第72話

「さて、喜んでいる所悪いが。このウェポンスキルってのは、1人に付き、4個までしか覚えれない仕様だ。」


「4個? ウェポンスキルの数が少ないのですか?」


蒼夜の言葉に、ガイが首を横に振る。


「ウェポンスキル自体の数は沢山ある。ジョブスキルで扱える武器の種類があるだろ?」


3人が、ガイの言葉に頷いてみせる。


「ジョブスキルで、扱える武器の種類に寄って、ウェポンスキルを購入しないと。


ウェポンスキル自体が発動しなくなる。」


「それって?」


「例えば、さっき見せた。ウェポン・リムーバ。あれは、弓武器では使えなくなる。」


ガイの説明に、3人は何となく納得した用に頷いた。


「蒼夜は、魔法戦士を目指すようだが。


魔法と斬撃を合わせたウェポンスキルも存在するからな。


悲観することはない。


逆に、俺たち純正の戦士よりスキル数は多くなる。」


「やったな!蒼夜!」


「良かったですね。蒼夜。」


カナタとシャナが、蒼夜そうや見ながら喜んでくれる。


「ただし!欠点もあるのがUSOの仕様だからな。」


ガイが喜ぶ3人を見ながら説明を続ける。


「さっきも言った様に、ウェポンスキルを購入するのは何個でも購入できるが。


実際に装着できる、ウェポンスキルの数は4個。


勿論、ウェポンスキル使用時にはMPも消費されるのが殆どだ。


そして、一番重要なのが。


ウェポンスキルは、プレイヤーに装着させるのではなくて、武器に装着する事だ。」


「「「武器に?」」」


「そう。一度でも、武器に装着させたウェポンスキルは取り外せなくなる。


だから、無闇矢鱈むやみやたらに装着すると。 後で泣きを見ることになる。」


「取り外し不可能ですか?」


「そうだ。


だから、普通のプレイヤーは武器を複数個、使い分けている。」


俺の質問に、ガイは答えてくれる。


「普通のって事は。 ガイは違うと?」


「俺は、少しばかり特殊なケースでな。 理由は、今は言えない。」


カナタが質問したが、ガイは話してくれない。


「それじゃ、OSオリジナルスキルはどうなるんですか?」


シャナが尋ねると。


OSオリジナルスキルは、プレイヤー自体が装着できるタイプだ。


もっとも、1人に付き1個しか覚えられないからな。OSオリジナルスキルは。」


「OSで覚えたスキルは、プレイヤーが装着していれば、違う武器でも使用可能なのですか?」


更にシャナが、ガイに尋ねる。



 

「それは、取得したOSオリジナルスキルに寄り蹴りだな。


だからこそ、ウェポンスキルは最初の選び方が、一番大事なんだ。


自分が一番よく使用する武器に、選んで装着させないと泣く羽目になる。」


ガイの話で、考え込む3人。




「だけど、それって。


逆に考えれば、似たようなウェポンスキル編成で、違う武器に付ければ。OSを取得する確率が高くなる?」


蒼夜そうや自分の考えを、言葉に出して呟いていたらしい。


「さすがだな、蒼夜。


の通りだ。中には、今言ったように。


違う武器に、似た様なウェポンスキルの構成をして。


OSを取得した奴もいるのは確かだ。」


シャナと、カナタが蒼夜を見る。


「だが、あくまでも。それは、可能性の話だ。


OS自体が何十万分の一の確率でしか取得できないからな。


運が良い奴は、亜里亜みたいに、数回で取得してしまうが。


運がないと、どれだけ使ってもOSが取得できない事にもなる。


まさに、神のみぞ知るってやつだ。」


「因みに、亜里亜さんは。どのくらいでOSを取得したんですか?」


俺が聞くと。


「あいつのは、参考にならないぞ・・・・・・と、言うか。


参考にしないで欲しい・・・・・・」


ガイが、親指以外の指を立てて、蒼夜そうやたちに見せる。


俺たちに、4本の指を見せるガイの視線は空を見上げていた。


「「「・・・・・・・・・・・・・」」」


黙り込む、蒼夜そうやたち。


「・・・・・・・・」


ガイも言葉を発しない。


沈黙する4人の間を、一陣の風が吹き抜けた。

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