第54話

「バッ…」


シュ。と、言おうとした私に1本の矢が突き刺さり、スキル発動を強制キャンセルさせる

 

武器剥がしリムーバー!。 換装3。


全力振りフルスイング! 二連連続振りダブルスイング!!」



スキルの強制キャンセルで、動きの止まった私に、スキル後の硬直が溶けた大剣使いのPKが私に向かってスキルを発動。


PKのスキル【リムーバー】で私の手にしていた武器が右手から消える。



武器剥がしリムーバー!:斬撃&鈍器&刺突 共用スキル★

*対象の武器を、強制的にアイテムストレージに戻すスキル。

*武器を剥がされると、15秒は再装備は不可能になる。

*換装システムにも影響を及ぼす為に、武器の換装も出来なくなる。

*消費MP10 ディレイ時間30秒。



全力振りフルスイング:大剣:槍 共用スキル★

全力振りフルスイング系:ノックバック効果有り

*大剣装備時:攻撃力2倍で攻撃:スタン&ノックバック効果有り。



★ノックバック効果★

*対象の体制を崩して後方に弾き飛ばす。

*体制を立て直すのに多少の時間がかかる。


気絶スタン効果★

*相手の動きを完全に止める事ができる。

*効果時間は2秒~3秒。



二連全力振りダブルスイング:大剣&槍スキル★

*フルスイングからの連続回転切り。

*大剣装備時:攻撃力2.2倍で攻撃

*ノックバック効果+スタン効果

*消費MP30 ディレイタイム18秒。



大剣使いのPKのスキルを受けて、私のHPゲージは一気にレッドゾーンに入る。


だけど、残ったHPは弓使いの攻撃で0にる。



「あぁぁああ!」


私は短い声を上げて、幽霊状態で自分の死体の近くに出現する。


死亡した時に出る声は、私が出した訳ではない。


死亡時に出るシステムボイスのデフォだ。


「みーちゃん。」


「水無月さん。」


横を見ると、幽霊状態のラクスと彩が話しかけてくる。


「あはは……。殺られちゃった。」


苦笑いを浮かべながらラクスの方を見る。



「アイツら上手いよ。」


幽霊状態のまま、彩がPK3人を見ながら言う。


「何もできなくてスイマセン。」


ラクスが謝ってくる。


吟遊詩人バードなんだから仕方がないよ。」


水無月がラクスに言う。




吟遊詩人バード技能を取ると、戦闘用スキルは殆ど習得できなくなってしまう。


何せ、吟遊詩人バード関連の職業ジョブスキルだけで、音楽ミュージック煽動アジテーション平和ピース:|魅了チャームの4枠が取られてしまうのだ。


他には、移動関連で魔法を覚えるのが主だ。


その魔法スキルも、帰還リコール)や、 転移門ゲートを出すだけに在る様なもので。


戦闘に関係する職業ジョブスキルは取れない。


それに、弓使いと大剣使いの連携が冗談じゃなく上手かった。


彩と私も、何もできないと言っていいくらいに。


まだ、生き残っているガーランドを見れば。


片手剣使いのPKと戦っていた。



大剣使いと弓使いのPKはと言えば、ガーランドと片手剣使いの戦いを見ていた。



「手を貸そうか?」


大剣使いのPKが、片手剣使いのPKに言う。


「要らねえよ! 久しぶりに、手応えの有る奴に当たったんだ。


少しは楽しませてくれよ。」


「2分だ。 2分で決着を着けろ。」


弓使いのPKのアランが、片手剣のPKに言う。


ガーランドと、片手剣使いのPKの、剣と剣が激しくぶつかり合い打ち合いが展開される。


どちらも、スキルは使わずに。


いや、使えないと言ったほうが良いのだろうか。


ガーランドも、片手剣のPKも、戦う事が楽しいようだ。


「後、30秒。」


弓使いのPKアランが伝える。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る