一千夏、キスをする☆

 一千夏視点:



 恭太郎にLIMEを送る。


『恭太郎、まだ起きてる?』


 寝ちゃってないといいけど…あ、既読付いた!


『起きてるぞ、つうか一時間経ってないだろ』


『さっきはゴメン。日付変わったから恭太郎ん宅に行く』


『Yogebo持って来てくれよ。あれないと眠れん』


『わかった』



 Yogeboを忘れないように抱えて、玄関を出た。


 深夜の廊下は静まり返っていた。

 以前は少々廊下の端が不気味に感じたけれど、最近LED蛍光灯に改修されたのでそれもなくなった。


 ─── 深夜に自由に行き来するのが、なんか楽しい。

 まだまだ、わたしが子どもだからなのかな。


 合鍵で恭太郎ん宅のドアを開けた。



「へへへ、おばんでやす」


「おう、さっきぶり」


 恭太郎は風呂に入った様子で、よく洗われてくたくたになったスウェットに着替えていた。


「yogeboありがと。わたしも買おうかな」


「おう、買え買え。安眠にかかせないし」


 そのままyogeboを抱えて、ビーズクッションに座る。


「ねえ、恭太郎」


「ん?」


「あのね…、さっきの、もう一回仕切り直してよ」


 ベットに腰掛けてた恭太郎が、絨毯に降りた。


「一千夏」


「うん」


「俺、一千夏の事をずっと可愛いと思って生きてきた」


 真剣なまなざしで照れもせず、恭太郎は言う。

  駆け引きなしのストレート。素敵過ぎて嬉しすぎてどうにかなりそうだ。

  胸がバクバクするよ。


「俺と付き合ってください。一千夏が大好きです」


 見つめられて、今度は胸がギュンと高鳴る。


 ─── 返さなきゃ。


「恭太郎、わたし恭太郎が大切だから、幼馴染の距離を壊さないようにしてきたつもり」


「うん」


「でも、恭太郎が告白してくれて、わたし考えた。ちゃんと恋人どうしになれば、そんな距離とか関係なくなるよね」


 恭太郎を見つめる。もう呼吸もしずらいほどに胸がバクバクしてる。


「わたしを、恭太郎の彼女にしてください」


 ─── 言った。言ってしまった。


 しばらく見つめあったままだった。


 ─── ドキドキドキドキ。これからどうなっちゃうの?


 恭太郎がそのまま顔を寄せて、チュッと額にキスした。


「ふふっ、ありがと。でも、“ちゃんと”でも、いいよ」


 ちょっぴりいたずら心が出た。


 ───いちおう、わたしのが経験値高いし。


 ところが翻弄されたのは、わたしのほうだった。



 恭太郎に、自然な感じで頬を軽く挟まれて、ちゅちゅっとバードキスされる。


 ─── え?ええっ?ベタに唇にぶちゅっとされると思ったのに…


 悔しかったので、恭太郎を抱きしめる。下くちびるを軽くくわえて、ついでに軽く舐めた。


 ─── へへん、どうだい。


 ところが、恭太郎のが一枚上だった。


 わたしの舌が、ふいに捕らえられた。

 最初はつん、と突かれていたけれど、すぐに舐めあいになって。

 溢れてきた唾液を、ちゅ、ちゅっと吸われる。

 恥ずかしいけど、気持ちいい。

 わたしの舌は、つるりとそのまま恭太郎の口の中に吸い込まれてしまった。


 しばらくして、今度は恭太郎の舌がわたしの口の中へ入ってきた。

 口内を蹂躙される。歯列をなぞられ、頬の裏を探られ、最後には口蓋をぞろりと舐められる。

 すごい刺激。脳を舐められているみたいだ。


 ぼーっとする。ただただ気持ちよくって、もうなすがまま。


 気がついたら絨毯に押し倒されてパジャマの前ははだけられて、鎖骨にキスされてるところだった。



「明日も明後日も、プールとかスパ銭とか行く予定、ないよな?」


「ないよ。一緒にプール行く?」


「いや、行かない。それならいいか」




 ちりっとしたなと思ったら、鎖骨にキスマークを付けられてた。


 二度、三度。恭太郎、わたしが欲しいの?

 強烈に愛おしい気持ちが湧き上がって、恭太郎の頭をかき抱く。


「一千夏、心音がすごいよ。暴れてる」


「だって、これで興奮しないわけないじゃん。バカ」


 恭太郎が立ち上がって、一千夏の背に腕を差し入れた。

 そのまま姫抱っこで抱き上げられる。


「いいよな、一千夏」


「親いない家で濃厚キスをした後だよ。このまま終わったら、わたし泣くし」


「それじゃあ、やろっか」


「うん」


 恭太郎は楽々とわたしを抱いて、そっとベットに下ろした。

 わたし、姫抱っこされたのって、始めてだあ。感動…。


「…あ、シーツ換えた?手触りがなんか、違うっぽい」


 笑う恭太郎。


「換えたよ。もう下心満載で」


「どういう下心か、聞いてもいいかな?」


「一千夏をメロメロにしちゃうって下心。これ、防水っていうか裏抜けないシーツだから、一千夏がジューシーフルーツになっても安心」


「バッカ、わたし、そんなには濡れないほうだよ」


 自分は感じにくい体質だと思っていた。セックスはドキドキして楽しいけど、エクスタシーなんて知らないし。。

 まあ、オナニーでイく、のと同じくらいが関の山。


 恭太郎がそっと、わたしのパジャマの下をショーツごと引き下げた。


「…感動的」


「何が?」


「ちんちんがないのが、さ」


「?」


「女の子の股って、なんにもないじゃん。それがすごく不思議。でもかわいい」


「全然わかんない。それって、フェチ?」


「んー、そういうのと違う気がする。んー、ありがたい?愛おしい?なんだろ」


 臍からふわふわと薄い陰毛が生えている恥丘まで一刷けされた。


 くすぐったい!でも、もっとして欲しいかも…。


「お前色が白いなあ。シーツに映えて、すっごく綺麗だ」


「バーカ」


 うれしい。きれいって言われたあ。


 上もやさしく脱がされて、お腹に頬ずりされた。


「恭太郎、くすぐったい」


「すべっすべだな。すごく柔らかいし」


 恭太郎の胸を軽く押し返す。


「恭太郎も、脱がしてあげる」


 トレーナーの裾をもってたくし上げる。袖を抜くときに、恭太郎の匂いが強く香った。


  あー、杉の匂いとチリペッパーの匂いを足したようなスパイシーな、わたしがだーい好きな香りだ。


 おもわず本人の前で、トレーナーを嗅いでしまった。幸せ~。


「匂い嗅いでるのか?」


「だって、いい匂いなんだもん」



 …そういえば、ときどき友人のもこっそり嗅ぐんだけど。気にしてる子はガードも堅いんだよね。でもそういう子にかぎって、エッチでいい香りなんだ。



 続けて、下もトランクスごとぐっと下げてやる。


 とたん、おちんちんが飛び出してきてわたしの鼻を叩いた。


「ず、ずいぶん凶暴なものをお持ちで」


「…やっぱ、大きいかな」


「だ、だ、大丈夫、だと思う、よ」


 言ったけど、ちょっと無理めかもしんない…

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