〜再転生先は、ぼっちな魔王様の奴隷でした〜

第23話 永遠の０と意外な

「アンタは！！」

「早い再会でござったな〜魔王の嬢ちゃん」

「いつだかの泥棒猫じゃない」

この季節感永遠のゼロ女はえぇっと…

確か昨日の事のような気もするし、

これを読んでいる貴方達には明日の出来事だった

ような気もするけれど…兎にも角。

この女が泥棒猫である事は純然たる事実なの。

「ち、違う！！

　先に手を出してきたのは（事故だったけど）

　シンジの方だよ！！！」

「ござる忘れてるわよ」

「はっ…！　ん”ん”ん”ん”ん”…

　そう、拙者はシンジに手籠にされそうになっ　

　ただけにござる」

「そのようね」

記憶と感情を読み取る限り

この女版赤髪のシャンクスが言っている事に

相違ない。けれど、けれどね？

「満更（・・）でもなかったのね」

「の”の”の”の”の”…！？」

慌てて背負っているバカの方を見た。

ほっと息をついた。

「どうしてアンタはそのバカに惹かれてしまった

　の？」

「それだと拙者がダメ男に唆されているような

　口振りにござらぬか…？」

その通り。

「シンジなんてバカ男のダメ男のＤＶ男よ。

　絶対に切り捨ておいた方が世のためよ。

　でも…」

「ござ？」

「私にはそのバカしかいないから」

それに、この世界において真の意味で

シンジが頼れるのは私をおいて

他にいないと思う次第だし、

他にいたら拉致監禁して接近禁止に納得するまで

3/4殺しくらいの目には合わせてやりたい。

待って———私ってもしかしてシンジの事を…

「—私に依存させて、ヒモにしたいのかし

　ら…？」

「そんな歪んだ愛情嫌すぎるでござるなぁ」

「歪んでいようと、荒んでいようと

　それは他ならぬ愛なのだから。

　受け取るべきだし、私の奴隷である

　そのバカに拒否権はないわ」

受け取らないというなら受け取るまで

屈服させれば良いだけの事。

愛だから仕方ないわよね？？？

こういうの確かツンデレ？っていうのよ。

「拒否権はなくても

　選択権くらいあるでござろうに」

「！」

見かけによらず、

意外と頭の回るアバズレレッドのようね。

「つまり私が用意した愛の中から

　シンジが望む愛を選ばせる…という事？」

「嬢ちゃん以外の選択肢はないのでござるな」

「え」

私以外？

それは私以外を愛するという事？

ノンデリ世界チャンピオンのシンジが？

全く考えた事もなかった…。

「異世界転生させたのだからつまり、

　シンジが生まれて初めて見た存在は私…

　という事よね？」

「いせか…？

　まあ少なくとも主らの関係は

　生来のものだと思うが」

そうよね。

「つまり私を友達、恋人、親友、幼馴染、母親、義理の姉、将来を誓い合った２人…みたいな絶対的な存在として認識しているわけじゃない？」

刷り込みという奴ね。

シンジの目線からすると私は最早

神すら超越したシンジという人間を成す

核と言っても過言ではない筈。

「いや…多分そこまでは…」

「えぇ！？」

思っていない！？

「うん…」

「急に口数が少なくなった辺り

　ガチの奴なのね…！」

「ガチの奴でござるな」

な…そうなの。

へぇ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜……そうなのね。

なんだか少し燃えて来たわ。

（ならそうさせるまでの事よ）