんに聞きました。お互いが良くないと、だ、だめ、だって…。だから、わ、私にも…前みたいに、させて、ください…っ!」
リマめ、アンジュに何を吹き込んだ。
後で問いただしてやる。
「だが…」
「だめですか…?」
「……わかった、その代わり無理はするなよ?」
「はい」
リマに、上目遣いをすれば俺が折れると聞いているに違いない。
まあ、事実なのだが。
俺は諦めて、下を脱ぐ。
「わ、私のと違って、おおきい…」
「そう見られると流石に恥ずかしいな」
「あ、ご、ごめんなさい…!あの、では…失礼します」
こんなに畏まられると恥ずかしいものだ。
アンジュが俺のものをじーっと見つめながら、手を上下に動かす。
「王子、気持ち良い、ですか…?」
「あぁ」
「よかった…。んっ、ふ」
アンジュの息が俺のものに当たる。
ただそれだけなのに、俺のものは更に勃起する。
…俺って変態だったのか?
「ノラ王子…。ふぅっ、ふっ」
「アンジュ…」
「王子…んむっ、ん、ちゅう…」
アンジュと目が合う。
顔を赤くして、息遣いが荒くなり、潤んだ目で俺を見つめる。
そんなアンジュを見て、我慢出来ずにキスをする。
アンジュはそれを受け入れ、お互いの舌が口内で絡まる。
キスをしながら、アンジュは懸命に手を動かす。
「ふぅっ、んっ、んんんっ」
「ふっ、はぁっ、アンジュ、悪い、もうすぐ…」
「っあ、あ、イき、ますか…?」
「あぁ…っく」
「イって、ください…」
「イく、…っ」
俺はアンジュの手の中で射精した。
「アンジュ、手を…」
「ぺろ…う、あまり、美味しくないですね…」
「アンジュ!早く出しなさい!」
「ふぇ!?ご、ごめんなさい…!」
俺はアンジュにソレが食べ物や飲み物で無いことを説明した。
じゃあ何なんですか?と聞かれて困ったのは言うまでもなかった。
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