第2話 異世界はロリハーレムと共に。

「ね、ねぇ...リノア...」

困惑しながらリノアに質問する。

「はい...何でしょうか...カラ様...」

リノアも困惑しながら反応する。

「なんでカラは無言で姫様に抱きつかれてるの?」

「さ、さぁ...何ででしょう...」

何でこうなったのかと言うと...ん、んんっ...時を戻そう。


「ねぇ、貴女達...話がある...」

紺色の髪の女の子は俺の事を真っ直ぐ見つめながら、そう話しかけてくる。

「ク、クゥロ様...何でここに...」

「あ、リノア...」

「あ、あの、えと...。お誕生日おめでとうございます...クゥロ様...」

今の状況で言う!?いや、まぁいいが。

「うん...」

「とりあえず、ここじゃなくて王宮で話そ...」

クゥロと呼ばれる女の子は俺たちに手を差し伸べてくれる。俺とリノアはその手を取り、立ち上がる。

「あ、は、はい...!」

「あ、え...」

と、俺は困惑していると

「貴女も着いてきて...」

そういい、クゥロという子の口角がほんのり上がるのが見えた。

「わ、分かりました...」

「あ、あのクゥロ様...」

「?」

「生誕祭パレードはよろしいのですか?」

リノアは当然の質問をする。俺も思った。途中でほっぽっていいのだろうか。姫でしょ貴女。そう思っていると

「そんな事よりあの子が気になる」

と、クゥロは俺に興味津々みたいだ。

「そ、そうですか...分かりました...」

とクゥロ姫の後ろを着いていく。


その道中、小声でリノアにクゥロ姫の関係について聞いてみる。

「ね、ねぇ...リノア」

「何でしょうか...カラ様」

「クゥロ姫とは知り合いなの...?」

「はい...わたくしはクゥロ様に仕える唯一のお手伝いですので...」

「お手伝い...」

だから口調が丁寧で、お淑やかなんだ...

なんて話していると、王宮が近づいてくる...。

「うわぁ...すご...」

ヨーロッパの城みたいな感じで、その凄まじさに感嘆の声を漏らしてしまう。

「ここが、ラヴィリニの城で、バットゥヴェリ城と言います。」

「バットゥヴェリ城...」

すんごい名前。小文字多くない?なんて変なことを思っていると、メイドや執事が頭を下げて

「おかえりなさいませ姫様。」

とクゥロを迎える。

「パレードはよろしいのですか」

「うん」

あ、本当にいいんだ。許されてるんだ。姫すご。姫の権力初めて見た。だなんて不敬なことを思っちゃぁ行けないですよ?

とふざけていると、奥から超絶偉そうな人が現れる。

「ただいま帰りました。父様」

「ん...?おや早かったなクゥロ」

ん...?お父様って事は...

「それにおかえり、リノア」

「はい、ただいまです。王様」

やっぱ王様だよね...!?

「ん...?おや、見慣れない子が居るね」

「え、あ、えと...」

突然俺の話題になり、動揺するが、クゥロは話を続ける。

「この子の件でパレードを無視して帰ってきたの」

「ほう、そうか!」

それ程の...。みたいな表情をする。俺それ程の人ですかね

「ねぇ、貴女...名前は?」

王の前だ...粗相のない様に一人称は名前ではなくて...。

「私は...」

カラとは名乗っていたが...フルネームとなると...うーん...それっぽいのでいいか

「カラ。カラ・ノソイアと申します...」

ひざまずきながら言う。

「いやいや、そんなワシに跪かんで良いんじゃ」

「そうなのですね...分かりました。」

「礼儀正しいとても良い子じゃな...」

とても優しい笑顔だ...。この王様は民からとても信頼されているのだろう...。優しさが滲み出てる...

「ふむ...カラと申すのか...」

「だが、そんな名前この国で聞いたこともない...」

王様はなっがい髭を触りながら、そう言う。俺もあの髭触ってみてぇなんて不敬な事を思ってしまう。


「えっ?」

「そうなのですか!?」

「あぁ...民の名前はこの城に全て残されておる。記録されるからな...」

国だからな...そりゃ手続きだってある。名簿手続き的なのがな...俺の名前はこの世界に無いから不審がるのも無理は無いな...。

「カラ」

「はい...なんでございますか...?」

突然王に名前で呼ばれ、少しだけ心拍が早くなる。

「其方はどこの国の者なんじゃ?」

「どこの国...ですか...」

どこの国...と言われても...異世界転生してきましたー!って言っても信じてもらえるか分かんねぇし...

と考えていると、クゥロ姫がリノアに話しかける。

「ねぇ、リノア」

「え、は、はい!何でしょう?」

俺と同じく突然名前を呼ばれ動揺するリノア。

「カラはどこで見つけたの?」

「あ、えと...で横に倒れていたんです...」

「シュツァーノ草原か...なるほどな」

シュツァーノ草原...?あー...俺が倒れていた場所か...あそこそんな名前なんだ...。


「ふーん...そうなの...」

急に顔を近づけてきたんだが!?ち、近いな...しかもこの子も超絶可愛いロリっ子だな...。無表情で...ってこの髪色...ものすごく綺麗な紺だなぁ...。紺のロングヘアーのロリとか刺さる人多そー...ってか目の色綺麗すぎるだろ...。なんだこの綺麗すぎる灰色の目...薄い灰色で...。

とクゥロ姫の瞳に惹き込まれていると、リノアが服をクイクイと引っ張ってきた。

「ん?」

どうやら怒ってるようだ...。だが、頬を膨らましてぷくーっと怒っているため非常に可愛い。

「んむ〜〜っ!!」

いかん...このままじゃ俺、ロリコンになっちまう。いやいや俺はJKじゃないと興奮しないしな...

なんてそんなことはどうでも良くて

「ご、ごめんリノア...」

悪い事をしたみたいなのでしっかりと謝らなければ...

「許しません...っ!!」

「えぇ!?」

「ほ、本当にごめん!!リノア!お願い!!」

己の全力の謝罪をする。

その後チラッとリノアの方を見ると、リノアもこっちをチラッと見、口を開いた。

「ど、どうしてもというのなら...」

「あ、後で...デートしてくれるのならいい...です...よ?」

と顔を赤くしながら言う。

「へ?」

デ、デート...?

「はい...っ」

「...分かった...後でデートしよ?」

と言うとリノアはとても嬉しそうな顔になり。

「っ!!約束ですよ!!」

と満面の笑みへと変わった。

良かった...機嫌を治してくれた...。ん?待てなんかまるでギャルゲみたいだなこれおい。

(...いいなデート)

「ん?どうかしましたか?クゥロ姫」

「んーん...何でもない」


その後、クゥロ姫はまた俺の顔をじーっと見つめてきて...そして喋り始めた。

「貴女ってって人っぽい...」

「転...生者?」

「え、そ、そうです...!」

なんで分かったんだ...?と言うより、この世界転生が認知されてるんだな...。ん?だが、リノアが知らないのはなぜだ?なんて疑問に思っていると、クゥロは話し始める。

「この国...いえ、この世界には王族にのみ伝えられる逸話がある」

「逸話...?」

「昔、転生者が魔王を討伐したという逸話が」

魔王はもうとっくに討伐されてたのか...。なら俺はこのまま平穏な異世界生活か...良いね最高だね

「魔王を討伐...」

「その転生者は草原に突然現れ、眠っていたという始まりなんじゃ」

「それの元となった草原がラヴィリニの目の前にあるシュツァーノ草原...」

「ほえ〜...」

転生者はシュツァーノ草原で絶対に転生するのかな...?分かんないけど

「そ、そうなのですか...」

「魔王は600年前に討伐されて以降転生者が現れたって言う話はなかったはず...」

魔王が倒されて以降、転生者が現れなかったのに俺が現れた...?

「あぁ、その間他の国の王と対談したが、そんな記録はなかった。ワシが生きている間でもな」

「もしかしたら最近の魔物が活発になりはじめてるってのって...本当に魔王復活が近いの...?」

「前々から他の王との対談でもその話題は出とった。魔王復活の前兆なのではないかとな」

「そ、そしたらマズイんじゃないですか...!?」


「え、えーっと...待ってください...」

俺は皆の話を止める。

「ん?」

「どうした?」

「もしかしてですけど私、復活するかもしれない魔王を倒すために強くなれ...と?」

確認のためだ。そう。確認だ。魔王を倒せだなんてそんな

「...そうなるな」

「うん...」

「が、頑張って下さい!」

嘘だろおい。

「で、でもカラ様はわたくしを...だ、抱っこ...して下さって、更にはあの壁を余裕で越えましたじゃないですか!」

「なんと!そんなことがあったのか」

あ、リノア。その話やめて。

「うん...あった」

「あれは本当に素晴らしかったです!」

「あの力があれば倒せます!!」

そ、そうかなぁ...?魔王ってそんなに簡単じゃないと思うけど...。ってそんなキラキラした目でこっちを見ないでリノア。

「あれ、楽しそうだった...」

「え?」

「ん?」

とクゥロ姫が言った後、抱きつかれた。

「...えーと?」

「ク、クゥロ姫...?どうなされたのですか?」


そして現在に至る。

「ねぇ、カラ」

「な、何ですか...?」

「敬語やめよ?歳近いから...普通に話そ?あと呼び捨てがいい...」

顔近づけるのやめよ...!?人見知りだから!!普通に話そ...!?あと一定の距離感がいい!

なんて言える訳もなく

「わ、分かったよ...クゥロ...」

俺が敬語をやめると、クゥロはほんのりと笑い

「嬉しい...」

と呟きちょっとだけ強く抱きしめられた。


「ねぇ、カラ...」

「ど、どうしたの...?クゥロ...」

「あのジャンプ体験したい...」

「え!?えぇーっと...」

アレどう発動するのかわかんねぇよぉお!!!

「わ...っ」

とリノアも抱きついてきた。

「うぇ!?リ、リノア!?」

「わたくしだってもう1回カラ様のあのジャンプ体感したいです!!」

い、今までで1番迫力あるリノアの顔と声...まだ出会って数時間だけど

「はっはっは...!!モテモテだなカラ!」

「え、あぁ...えぇっと...た、助けてください!!ユラ王!!」

「ワシは女の子同士でも許可するぞ!!」

そういう助けじゃねぇよ王様ぁああああ!!!!

「カラとなら結婚出来るよ...?する...?」

とほんのり顔を赤くしながら言うクゥロ。

「流石のクゥロ様でもカラ様は渡しません...!」

と何故かぷくーっと頬を膨らませながら対抗するリノア。

なんで...なんで俺はロリにモテてんだぁああ!!!?






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