第3話『赤い服の少女』
これはある時、甥っ子本人から聞いた話。
その日、学校が休みだった祐介は、友人のAと一緒に近所のスーパーで買物をしていたそう。
時間は18時過ぎで、そろそろ夜の帳が下り始める時間帯。
お菓子やジュースを買い込んで、Aと並んでスーパーを出る。
するとAは買い忘れがあったらしく、店の中へと引き返していった。
なんとなく店内に戻る気がしなかった祐介は、その場でAの帰りを待っていた。
「いやー、ごめんごめん。お待たせ」
しばらくして、両手に買い物袋を持ったAが戻ってきた。
祐介がAに視線を向けると、彼のズボンをぎゅっと掴む、小さな女の子の姿が見えた。
周囲はすでに薄暗く、その表情はわからない。けれど、その赤い服だけははっきりと見えたらしい。
「なぁ、それ、Aの妹?」
明らかに違うとわかっていたが、祐介はそう問わずにはいられなかった。
「えっ?」
問われたAが振り返るも、その時には女の子の姿は消えていたという。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます