#11

*描写あり



「ノラ王子、俺を、一人にしないでください…」


まずい、非常にまずい。

何がまずいかというと、俺は今、勃起している。

最低だとはわかっている。

アンジュが目覚めてくれた嬉しさもあるが、何よりアンジュが俺を抱きしめて、頭を撫でてくれたのが、堪らなく愛しくて。

そんな事を思っていたら、勃起した。

俺は最低だ。

頼むから捨てられた子犬みたいな目をするのはやめてくれ。


「分かった、分かったから…」

「ありがとう、ございます」


アンジュに負けて、一緒の布団に入る。


「王子」

「どうした?」

「この前してくれた、キス、というのを、してください」

「……っ!」

「王子…?」

「あ、ああ、いや、なんでもない」


唐突にそんな事を言い出すアンジュに、俺は驚きを隠せずにいた。


「だめ、ですか…?」

「そんな訳ないだろう」


アンジュからそう言ってくれるのは非常に嬉しいのだが、情けない事に俺は更に勃起してしまった。

俺に逃げ場などない。

バレたら素直に謝ろう。


「アンジュ」

「王子…ん、っ」

「口を開けて」

「あ、はい、おう…っん、ふっ、ん…」


俺の舌を受け入れようと、アンジュは懸命に口を開ける。


「ふぁ、あ、おう、じ…ん、っあ、はぁっ、王子、私、からだ、が」

「しんどいか?」

「なんだか、熱く、て…っ、ひぁっ!?」

「これか?」


アンジュのものは、スカートの上から触っても分かるくらいには勃起していた。


「ど、どうしましょう、私の、からだ、おかしくて…っ」

「おかしくなどない。男なら、こうなる事もある」

「でもこんな風になったことなんて…」

「心配するな。病気とかそういうのじゃない」


アンジュが来た時、世間知らずだとは言われたが、ここまで知らないものなのか?

いや、キスすら何か分かっていなかったし、十分有り得るな。


「アンジュ、服を脱ごうか」

「あ、でも…」

「汚れるよりはマシだろう。それにもう隠す必要はない」

「わ、わかり、ました…」


アンジュがベッドから立ち上がり服を脱ぐ。

やはりアンジュは女性ものの下着を付けていた。


「これで、いい、ですか?」

「おいで」

「はい…」


アンジュがベッドに入ってくる。

元々細いとは思っていたが、これほどまでに細いとは。

リマやアンナ姉様達よりも細いのではないか?

しかしこれ程細ければ、誰もアンジュを男だとは思わないだろう。

どういう考えを持てば、自分の息子にこんな鬼畜の所業が出来るのか。


「あ、あの、王子…」

「どうした?」

「王子も、私みたいに、その…こんな風に、なってしまうのですか?」

「まあ…うん、そうだな」


正直言いたくはなかったが、仕方ない。


「さ、触って、も…」

「いや、やめておいたほうが…」

「お、王子だって私のを触って…!」

「う…」


ぐうの音も出ない正論を吐かれて、なにも言い返せなくなる。


「だめ、ですか…?」


その目は卑怯だ。

そんな目をされたら、断れるわけがない。

布団を取り払い、俺も下を脱ぐ。


「気持ち悪くなったら、すぐに手を離すんだ、いいか?」

「はい…!っ、あ、あつ、い…おお、き…」

「っ、アン、ジュ…」

「あ、ごめんなさい、いたい、ですか?」

「いや、平気、だが…」


アンジュの小さな手が、俺のものを握っているというだけで昂りが増す。

俺の下半身は、性欲に素直すぎる。


「あ、あの、こ、このあと、どう、すれば…」

「あー…ええと、こう、してくれれば」

「ひ、あ、あっ」


アンジュのものを上下に擦ると、アンジュは気持ち良いのか、嬌声を上げた。


「な、なに、これっ、ノラ、おうじ、私、へん…っあ、あっ」

「っく、アンジュ…それは、別に変な事じゃない。俺も、そうなる…」

「王子、も…?」

「ああ、同じように、してくれるか…?」

「は、い…」


部屋ににちゃにちゃという音が響く。


「んあ、あっ、おう、じぃ…」

「はぁ、アンジュ、大丈夫、か…?」

「ふ、王子、は…?」

「ああ、気持ち良い…」

「きもち…いい?」

「ああ、覚えておくといい。君のここが勃起しているのは、気持ち良い、というものだから」

「気持ち良い…気持ち良い、んです、ね」

「そうだ」


アンジュはこういったことも経験がないのだろう。

この行為すら、何か分かっていなさそうだし。


「ふぅっ、じゃあ、王子も、気持ち良い、んです…ね」

「そうだ」

「こう、して…あっ、王子、あ、きもち、いい、きもちいい…っ」

「アンジュ…」

「王子…っん、んんっ」


俺はたまらずアンジュに口付けした。

アンジュもそれを受け入れてくれて、口内で舌を絡め合う。


「んふ、ふぅぅっ、ふっ、くちゅ、ちゅうっ」

「ん…っ、は、アンジュ」

「ふぁ、おう、じぃ…あ、あっ、あ、王子、っあ、あんんっ」


アンジュが射精した、と気づいたのは手にぬるっとした感触を感じたからだ。


「ひ、はぁっ、あ、王子、ごめん、なさい、私、お漏らしして…」

「大丈夫、これは射精というものだ。気持ち良いものが限界を迎えて出ただけだ」

「王子、も、なるんです、よね…?」

「まあ、そう、だな…」


まさか射精が何たるかを話す日が来るとは思わなかった。

しかもアンジュは、俺もそうだろう?と疑問を投げかけてくる。

彼には色々と教えるべき事があるかもしれないと再認識した。


「は、アンジュ、手を…」

「あ、はい、こう、ですよね…?」

「…っ、そう、だ」

「ん、王子、も、射精?します、か…?」

「あぁ、手を離した方が…」

「大丈夫、です」

「いや、大丈夫じゃ………っく」

「あ……っ」


すまないアンジュ。

俺の精液が、アンジュの手に、顔に飛び散る。


「アンジュ、だから手を…っ!?」

「何だか、変な味…」


あろう事か、アンジュはそれを手に取って舐めた。


「やめておきなさい、そんな事…!」

「あ、王子の手にも…ちゅ、れろ」


しかも自分で出したものまで舐めるとは。


「おいしく、ないですね…」

「そりゃあ、そうだろう…。それは飲み物でも何でもないからな…」

「そうなんですか!?す、すいません私……」


それからアンジュに少しだけ性教育について話したのは言うまでもなかった。

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