第66話 サイド・ストーリー

サイドストーリー:ミリア


 * * *


「あの・・・本当に申し訳ありません。」


亜里亜と呼ばれた女性が、私に向かって深々と頭を下げてくる。


「いえ。よほど、ハウスが欲しかったんでしょう?


じゃ、なければ、あそこまで必死になれませんよ。」


頭を下げる、亜里亜と呼ばれた女性に言うと。


「それで、差し支えなければ。フレンド登録をさせて貰っても良いですか?」


「えぇ。」


そう言って、私に向かって、申請されたフレンドの通知のウィンドウの【YES】ボタンを


クリックして、亜里亜さんとフレンドになります。


「お金は必ず、お返し致しますので。」


そう言って、亜里亜さんが頭を下げていると。


「亜里亜!亜里亜!買えたぞ!」


先程の男性。イクルさんが、物凄いスピードで帰ってきました。


「お姉さん!ほんっとおうううに、有り難う!」


素晴らしい笑顔で、私に向かって、お礼を述べるイクルさん。


「いえいえ、無事に購入できて良かったですね。」


「はい!それで、今から、家を建てるのですが。 一緒に来てください!」


「私がですか?」


イクルさんの言葉に、私が戸惑っていると。


「イクル!ミリアさんにも、都合ってもんがあるでしょ!?


まずは、それを聞きなさいよ!」


亜里亜さんが、イクルさんに注意をしています。



「私なら、別に構いませんよ。お邪魔でなければ。ですけど。」


2人の新居なら、私はお邪魔虫に成りかねないので。一応伝えておく。



「お姉さん・・・・いや、ミリアさんの、お陰で購入できたんです。


是非、建てる所を一緒に見て欲しいのです。お願いします。」


腰を直角に曲げ、今にも土下座でもしかねない勢いで、イクルさんが私に言う。



「それでは。是非、ご一緒させてください。」


私がイクルさんに伝えると。


「ガイとキョウも呼ぶぞ!」


そう言って、ステータスウィンドウを開いて、メールを送ったみたいです。


「少しだけ、待って下さいね。連れが来ますので。」


イクルさんが私に言います。


「はい。」


私が返事をすると、イクルさんは再び、ステータスウィンドウを開いて、ルーン石を取り出します。



「2人が来たら、亜里亜。此処にゲートを開いてくれ。」


「分かったわよ。」


2分くらいで、イクルさんの、お連れの方が姿を見せます。


「待たせた。」


「たくっ。こっちの、都合も考えろっての。」


どても立派な体格の男性と。


少し、柄の悪そうに見える男性です。


亜里亜さんに、ゲートを出して貰い、5人でゲートをくぐります。


出てきた場所は、私の知らない場所でした。


広い空き地に、周囲は森と山に囲まれています。


「皆の、協力のお陰で、家を購入することができた。本当に、有り難う!!」


大きな声で、イクルさんが私達に、お礼を言って、ステータスウィンドウを開いて家の権利書を使います。



すると、目の前に。とても大きな大きな、家の土台が出来上がって行きます。

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