第75話


* 桂&亜里亜 *


「さて、それじゃぁ。


まずは、けいちゃんの所持魔法スキルを教えて貰おうかな。」



「えっと、私の所持魔法は・・・」


そう言って、桂がステータスウィンドウを開いて、公開設定で亜里亜に自分の取得スキルを見せる。



けいちゃん、けいちゃん。


私が言っておいて何だけど。 すんなり、教えちゃう?」


「えっ?何か問題でも?」


「一応、USOって。


対人も可能なMMORPGじゃない。 簡単に見せちゃって問題はないの?」


「他の人たちならともかく。


亜里亜さん達に知られても、亜里亜さん達に利益はないでしょ?」


「いや、それは、そうなんだけど・・・」


そう言って、空中に映し出される。桂のステータスを見る亜里亜。


プレイヤー名:けい


取得スキル


魔法実技:68.3

魔法耐性:50.6

人体学 :62.8

治療学 :71.1

複写  :58.3

霊媒  :60.3

隠れる :80.3


取得OS:無し


ステータス


HP : 98

MP :120

STM: 93


腕力 : 82

知識 :148

素早さ: 72

器用さ: 87



「ほおぉ~。 これは、これは・・・」


「何か、問題がありますか?」


「ない! 無さすぎて、私が助言を口出す隙もない!」


「良かったです。」


そう言って、桂は笑顔を亜里亜に向ける。


「と、なると。 後は、取得魔法だけね。 魔法書を見せれる?」


「はい。」


そういって、ステータスウィンドウを開いて。魔法書を取り出し、亜里亜にトレードを出して渡す。


「有り難う。


それじゃ、私のステータスも教えちゃうね。


けいちゃんだけ教えるなんて不公平だからね。」


そう言って、亜里亜もステータスウィンドウを開いて、公開設定で空中に自分のステータスを浮かび上がらせる。


プレイヤー名:亜里亜アリア


取得スキル


魔法知識  100%

魔法実技  100%

魔法耐性  100%

人体学   100%

複写    100%

治療学   100%

霊媒    100%


取得OS:【死神の息吹ブレス・オブ・デス

消費MP:180


OSオリジナルスキル効果

使用者が視認できる、範囲内の全てのモンスター及び、プレイヤーのステータスの半減。


OS効果時間は、リアルタイムで300秒。


但し、パーティー&フォース及び、同盟&連合を組んで居るプレイヤーは除外される。


死亡して生き返った場合でも、OSオリジナルスキルの効果時間は断続される。



ステータス


HP    180

MP    200

STM    80


腕力     70

知識    200

素早さ   180

器用さ    90


メイン武器:ルナティック・ダガー

メイン防具:ドラゴン・レザーメイル【製作者:GM キョウ】

 

けいから魔法書を受け取り、中に入れてある魔法スキルの種類を見ていく。


けいは、亜里亜のステータスと、スキル構成を見る。


★魔法書★

*魔法スキルを入れて管理できる本。

*魔法スキルは魔法書に登録しないと魔法は使用は出来ない。

*魔法書にはNPCで販売されている10個用のタイプと。

*高位モンスターが落とす15個用の2種類がある。

*複数の魔法書を持ち歩いても、使用可能な魔法書は装着スロットに装着させ た魔法書の中の魔法スキルだけ。

*魔法書に記録させた魔法スキルは取り出せない。

*魔法書は祝福ブレス)アイテム。



けいの魔法書の内容


回復系:回復ヒール

    集団回復グループ・ヒール

    大回復グレーターヒール

    状態回復キュア

    蘇生リザレクション


攻撃系:炎の壁ファイヤーウォール

    氷の矢アイス・アロー

    電撃ライトニング


防御系:地の壁アースウォール

    魔力の壁マジックシェル




「うん。 初めて日が浅いのに。よく考えて構成してるね。」


「前のオンゲー(オンラインゲームの略語)でも、回復職ヒーラーをしていましたので。」


回復職ヒーラーの総称*


「ほほぉ~、なるほどねぇ~。」


回復職ヒーラーと言っても、私の場合は、支援職バッファー寄りの回復職ヒーラーでしたが。」


支援職バッファー

*味方のメンバーに有利になる効果の魔法【バフ】を、使う事のできる魔法職の総称。

*殆どのゲームで、回復職ヒーラー系の下級職から、上級職への分かれ道が。

 回復職ヒーラー支援職バッファーに成るゲームが多い。

*相手の能力を落とす効果の魔法をデバフと言う。



「USOでは、どっちに為るつもり?」


「出来れば、支援職バッファーに成りたいのですが。」


「魔法スキルね。」


「はい。NPC売りの魔法スキルでは、良いのがなくて。


それに、10個だと、どうしても回復系重視に成りがちで。」


「あっ、ちょうど、有ったかも。」


そう言って、亜里亜が自分の座る椅子の横にある。箱の中を漁り出す。


「あった、あった。」


亜里亜の手には、1冊の魔法書が持たれていた。


「はい、コレ。」


そう言って、桂に魔法書を渡す亜里亜。


けいの正面には、トレードウィンドウが開いていた。


「魔法書?」


「うん。まぁ、開いてみてよ。」


トレードウィンドウから、OKを選択して、亜里亜から渡された魔法書を開いて見てみる。


「15個が登録可能の魔法書!?」


「ギルド設立のプレゼントだよ。」


そう言って、けいの魔法書もトレードに出す亜里亜。


「そんな・・・・」


「そんなに、高価な物でもないし。 遠慮なく、使っちゃって。 私は、2冊持ってるから。」


「15個用をですか?」



「そうよ。対人用と、PT用に使い分けてるから。」


「亜里亜さん。コレって、いくらします?」


「お金は、要らないって・・・」


けいの表情を見ると、亜里亜は自分が言いかけた言葉を飲み込んだ。


「平均市場価格は、100万ゴールド。


ただし、今は枯渇気味なので150万~180万に値上がりしてるわ。」


「私達で、取りに行けますか?」


「無理ね。仮に、私が協力しても。取れる可能性は低いわね。」


「レイドボス?」


*レイドモンスター*

ワールドに存在する、一般のモオンスターよりも、数十倍の強さを誇るモンスター

*通常は、パーティーか、フォースで無いと倒せない。


*フォース*

複数のパーティーが集まって出来上がった大型のパーティーの事を指す。

*1パーティー、6人編成のUSOでは。4パーティーで、1フォースと呼ばれることが多い。最大24人。


「そう。レイドよ。


ただし、ボス自体の強さは大した事はないの。


問題は、湧いてくる雑魚モンスターの方。」


「召喚タイプのボス?」


「さすがね。他のをプレイしてだけの事はあるわね。」


*召喚タイプレイド*

HPが減ると、雑魚モンスターを呼んで、プレイヤーを悩ませるタイプ。

*もしくは、最初から大量の雑魚をモンスターを従えて登場する。

*一番嬉しくないタイプでは、無限湧きをしてくる。


 

「あの、レイドは。


HP半分で、召喚をするタイプで。


バードが居ないと、ほぼ攻略不可能に近いわ。


なんせ、呼び出すモンスターがレイスなんだよね。」


*レイス(悪霊系)*

*モンスターの驚異度としては中級程度。

*物理攻撃は殆ど効かず。魔法抵抗値も異常に高い為にプレイヤーに嫌われているモンスター。


亜里亜が溜め息を吐きながら言う。

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