第4話 授業

「秋さんはどんなことが趣味ですか」

 Wordの授業をしている最中、そんなことを聞かれた。

「お、俺は――」

 いいかけて、(そうか。僕、だったな。秋の一人称は。)と気づく。

「僕は、」に直して答えた。

「へぇ〜。◯ッチな雑誌が趣味なんだ」

「こら! 人前でそんなこと言うな。これは僕の秘密の趣味なんだから!」

 しかし虚しくも漏れるのはクスクスとした声。

「あぁぁぁぁ」

 やるせ無い気持ちになりながら、俺は帰ったのだった。

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小説家が塾の先生になったらどうなるのか 沼津平成 @Numadu-StickmanNovel

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