第58話

イクルが集めてくる素材の販売方法は、主にプレイヤー相手による掲示板での販売。


NPCノンプレイキャラクター相手の資金稼ぎでは、たかが知れているので。基本的に掲示板に乗せて、それをプレイヤーが買い取る。

ちょうど、そのタイミングで、ソフィアがドアを開けて中に入ってくる。


「お待たせしました。イクル様。」


「僕には、いつものコーヒーを。君たちは何を飲む?大抵の種類なら用意できるよ。」


「僕も、コーヒーを。」


蒼夜そうやが言う。


「えっと、私は紅茶を御願いします。」


続いて、沙耶さやが。


「俺は、炭酸系が有ればソーダを。無ければコーヒーを御願いします。」


カナタが。


「私も、紅茶で。」


シャナ。



「私は、アイスミルクを頼んでも良いですか?」


けい



「畏まりました。炭酸系が有りますので。ソーダ水で宜しいでしょうか。」


ソフィアが、カナタに伝える。


「あ、お願いします。」


「畏まりました。」


カナタの言葉に、一礼して部屋を出ていくソフィア。


「うぉぉぉぉ!!NPCノンプレイキャラクター使用人のメイド!!


初めて見た!!何アレ!めちゃくちゃ可愛いんだけど!!!」


ソフィアが部屋から出ていくと同時に。カナタが興奮しながら、大声で感動と絶賛をする。


「煩い!」


横で騒ぐカナタに軽く肘で小突くシャナ。


けい沙耶さやも、初めて見る、NPC使用人の感想を話していた。


「ところで、君たち。さっきの狩りで、スキルを使っていなかったけど。なんで?」


「「「「「「???」」」」」


5人の表情が、何それと言った感じでイクルに集まる。


職業ジョブスキルの事では無いですよね?」


蒼夜がイクルに聞き返すと。


イクルは苦笑しながら、答えてくれた。


「USOでは、職業ジョブスキルは、職業的な意味合いが在るのは判るよね?」


イクルの言葉に、5人は頷く。


「このジョブスキル意外にも、ウェポンスキルと言うのが有ってね。有り体に言えば、必殺技みたないなモノさ。」


「マジで!?」


カナタが驚きながらイクルに聞き返す。


「ん、ちょっと待ってて。」


そう言って、イクルがステータスウィンドウを開いて、フレンドにメールを送る。


【ガイ。インしてるなら、至急、俺のハウスまで来るように。すぐに来ないと、分かってるよね?】


こう書いて、ガイと言う人物にメールを送る。


10秒後。ガイから返事が帰ってきた。


【いま、勢力戦中。終わったら、すぐに向かう。】


ガイからのメールを見て、イクルは再び5人の方に向かう。


「まぁ、俺は。戦士系のスキルは取得してないから。詳しくは話せないけど。もう少ししたら、そっち方面の人が来るから。詳しく聞くと良いよ。」


「もしかして、今のメールって。」


「うん。フレンドメールを出したのさ。」


蒼夜の問にイクルが答える。


「あう、なんか。わざわざスイマセン・・・・」


「いえいえ。礼を言うなら。教えてくれる奴に言ってあげて。それと、けいさん。」


「はい?」


「良ければ。けいさんにも、何かとレクチャーできる人を紹介できるけど。どうする?」


「えっと、その人に御迷惑でなければ、お願いしたいのですが。」


遠慮気味にイクルに言うけい


「ん。」


それだけ言うと、再びステータスウィンドウを開いてメールを書き出す。


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