第69話

俺は急いで平和ピース)を奏でる。


一発で、ナイトメア同士の戦闘が止まり。


女性が急いで、片方のナイトメアを自分が従えているドラゴンで倒す。


そして急いで、生き残ったナイトメアの方に駆け寄りテイムを始める。


「いい子ね。私に付いておいで。」


ナイトメアに語り掛ける。女性のテイマー。


女性の連れているドラゴンは、周囲のモンスターが女性にロックオンすると。


女性にタゲった、モンスターを倒しに行く。


《良く、調教されてるな。》


彼女にタゲった、他のナイトメアを瞬殺する様子で。相当、鍛えられているのが判る。


モンスターを倒す、ドラゴンを見ながら。俺は、そう思った。


その時、俺の奏でる平和ピースとは違う、楽器の平和ピースの音色が聞こえる。



視線を彼女に向けると、彼女がタンバリンで、平和ピースを奏でている。


BTバードテイマーか。》


テイマーを主軸に、バード技能も持ち合わせたプレイヤーを指す言葉だ。


が。彼女の平和ピースは失敗して、テイム中のナイトメアが彼女に襲い掛かる。


それを感知した、彼女の従えるドラゴンが、彼女を守ろうと、ナイトメアに襲い掛かる。


「ダメ!リズル!」


彼女がドラゴンの名前を呼び、ナイトメアへの攻撃を止めさせようとする。


が、それよりも速く。俺が平和ピースを発動する。


ナイトメアは勿論の事。彼女が従える、ドラゴンのリズルも動きを止める。


「今の内に。」


彼女に向かって、俺が言うと。


彼女は無言で頷き、テイムを再開する。


約、5分。


彼女のテイムが失敗して、タゲられる度に俺が平和ピースでタゲを外す。


何度か、同じ事を繰り返しながら。


彼女こと、ルナは無事にナイトメアをテイムできた。

 

「有り難う。お陰で無事にテイム出来たわ。イクルさん。」


「どう、致しまして。無事にテイムで来て良かったね。ルナさん。」


お互いの名前は、プレイヤーの頭の上に名前のタグが出るので判る。


「だけど、貴方すごいわね。 私のリズルまで、平和ピースに掛けるなんて。


この子、抵抗値100%なのよ。」


モンスターにも、ステータスが設定されており。それは、テイムしてペットにした時も同じである。


後は、ペットにしたモンスターを戦わせて鍛えれば。モンスターのステータスも、プレイヤーと同じように上がっていく。


「ん、まぁね。完全バード特化タイプだから俺。


ドラゴンなら抵抗値が100%でも、9割以上で成功できるから。」


「うわっ!何で、こんな所に来てるのよ。 デーモン相手に狩りが出来るじゃない!」


「ん~、強いて言えば。暇つぶしを兼ねた、皮集めかな。」


裁縫ソーイングのスキルでも取る気なの?」


「んにゃ。俺じゃなくて、裁縫ソーイングスキルを取るかも知れないギルドの仲間の為かな。」


「取るか、どうかも判らないのに。


材料集めって・・・変わってるわね、貴方。」


「よく言われる。」


ルナの言葉に、怒る訳でもなく。ニッコリと笑いながら言うイクル。


そして、ルナがテイムしたナイトメアに視線を向ける。


「ロングか。珍しいな。」


たてがみの短いメアをショートと呼び。たてがみの長いメアをロングと呼ぶ。


「でしょ!でしょ!


私も、結構な数のナイトメアを見てきたけど。


この子は、特別綺麗な毛並みをしているわ。」


ナイトメアの頭を撫でながら、ルナが嬉しそうに話す。


「しかし、手こずったね。テイム値いくつ?」


「99.9%よ。今さっき、この子をテイムしてGMに為ったわ。


この子のステータスが高すぎるだけなのよ。」


「へぇ、良かったら。教えてくれないかな?」


「別に良いけど。」



ナイトメア

HP  : 185

MP  : 153

STM : 451


腕力  : 102

知識  :  61

器用さ :  48

素早さ : 980


物理防御:  58

魔法防御:  43

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