一千夏、目合を覚える

…はじまります。たぶんこれでエッチ回はおしまいです。


日常に戻ろうぜ!



────────────────────


恭太郎視点:



風呂から出て、さすがに今度はバスタオル巻いて水を飲んでたら、


一千夏が背もたれのついた椅子に巻いてたバスタオルを敷いて、唐突に言った。


「恭太郎、対面座位しよ」



◇◆◇



ぎし、ぎしと椅子がきしむ音。

一千夏が俺の肩に頭をもたげて耳元でささやく。


「ん、きょうたろう、きもちい…ゆすられる…からかな、んっっ」


「一千夏、顔上げて」


「んー、はい。あげたよ」


「目、開いて。こっち向いて」


ゆるゆると目を開く一千夏。照れたようにいやいやをするから、掴まえて目を覗き込む。

すごく潤んでいて、虹彩がよく見えない。


「いやあ…きょうたろう、はずかしい、よお…」


「大丈夫、そのままで。すごく可愛いよ、一千夏」


とたんにぎゅーっと、なった。


「なんでえ、なんでこんなに…あ!」


そのまま達したようで目も虚ろだ。手を離してやると俺の肩にくたりとなる。

まだ波は続いているみたいで、吐息がすごくいやらしいと思ったり愛らしいと思ったり。


そう思ったら急激に昂まってしまって、俺もイった。






「やばいね、大して動いてないのに、簡単にイっちゃった」


「まぐわうっていうだろ、セックスのこと」


「うん」


「そっちは目と目をかわす、って意味なんだよな。“みとのまぐわい”で目と目を合わせて愛を契る、男女のセックスって意味になる。昔の人もこうやってたのかもな。敷布団もない板の間じゃ、柱にもたれて座位がポピュラーだった、説」


「ふうん。ま、いいや。あのさ、恭太郎とのセックスさ、なんでこんなにさくさくっって感じで楽にできて、気持ちいいんだろうなあって、疑問」


「あー、下心が少ない。昂まるとすぐしてるからドロンドロンになりにくい、どう?」


「ナチュラルなのはほんとそう思う。恭太郎が上手…いや上手下手じゃないかも。すごく気持ち良くさせてやろうって、ホスピタリティ?感じるよ。ありがとね」


ちゅちゅっとキスして、服を着た。


「よし、わたし今からドロンドロンを溜めるから。恭太郎もビーストになっていいよ」


まだ土曜の夕方だし。


一千夏さんって底なしだったか。



────────────────────



一千夏さん、底なしです。それに彼女が感じてる通り、負担が軽いのです。

たぶん、恭太郎が興味のおもむくまま一千夏をオモチャにしないからでしょう。

“一千夏ファースト“な、けなげな少年、です。


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