一千夏、キスをする

一千夏視点:


恭太郎にLIMEを送る。


『恭太郎、まだ起きてる?』


『起きてるぞ、つうか一時間経ってないだろ』


『さっきはゴメン。日付変わったから恭太郎ん宅に行く』


『yogebo持って来てくれよ。あれないと眠れん』


『わかった』


yogeboを忘れないように抱えて、と。


ドアはロックを外してくれてた。


「へへへ、おばんでやす」


深夜に会うのがなんか楽しいのは、わたしたちがまだ子どもだからかな。


「おう、さっきぶり」


恭太郎もお風呂に入ったのか、よく洗われてくたくたになったスウェットに着替えてた。


「yogeboありがと。わたしも買おうかな?」


「買え買え。安眠にかかせないし」


そのままyogeboを抱えてビーズクッションに座る。


「ねえ、恭太郎」


「ん?」


「あのね、さっきの、もう一回仕切り直してよ」


ベットに腰掛けてた恭太郎が、絨毯に降りて目線を合わせてくれた。


「一千夏」


「うん」


「俺、一千夏の事ずっと可愛いと思ってた。俺と付き合ってください。大好きです」


真剣にきちんと告白された。とっても満足。

見つめられて、胸がキューンとなった。


「恭太郎、わたし恭太郎が大好きだから、逆に幼馴染の距離を壊さないようにしてきたつもり」


「うん」


「でも、恭太郎が告白してくれて、わたし考えた。ちゃんと恋人になれば距離とか関係なくなるよね。うん、わたしを恭太郎の彼女にしてください」


わたしも恭太郎を見つめ返す。

ドキドキドキドキ


恭太郎がひざたちしてわたしの前にきた。

そのまま顔を寄せて、チュッと額にキスしてくれる。


「ふふっ、“ちゃんと”でも、いいよ」


ちょっぴりいたずら心が出た。

経験値の高さで翻弄しちゃうぞ。


ところが、翻弄されたのはわたしのほうだった。


頬を軽く挟まれて、ちゅちゅっとバードキスされた。え?ええっ?

ベタにぶちゅっとされると思ったのに…


ちょっと悔しくなったから、恭太郎のうしろ頭に手をまわして、下くちびるを軽くくわえて、ついでに舐めてあげた。


そしたら、恭太郎の舌にわたしの舌が捕まえられちゃった。


あとはもう、舐めたり舐められたり、吸ったり吸われたりと最高のキスタイム…




気がついたら絨毯に押し倒されてた。パジャマははだけられて、わたしは鎖骨にキスされてるところ。


「明日も明後日も、プールとか行く予定ないよな?」


「明日も明後日も予定なんにもないよ。ふふ、一緒にプール行く?」


「行かないんだぜ、それじゃ、いいな」


ちりっとしたなと思ったら、鎖骨にキスマーク付けられた。

二度、三度と付けられて、恭太郎がわたしの事独占したい気持ちが伝わってきた。


強烈に愛おしい気持ちが湧き上がって、恭太郎の頭をかき抱く。恭太郎が力抜いたから、彼の耳がわたしの胸の音を聴いているみたいになる。


「一千夏、心音がすごいよ。120BPMくらいかな」


恭太郎が急に起きてわたしの背を立てた。そのままお姫様だっこされた。


「覚悟してきたよね、一千夏姫?」


「それは女ですもの。殿方なら、分かるでしょう?」


「それでは、姫。ベットで愛し合いましょう」


「よしなに」


小芝居にノって演じてみたらいい感じじゃない?

王子様は楽々、姫抱っこで運んでくれた。マジ、カッコいいー。





パジャマの下をショーツといっしょに脱がされて、はだけたパジャマの上着とキャミソールだけになった。


「わたしも脱がしてあげる」


トレーナーの裾をもってたくし上げる。袖を抜くときに、恭太郎の匂いが強く香った。

杉の匂いとチリペッパーの匂いを足したようなスパイシーな香り。そう、わたしは匂いフェチなのですよ。


下も脱がしてあげる。わたしもトランクスごとぐっと下げてあげた。

窮屈そうだった恭太郎くんが元気にまろびててきた。……こ、これはすごい。


「ず、ずいぶん凶暴なものをお持ちで」


「…やっぱ、大きいかな」


「だ、だ、大丈夫、だと思う、よ」


言ったけど、ちょっと無理めかもしんない…

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る